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河童のルゥ ブログトップ

河童のルゥ 壱の一 [河童のルゥ]

「ねえ、おにい。」
「なんだ、ぽて…」
**その瞬間おにいの脳に衝撃が走った!

紹介するよ、河童のルゥ、友だちになったんだ。
「か、河童…」
**おにいのちっぽけな脳は、河童という非日常的な存在をどう受け入れるか、という問題について焼ききれんばかりの速度で回転していた。

「あ、初めまして、おにいです。」
**とりあえず挨拶をしてみるおにい。

「おう、わいがルゥや、よろしゅう頼んまっさ。」
「は、はい、こちらこそ、ルゥさんの出身は関西ですか?」
「いや~、それがようわからんのですわ、あちこち流れ流れてますさかい、あちこちのなまりが混ざってしまいましてな、まぁしばらくは関西にいてましてん、今はえせ関西人状態ですわ。」
「と、いうことは、しばらく東北に居ると…。」
「そげんことなかっと、とか…。」
「そ、それは九州ではないかと…。」
「まぁ、細いこと気にしちゃいかんぜよ。」
「ところで、名古屋へは何か用事でもあって?」
「ぽてっちゃんの脳波がわいを呼んだってことですわ。」
「そうか、ぽてちは何故か二本足で歩いて、人間と口を使わずにお話ができる、かめ、だから脳も一味違うんだろうな。」
「一味違う? どんな味でっしゃろ、一遍食べてみまひょか?」
「きゃ~、やめてよ! 友達になったんじゃないかぁっ!」
**あせるぽてち。

「はは、軽いジョークやおまへんか。」
「軽くないよ!」
「でも、どんな味なんだろうな?」
**追い討ちをかける、おにい。
  ぽてちはいじけて頭と足を甲羅に引っ込めてしまった。


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河童のルゥ 壱の二 [河童のルゥ]

「ところでお腹はすいてませんか、え~と、ルゥさん。」
「ルゥって気軽に呼んでんか。」
「う、うん、やっぱり胡瓜とか好きなのかな、ルゥ?」
**まずは食べ物の話題を振ってみる、おにい。

「あんさん、わいの大好物をよくご存知でんな、パリポリパリポリの食感とみずみずしさが何とも言えまへんわ~。」
「私も胡瓜は大好物なんですよ。」
「さよかぁ~、じゃあちょっと待っとってや~。」

とん、てん、たん、じやぱぁ~ん

**庭の水溜りに勢い良く飛び込むルゥ、それを呆然と見送る、おにい。

「なあ、ぽてち、河童のルゥは水溜りに飛び込んだぞ。」
**それを聞いて頭だけ甲羅から出すぽてち。

「うん、それがどうしたの?」
「ちょっと待っとってや~、という言葉からすると、水溜りの中で何か探してるのか?」
「みみずかなぁ~。」
「おいおい、そりゃないだろ。」
「へへ、冗談冗談、何でも河童たちは水に入ると別の場所へ移動できるって言ってたよ。」
「ふ~ん。」
**河童との衝撃の出会い? の後、何かしら緊張していたおにいにとって、ルゥの帰りを待つ時間は心を落ち着かせるに、ほど良い間となっているようだ。

「それにしても河童か…、背の高さは、ぽてちが立ち上がった時と同じ10センチぐらいか…、痩せ型というか、まだ子どもなのか、でも、あの気さくな関西人っぽい口調は…、なあぽてち、ルゥのことは色々聞いたのかい?」
「少しだけだよ。」
「どんなこと?」
「移動のこととかさ、いきなり水溜りから出てきたから、どこから来たの? って訊いたんだ。」
「そっか…。」


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河童のルゥ 壱の三 [河童のルゥ]

プッカり、プッカり、プッカり、プッカり…

「おい、ぽてち、突然水溜りに胡瓜が浮かんできたぞ。」
「ほんとだ。」

ポシャ!

「おまっとさん。」
**水溜りに浮かんだ数本の胡瓜の間から顔を出すルゥ

「お、お帰り。」
「どや、この胡瓜、うまそうやろ。」
「うんうん、早速洗ってパリポリいきたいね。」
**おにいは胡瓜と一緒にルゥもすくい上げた

「ついでに、わいも軽く洗ったってくれんかぁ~。」
「おっけ~。」

じゃぶじゃぶじゃぶ

「ときたら次はストレートに注意せんとな。」
「何の話で?」
「もちろんボクシングしかおまへんやろ。」
「はいはい、きれいになりましたよ。」
「さ~胡瓜食うか。」
「私は塩をかけて、パリポリパリ。」
「わいはこのまま、ポリポリポリ。」
「ぼくは…、胡瓜とかはあんまし…。 」
「そうか、美味しいのにな、う? そういえば曲がってる胡瓜って久しぶりに見た気がする。」
「そうでっしゃろ、心は曲がってるくせに胡瓜は真っ直ぐなのやないとって人間ばかりやさかいな、味とかは変わらへんのになぁ~。」
「まあ、箱詰めとかはし易いんだろうけどね。」
**ぽてちは胡瓜に興味がないらしく、また頭と足を引っ込めて…、どうやら寝てしまったようだ。


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河童のルゥ 壱の四 [河童のルゥ]

「ねえルゥー、この胡瓜どこで手に入れたんだい?」
「山奥の畑でんがな、まあ、ばっちゃんが暇つぶしにやってる様な畑ですわ。」
「へ~山奥か~、それにしては早かったよね。」
「わいは河童なんやで、水があれば遠くてもすぐなんや。」
「水を得た河童ということなんだね。」
「あんさん、それを言うなら水を得た魚でんがな。」
「あっそうか…、ということは、今は、陸に上がった河童なんだね。」
「能力発揮する必要もない時は、陸でもそんなに不自由はおまへんで。」
「それでも水があった方がいいのかい?」
「まあね、ほっとするやおまへんか。」
「お風呂みたいなものなんだね。」
「お湯より水がええんですわ。」
「ちょっと待ってて。」
**どんぶりに水を入れるおにい、ルゥーをそこにそっと入れる
「う~ん、ええ気持ちや。」
「良かったらゆっくりして行ってくださいね…。」
「ぐ~。」
「あっ、もう寝てるし。」
**そこに緊張感は全くなかった…。


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