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高校生会議-21 ブログトップ

岩崎高校生会議-41 [高校生会議-21]

岩崎高校生会議では社会のあらゆる問題と向き合っている。
その中で宗教に関する事は、まさしく思いもしない展開となった。
始めは、教会を持たない宗教組織、ささやかな願いなら叶えてあげる様な宗教が有ったら面白いと考えていた。
教会を持たないという事だけで、運営経費はかなり抑えられる。
金銭的に余裕のある人のお願いを叶える時は必要経費を請求するが、それ以外は信者からお金を求めない宗教。
寄付によって運営されている施設は有るが、収入源は色々有り信者に寄付を強要する必要はない。
こんな宗教に同調してくれる高校生会議のスタッフが多数いる事によって、ボーダーレス教団は発展してきた。
私に特殊能力が無かったとしてもそれなりに拡大したと思う。
逆に特殊能力のお陰で私が悪目立ちしてしまい、テロの標的になってしまったと言える。
自分達の宗教と関係ない神がこの世に存在していてはまずいと考える人達がいる訳だ。
こちらとしては、今までの信仰を大切にして欲しいと訴え、バーチャル王国を感じている時のみの、国境のない人種差別も宗教対立もない、そんな世界の宗教と捉えて欲しかったのだが。
過激ではない宗教家達とは、この旅行中に会う機会を設けた事で折り合いをつけ始めている。
冠婚葬祭はボーダーレス教の役目では無い、つまり彼等の収入源を断つ事を目的とはしていない、死後の世界と言った事に我々は口を挟まない、今を生きている人の為の宗教という位置づけだと理解して頂いた。
簡単に納得して頂けたのは、私の能力によるのかもしれないが…。
その私の特殊能力に関してはあちこちで大論争が繰り広げられているそうだ。
遠くからでも私の姿を見ると神を感じるという、ただし写真や映像では充分に伝わらない。
当然、私と対面した人と、していない人では話がかみ合わない。
元々は会った事も見た事もない存在を信仰の対象としている人達なのだが。
女神論争から発展し、神を説きながら一方で金儲けに走ったり退廃的な行為に及んでいるといった、宗教活動の在り方を見直し始めた宗派や、神の根源を見つめ直そうとしている宗派も有るという。
私の姿を目にすると人々は思わず跪きたくなり、悪事を働いた者は懺悔をしたくなる様だが、ボーダーレス教では基本的に私を女神とはアピールせず、王国の姫、歌姫として前面に出している。
教祖はネット上にしか現れず、司祭や神官は存在しない。
こういった形を取った事から、自分達の宗教に私を取り込もうと画策する人達が現れた。
聡美曰く、賢い選択。
そもそもキリスト教や仏教を名乗る人達は長い年月を経て、多くの宗派に別れて来た歴史が有る。
そこに新たな一ページが加わってもおかしくないだろう。
信徒のほとんどがベランダ前広場で私の歌を聴いたという教会は、分派を決定せざるを得なくなった、私と会った事の無い本部の人達を説得出来そうにないという…。

「遥香さま、教会の女神さまとなって頂きたいとの依頼が届きましたが如何でしょうか?」
「私に何をすればと?」
「特には何も、お写真を教会内に飾ったり、グッズの製造販売をするぐらいです。」
「それでも…、揉めてないのかしら?」
「信徒が力を合わせて乗り切ると話していました。」
「は~、無理しないでねって言える立場では無いのよね…。
聡美、日本の状況報告は見た?」
「はい、元々信仰心が弱いですから、お願い出来る神社が増えたぐらいの感覚、でも楽しめるイベントを作ってくれたらグッズが売れそうとか…、美の女神、叡智の女神として。
日本ではビジネスライクに徹しても喜んで貰えると思います。」
「宗派間の抗争から内戦になってしまう国も有るのに、日本って本当に平和よね。」
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岩崎高校生会議-42 [高校生会議-21]

ボーダーレス教団と同様、岩崎高校生会議の世界展開で熱くなっているのは政治活動だ。
システムを活用して若者中心に政治研究の輪が広がっている。
岩崎王国に協力的な国の中には大統領の諮問機関として岩崎高校生会議が機能している所も有る。
彼等が参考にしているのは、日本の政治改革、みどりの風が政権を握ってからの施策だ。
例えば貧困対策。
老人向け、子ども向けの福祉予算は貧困対策に振り替えられた。
貧困家庭の老人子ども向けへと。
これにより支援を必要としていない家庭へ使われていた予算が貧困層へ回り効果を上げている。
自力で充分な額を稼げなかった人達は、カウンセリングを受けたり子育て支援など色々な形で支援を受ける事が可能になった。
母子家庭であっても安心して子育て出来る環境造り。
援助を本当に必要としている人へこそ福祉予算が使われるべき、貧困家庭を無くそうと、岩山首相が熱弁をふるい推し進めた。
貧困層を減らす事で、犯罪の減少を目論んでもいる。
貧困、犯罪が減れば、社会が明るくなるだろう。
そしてささやかながらも消費拡大、内需拡大が見込める。
経済的に結婚を諦めていた人が明るい明日を考えられる社会を目指すとなると、当然人件費は上がるが、岩崎関係が積極的に雇用する事で何とかなりそうだ。
政府だけが頑張ったところで難しい問題は解決しない。
支援対象者が出来る仕事は限られるが、仕事を作ってでも、彼等が岩崎の標準的な給料を得られる様にしようというのが、岩崎社長の方針。
赤字にしない工夫は岩崎高校生会議のメンバーが考えてくれていて、岩崎王国の拡大がそのまま貧困対策に繋がっているとも言える、岩崎王国は国政に影響を及ぼすレベルまで拡大しているのだ。
当然インフレになるが、日本が抱える莫大な借金を実質的に目減りさせるというメリットが有る。
物価上昇に給与アップが追いつかない人達は転職を考えるだろう。
沢山稼ぎ沢山使う、という岩崎の方針は日本国民に対して好況感を与える事に成功しつつ有る。
安月給しか払えない企業は淘汰されて行くと思う。
今は、岩山総理と岩崎王国の挑戦が少しずつ実を結び始めている段階だ。

「遥香さま、岩崎王国と友好的な国では、日本での政治改革を見守り学ぶ方向の様ですが、岩崎王国が伸び悩んでいる国では、日本のみどりの風の様に、自分達の手で政権政党を作ろうという動きが有ります。
ただ、そういう国は高校生会議の規模が小さいので、こちらからの支援体制をどうするか難しいです。」
「どんなに正論で事にあたっても、既得権益の壁は崩せないとぼやいてる人がいましたものね。」
「桜、この程度の小国なら、遥香さまご降臨で、簡単に事が進みそうではないですか?」
「どうかしら…、遥香さまのご負担になりますし…、身にしみついた賄賂体質とかは、本人達が当たり前の事で悪い事とは思ってないみたいなのよ、聡美、私達の常識が通用しない国も有るの。」
「ふふ、そうよね、私達だって、日本では企業と政治の癒着と言われかねない、ぎりぎりでしょ。」
「ある意味インチキですよね、政権や岩崎に抵抗する勢力の人達を遥香さまのパーティーにご招待するだけで丸め込んで乗り切っているのですから。
それが遥香さま抜きでも可能な事なら世界平和なんて簡単そうですが…、遥香さま、国連総会への出席はどうされますか?」
「あちらこちらから是非にと要請されては、お断り出来ませんね。
立場が微妙ですが、岩崎王国の姫をアピールする事に成功すれば、領土を持たない王国を世界が認めて頂けるかも知れません。」
「すでに大きな影響力を持っていますから、無視は出来ないでしょう、自国の領土内にバチカンの様な形でリアル国家樹提という提案も受けています。」
「それはそれで、どの国の領土内にするかで揉めそうね、でも、その政治形態とかは検討してみたいかも。
もしリアル王国建国となったらとして、岩崎高校生会議にも検討して貰いましょう、お遊び感覚で良いから。」
「分かりましたが…、取り敢えず、二重国籍が問題になりそうです…。」
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岩崎高校生会議-43 [高校生会議-21]

みどりの風が国政政党として政策を推し進める中で大きな役割を担っているのが総理大臣諮問機関だ。
これはみどりの風が国政に打って出ようとし始めた頃に岩崎高校生会議の中で結成された政治研究会が元になっている。
そこへ遥香システムを導入し共同研究体制を築き上げ、岩山政権誕生後は国の機関と、その位置づけを変えてきた。
諮問機関と言っても名高い教授がメンバーなのではなく、大学や研究機関が深く関わっている。
政治、法律、経済、福祉、教育など、国の政策に係わる様々な問題に対して研究者達が意見を戦わせ、必要ならば法案を作っている。
一つの問題に対して複数の案が提出される事も有るが、そこから選択して行くのは政治家の役割だ。
法案は、法学部とその問題に関係する学部が共同で取り組むという形が多い。

「忍、総理大臣諮問機関について海外からの問い合わせが増えてる様ね。」
「はい、今国会で審議されている法案の多くは諮問機関からの提案、その内の半数は学生達が中心になって作成した法案、国際ネットワークでも報告されていますから、注目を集めて当然です。
学生達は必要有らば現地、現場の調査を広く行っていますから、法案の根拠が明確です。」
「個別の立法案件は安心ということかしら、それで、法体系全体の見直しは進んでいるの?」
「法の盲点を突かれない為の文言が法律を複雑にしていたり、法解釈で意見が分かれたりと難しいですが、まずは法律をもう少しすっきり出来ないかと取り組んでいます。」
「簡単では無いでしょう?」
「はい、人の嫌がる事をしてはいけません、が法律として通用する訳では有りませんから。
でも面白い案が出て来ています、実現は難しいかも知れませんが…。
例えば、遺産相続で揉めて長引いたら、相続税がどんどん高くなるなんて良いと思いませんか。」
「なるほどね、でも焦って殺し合わないかしら。」
「私個人としては金の亡者がどうなろうと構わないのですが…。
刑罰の内容を変えて、強制労働という案は如何です、主に過疎地の再開発を考えての提案ですが。」
「そうね、自発的労働でないのが残念だけど、過疎地を有効活用して行きたいものね。
強制労働終了後もそこで暮らしたくなるような環境が有れば、受刑者がそのまま社会復帰出来るかも知れないわね。
罪と罰の位置づけ、それと刑期を終えてからの社会復帰、その流れが作れるのなら問題のない刑罰になるのかしら。」
「強制労働という言葉に引き気味の人がいますが、もう少し深めてみたいと思います。」
「高校生会議のネットワークにも情報は流してるの?」
「はい、内容を選んでですが、多くの方に考えて頂いています。
そんな、流れから、もし岩崎王国で法律を制定する事となったらという議論が起こり始めました。」
「ふふ、バーチャル王国だから法律もバーチャルなの?」
「笑顔で挨拶出来なかったら自分で自分にデコピンといった個人的な法律? から憲法を真面目に考えて、立憲君主制を考えている人など色々ですが、岩崎王家なら絶対王政で構わないという人も、これが結構賛同を得ていまして、絶対的に国民の事を考えて下さる王家に絶対的な信頼と忠誠を誓いたいという声も出ています。」
「それを、忍はどう捉えているの?」
「偉大なる王と女神が統治する王国の一員で有る事を誇りに思っております。」
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岩崎高校生会議-44 [高校生会議-21]

岩崎高校生会議で検討を進めている事の一つに教育制度改革が有る。
難しい問題で、すでに色々な討論がなされてきたのだが教育制度に正解は無いのかもしれない。
私からは、何のため、誰のための教育なのか考えて下さい、とだけメッセージを発して有る。
遺伝的要因、環境的要因によって人の能力は同じではない。
単に暗記能力、論理的判断能力だけでなく、学習に向き合える能力にも差が有ると中学時代に同級生の学習を手伝っていて感じた。
公立の小中学校では能力的に大きく差の有る児童生徒が同じ教室で同じ授業を受けている。
能力の高い子にとっては無駄が多く、低い子にとっては苦痛が多いかもしれない。
システム上の討論でも、分野毎に様々な問題点の指摘がなされている、愚痴に近いものもあるが。
そんな中からかなり実験的な取り組みを進めている。
思い切った事が出来るのも、特別法案を通せる環境有っての事だ。

「忍、岩崎学園で単位制度を試験的に始めて、そろそろ効果とか問題点とか見えて来てない?」
「力が有れば年齢に関係なくレベルの高い学習内容に進む、学齢に関係ない授業クラス編成、さすがに、始めの内は戸惑いが、特に上の学年の子には強かったそうです。
ただ個々に取得単位目標を設定していますから、年下の子に抜かされても、自分の目標をクリアして行けば良いのだと納得して学習に取り組める様になり落ち着いてきたそうで、教師陣が心配したほどでは無かったと聞いています。
遥香さまが社長になられた時、部下が全員年上だったという事実を子ども達も認識しているそうですし、基礎計算が出来ない子に数学を教える無駄、それを省く事の意味も理解された様です。」
「ストレスを感じない学習環境は実現出来そうかしら?」
「まだ試行錯誤の最中です、単一学齢の教室を崩壊させたメリット、デメリットは長期に渡る追跡調査の結果を見ないと判断出来ない…、いえ、個別の事情が有りますから結論は出ないかも知れません。
ただ、社会へ出ればうんと年上の人とも付き合わざるを得ない訳です、年齢差の有る環境で学ぶ事は悪く無いと思います。
子ども達がどんな人間関係を築いて行くかを見守って行くのが教師の役目だと、報告の中で担当教師が記していました。」
「そうなのよね、私も子どもの頃は学習より、人間関係の方が難しいと感じていたわ。」
「そうでしたか…。」
「私の近くで給食を食べたいという子が多くてね、片寄らない様に気を使ったのよ。
姫になってからは、変に気を使っては姫らしくないと、気を使わない様にしてたけど。」
「結局、気にはされていたのですね。」
「まあね。」
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岩崎高校生会議-45 [高校生会議-21]

岩崎王国がなぜ大きく拡大しているかは、岩崎高校生会議の学習テーマとなっている。
例えば、岩崎王国の国王である岩崎社長の功績…。
彼は今の岩崎王国の原型となる企業グループを大改革した。
非正規雇用を大幅に減らし正規雇用に、時給八百円で働いていた人が月給三十万円になったのだから皆喜んで仕事に励んだという。
とは言っても収益が上がらなければ、給料が払えない。
その為に取ったのはグループ間取引の拡大、グループ間という事で値引くのではなく、きちんと利益の出る価格でだ。
それは社員個人のレベルでも行われた。
今までグループ外の商品を購入していた人には関連グループ企業の商品購入を推奨。
その商品が他社より劣るのであれば積極的に改善提案をする体制を作り上げた。
社員達はグループ企業の一員という意識を強める様になる。
薄利多売だった企業は、品質を上げ利益率の高い商品にシフト、効率化を計る。
この時期に思い切った設備投資をした事も大きい。
社員にとってきつい作業を減らす事に成功し生産効率が上がった。
設備投資にはグループ内の別企業が関わる、当然その企業の売り上げアップに繋がる。
勿論、グループ内の取引だけでは成り立たないが、品質が上がった事と社員に対して優しい企業というイメージ戦略が成功し売り上げアップに繋がった。
兎に角安ければ良いという人は、ブラック企業の商品やサービスでも気にしないのだろうが、気にする人が少なからずいた訳だ。
こうして私が高校生になる頃には、岩崎王国の基礎が固められていた。
その岩崎社長が久しぶりに城へ…。

「お父さまお久しぶりです。」
「おお、また一段と綺麗になったね。」
「ふふ、お父さまは少しお腹が大きくなりました。」
「まあ、貫禄というのも必要なのさ、国王が痩せていては貧乏くさい国だと思われてしまうだろ。
王子や姫に任せる事を増やして、のんびり出来てる証拠でもあるがな。」
「分担は固まりましたか?」
「ああ、国際平和会議は譲治に、過疎地再生は里美にといった具合にね、何時でも引退出来る体制を作っておいて、国連と向き合おうと考えているが、遥香姫としては国連総会出席をどう考えてる?」
「微妙です、岩崎王国が国連の一員となる事のメリットがあまり感じられません。
お父さまが築かれた岩崎王国は海外展開も、お父さまのお考えに沿った形で進んでいます。
これから国連に加盟となると、国家間の大きな問題と向き合う事になりますが、果たして…、費用負担ばかりさせられるという可能性はないのでしょうか。」
「確かにマイナス面は考えられる、だが大国のリーダー達が女神、遥香姫を感じる機会を作りたいと思ってね、私としてはそれだけなんだ。
遥香姫の女神パワーを世界平和に役立ててくれないだろうか。」
「私自身、自分の力は良く分かってないのです、ある日突然パワーが消えてしまうかも知れないのですよ。」
「そんな時は私が前に出て何とかする、今は世界中で遥香姫にしか出来ない事をして貰いたいのだ。」
「私だって、自分の力が本物で、それによって世界が平和になるのなら嬉しいですが…。」
「でも彼氏が出来そうに無くて寂しいとか?」
「いえ…。」
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岩崎高校生会議-46 [高校生会議-21]

岩崎王国の海外展開が進むにつれ、岩崎高校生会議のメンバーも増えている。
その中には各国の要人、政府関係者や国連関係者も含まれる。
皆、国境を越えた活動で世界平和を目指しての参加。
公的な組織では無いので自由に意見交換が出来る事が魅力の様だ。
高校生会議のシステム上で活発な意見交換をした後、正式なルートで形だけの交渉する事も、効率が良いだけでなく、時には第三者の意見を参考に出来る。
国家間の交渉関係は、基本的に関係者しか閲覧や書き込みが出来ないシークレットモードが使われているが、敢えて誰でも閲覧や書き込みが出来る状態で多くの人に意見を求める事も有る。
全く関係の無い国の学生の案が多くの賛同を集め、二国間の取り決めに採用された事もあった。
その様な状況と今までの国際貢献を理由に、岩崎王家に対して国連総会出席の依頼が来た。
岩崎王国は国民登録だけの人を含めると三億人を越えている。
ボーダーレス教も随分広まった。
先進国首脳会議参加国を抜きにした国際平和会議を開き、先進国とは違う視点で国際平和や経済活動を話し合う場を作っている事も有り、すでに二十を超す国が正式に国として認めている。
国連として無視できない存在になった訳だ。
国連の一員にという声もあちこちから聞こえて来ているが、国連に加盟すると動きにくくなるのではと懸念する人も多い。
ただ…、岩崎社長の言う通り、私の女神としての力が本物なら、私が国連総会の場に立つ事に意味が有るのかも知れない。

「遥香さま国連総会ではスピーチをなされるのですか?」
「聡美はもう出席前提なの?」
「世界平和の為に参加して頂けるものと信じていますが…、国連総会出席者の多くがボーダーレス教に入信して下さったら、世界が変わると思いませんか。」
「そんなに上手く行くかしら。」
「駄目でも良いじゃないですか、絶世の美女を生で見る機会を作って差し上げれば、プリンセス遥香ブランドの宣伝にもなります。」
「う~ん…、出席するとしたら、聡美はスピーチした方が良いと思うの?」
「いえ、譲治さまにお願いすれば良いかと、ただ担当から遥香さまの御意向を確認して欲しいと言われまして。」
「私は…、にこにこしてるだけにするわ、下手にスピーチした結果が予測できないでしょ。」
「ですね…、戦争や災害などで不本意な死を遂げられた方々への鎮魂歌はお願い出来ますか?」
「勿論大丈夫よ、でも、私の鎮魂歌は死者の事に想いをはせながらも、今を生きてる人の為に心を込めてるのよ。」
「はい、我らが女神さまは唯物主義で死後の世界なんて考えておられない…、でも、論理的に人の心理を考えていらっしゃる事も含めて、これからもご内密にお願いします。」
「ふふ、信仰心も無いし、やはり女神では無いわよね、私は。」
「いえ、神の定義は分かりませんが…、遥香さまは生きてる人の幸せを考えておられます。
神は信仰の対象なのですから、信仰心など無くて当たり前です。
私は他の神様にお会いした事有りませんから、遥香さまは絶対的な存在。
国連総会の場に降臨下さり、邪悪な心を持つ連中を浄化して頂きたいです。」
「私にそんな能力は…。」
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岩崎高校生会議-47 [高校生会議-21]

そして国連総会。
その前日、岩崎王国の王室メンバーが勢揃いした。
岩崎社長は、私が特別職『姫』に就任した後、貴族を増やすと共に少しずつ王族を増やした。
王族は勿論岩崎王国の発展に貢献した人達、私が姫になる前からプリンス、プリンセスと呼ばれていた人もいる。
彼等を岩崎王国の王子、姫として正式に認める事が遅れたのには大人達の事情があったそうだ。
兄や姉達は素敵な人ばかり、私の女神パワーを感じながらも普通の兄や姉として振る舞ってくれたのが素直に嬉しくて少し甘えた。

「普通の女の子が姫になってからの女神扱いなんて、結衣姉さまはおかしいと思いませんか?」
「遥香さまは姫までは演じてたのでしょ、でも女神は…、私だって女優の端くれ、姫さまを演じる事は出来るわ、でも女神さまは…、遥香さまに会ってしまったからもう絶対無理ね。
うふ、女神でも私の妹で良いのよね、ぎゅってしても良い?」
「はい…。」
姫になってから優しく抱きしめられた記憶はない、この時何かが変わった気がした…。
「お父さまから色々聞いてはいたけど…、もし天才として、女神として孤独を感じていたのなら…、遥香コーポレーション設立以来ずっと周りは部下ばかりでしょ?
もちろん信頼出来る人ばかりだと思うけど、王家の長女みたいな立場でも年齢的には末っ子。
何かあったら、絶対全力で守るからね。」
「里美姉さま、有難う御座います。」
「妹に一人ぐらい女神さまがいても良いよな、すごく女神を感じて気分が良いのだけど、遥香さま自身はどうなのかな?」
「譲治兄さま、自分では良く分からないのです、ただ…、今日は側近に加えてお兄さまお姉さま方に囲まれて、すごく落ち着いていると言うか私がパワーを頂いてる気がしています。
今なら空でも飛べそうな。」
「えっ、空を飛べるのか?」
「ふふ、冗談ですよ、奇跡みたいな事は何も起こせないのです。」
「いや、奇跡の連続だと思う、女神のパワーが無かったら、いくら優秀な人を集めているとはいえ、こんな短期間で、岩崎王国が世界へ拡大し、岩崎高校生会議のネットワークが国際社会に大きく貢献できる規模にまでになってないと断言出来る。
それだけに遥香さまの負担が大きかったりしないか心配していたんだ。」
「大丈夫です、本当に特別な事をしている訳では有りませんから。」
そこへ桜が…。
「遥香さま、岩崎社長ご夫妻が到着しました…、が…、は、遥香さま…、何時もと少し違います…。」
「えっ、桜、何が違うの?」
「女神さまオーラが何時も以上に暖かく強いです。」
「桜さんは何時も女神パワーを浴びているのね、そんなに違うの?」
「はい、部屋中が…、皆さんは感じませんか?」
「勿論感じているさ、でも普段からこうなのかと思ってたよ。」
「今まででも気心の知れた側近ばかりの時はオーラが強まる傾向を感じていましたが…、すぐ社長夫妻をお通しします。」
桜は速足で社長夫妻を迎えに行った。
お父さまとお母さまは実の両親同様大好きだ。
桜は二人に加え別室にいた側近達も連れて来た。
普段の私は極めて冷静なのだが…。
「お母さま…。」
「どうしたの、遥香?」
「ふふ、何か甘えたくなっちゃったの。」
「どうなったの遥香さまがお母さまに抱き着いたと思ったら…。」
「これが女神さまパワーなの…。」

こうして私の女神パワーはそのレベルを上げる事となった…。
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岩崎高校生会議-48 [高校生会議-21]

国連総会当日。
岩崎王国の国際貢献に対する感謝の言葉を頂いた後、私の歌となる。
岩崎王家全員と私の側近が近くにいてくれるお陰か絶好調。
鎮魂歌を英語で歌い始めアラビア語で締めくくった、途中は六つの言語でつないでみた。
やはり拍手は起きず、会場内は静かな祈りの空間となる。
そんな状況を無視する形で、プログラムは進められた。
カメラを通して見ている人達もいるからだ。
譲治兄さまは国境の無い世界について語ってくれた。
この模様は全世界へ向けて配信され、バーチャル王国の登場と有って大きな注目を浴びた。
そして…。

「遥香さま、異変が起きています。」
「桜、どうしたの?」
「今まで遥香さまの映像では、女神パワーがあまり伝わりませんでしたが、国連総会の映像ではかなり伝わった様です。
ボーダーレス教団のサイトがアクセス集中で厳しくなりましたので、言語別にサーバーを分散させるそうです。」
「やはり、私の力が強まったのかしら。」
「はい、そんな気がします。
遥香さまの鎮魂歌と共に譲治さまの国境なき世界に関するスピーチにも注目が集まっていまして…、世界が大きく動くかも知れません。
混乱も予想されると、岩崎高校生会議の国際ネットワークで今後について討論しています。
まずは遥香さまの新しい映像を世界中の人が待ち望んでいる様です。」
「出し惜しみするタイミングではないわね、王族、側近だけでなく、私に力を貸してくれそうな騎士団の方も呼べないかしら、私のパワーを更に高める為に。
これから映像を世に流す時は、私が甘えられる人をどの程度集めると、どれだけの効果が得られるか探っていく必要が有るのかな。」
「遥香さま、嬉しそうですね。」
「女神パワーの源が分かりつつ有るのだからね、甘えん坊の女神さまで良いでしょ、桜、ぎゅってして。」
「はい、やはり姫として女神として、緊張しておられたのですね…。」
「こうして桜のパワーを吸ってしまったら、桜はすぐにお婆ちゃんになってしまうのかしら。」
「大丈夫です、遥香さまの暖かさが伝わってきていますから…、独り占めしている事が世界中の人に申し訳ないような…。」
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岩崎高校生会議-49 [高校生会議-21]

私の力は人々に女神という人間を超越した存在を感じさせる事の様だ。
そして心が安らがせるという。
この感覚は国連総会の頃から私の映像や写真を見た人も感じる様になった。
以前に撮影したものには、その効果が無いままだったが。
私自身は大して役に立たない能力と思っていた、だが世界的に自殺者が大きく減ったり、精神科へ通う患者が極端に減ったという報告が来ている。
ボーダーレス教の教えに従う人が増え、犯罪が減り、弱者に手を差し伸べる人が増えた。
岩崎高校生会議の世界ネットワークを通して世界平和が真剣に話し合われる様になったが、それに参加しているのは岩崎王国の国民となり岩崎高校生会議のメンバーとなった各国の指導者、大国も含めたリーダー達は神の下に平等と考える様になっている。
軍事費は、例えば砂漠化が進んだエリアの再緑化事業などで雇用を生み出す資金へと振り換えられ、軍隊は災害時を想定した訓練が中心となりつつある。
国連職員は紛争地帯へ私の写真を配る事での平和的解決を進め効果を上げているそうだ。
一方、遥香コーポレーションの売り上げは半端なく伸びている。
ただ、経営戦略は必要なく、ひたすら私に関連する商品が売れまくっているという、経営者としては、あまり面白みのない状況、それでも利益を砂漠の緑化事業や各地の貧民街再生に投資できる事は嬉しい。
面白みが無いと言えば、女神のパワーだけで世の中が変わりつつ有る事もだ。
本当はコツコツと世界にネットワークを広げ強化し、世界平和を実現して行くつもりだったのが簡単に済んでしまいそう。
この女神パワーによる平和の弊害だって予想される。
例えば人口問題、すでに人間は増え過ぎているかも知れない。
それが平和になれば更に増えるだろう、対策は簡単ではないと思う。
それだけでは無い、私が死んだらどうだろう。
世界は元の状態に戻ってしまうのだろうか。
私の遺伝子を受け継ぐ者はどうだろう。
女神と結婚してくれる人は現れるのだろうか。
生まれて来る子に私と同じ能力が宿るのだろうか。
今後について、心配は有る…。

「遥香さま、まだ国民性の違いなどから完全に一つの世界とはなっていませんが、随分平和になりました。」
「そうね、でも平和過ぎる事による弊害は出て来ないかしら、技術力の停滞とか。」
「問題が有れば大勢の人が協力して改善していけます、多少進歩が遅くなりましても…。
人類は様々な知識を、世代を越えて受け継いでいく事で、類として進化、進歩をしてきました。
ですが遥香さまが降臨されるまでは、一つの国の一つのエリアの中だけでも、大きな貧富の差が有る様な状態。
争う人や国々、長時間掛けて発達して来た筈の人類がたどり着いた姿は決して胸を張って誇れるものではなかったと思います。
人間が自力でたどり着ける限界だったのかも知れません。遥香さまのお力が有って始めて人類はバランスの取れた社会を実現出来たと思います。
ですから、技術力の進歩が多少遅れようが問題ないと思うのです。
人々が幸福を味わいながら生きて行ける事、地球環境を悪化させない事が大切だと思うのです。」
「そうね、これから先どうなって行くか分からないけど…、人類としてどう進化して行くかは、岩崎高校生会議でも話し合われているの?」
「はい、遥香さまは私達人類に対して進化する大きなチャンスを下さいました。
これを間違った方向に向かわせては行けないとボーダーレス教の教祖も考えています。」
「ちょっと待って、私は人類に含まれないの?」
「えっ、女神さまは人間では有りません、思い当たる事は無いのですか?」
「う~ん…。」
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岩崎高校生会議-50 [高校生会議-21]

生まれながらにして悪人という人はいないと思う。
成長の過程でその環境によって、集団社会との係わり方が決まって行く。
そして社会集団は利害関係によって争ったり協力したりしてきたのだが…。
女神の力を感じ安らぎを得た世界中の人達が、ボーダーレス教の教えを守る様になると、世界がバランスのとれた状態へと大きく変化した。
人々は良く働き良く遊ぶ、人を騙して金儲けしようとする人はいなくなった。
働きたくても働けない弱者には安定した生活を送れるだけの援助。
全ての子ども達は集団社会全体の子として尊重され大切に育てられている。

「遥香さま、社会の仕組みが根底から変わりましたが、人類はこれから何を目指せば良いのでしょうか。」
「生物の本能に従うのなら、より優秀な子孫を残し拡大して行く事になるわね。」
「砂漠の緑化が進んでいますから、人口増加には対応できると思います、しかし無限では有りません。」
「海中都市の建設実験は順調に進んでいるでしょ。」
「はい、ですが大勢で住むのには向いてない気がします。」
「そうね、でも長期に渡って宇宙船で暮らしたり、地球以外の天体で暮らす第一歩では有るのよ。」
「火星への移住とかですか?」
「人類が滅亡しない為の保険を掛ける事は子孫に対する義務ではないかしら。」
「えっ、そんな事は…。」
「私に女神の力が宿ったのは、地球が大きく汚される前に、何とかしなさいという意味が有ったのかも…。
いえ、人類が滅亡する前に少しばかり夢を見させる為かもしれないわ。
でも、人類が更なる発展を遂げる為のチャンスを本当の神様が与えて下さったと思いたいわね。」
「遥香さまは他の神様とも…、その…、交流とか有るのですか?」
「全然ないわ、私はちっぽけな存在なのよ。
宇宙が膨張しているって聞いた事有るでしょ、でもどんな空間を膨張してるっていうの。
私達には絶対分からないと思わない?」
「はい。」
「地球以外に生命体が存在するかどうかも。
小さな地球上で利権争いをしていたなんて馬鹿馬鹿しい事だと思うでしょ。」
「ですね、遥香さまが降臨されなかったら、今も続いていたのでしょうか…。」
「地球を再生し直し、新たな世界へ向けて飛び立つ時なのよ、今は。
決して楽な道のりでは無いでしょうが…。」
「はい…。」
「それより今日のパーティー、準備は出来てる?」
「はい、勿論です、遥香さまがいきなり宙に浮いても違和感のない衣装を用意させました、今回は世界中に映像配信されますから、カメラマンが困らない様に特に配慮しています。」
「ふふ、美味しいワインを頂くと体が軽くなっちゃうのよね、桜はそんなこと無いの?」
「いえ、普通の人間ですから…。」
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