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高校生会議-20 ブログトップ

岩崎高校生会議-31 [高校生会議-20]

忍が担当している事の一つに研究所や大学を越えた共同研究が有る。

「忍、共同研究は進んでいるの?」
「はい、遥香さま、分野によって、また研究室によって成果は様々ですが、他大学の優秀な研究者の発想に触れる事で大きな刺激を受けるといった効果も出ています。
勿論、無駄を大きく減らせて…、色々な角度から色々な視点で見ている為、見落としに早く気付ける事が最大の利点です。
それと、教育的な側面も有ります。
アメリカの研究室が先生役になって、他国の研究室を指導という取り組みも始まりました。
自国内でトップの大学では有っても、アメリカのトップクラスと比べたらかなり見劣りする大学は少なく有りません。
この取り組みに協力的なアメリカの教授は、遥香システムがなかったら考えられないレベルで研究活動が進んでいる。
自分達の研究成果を上げる事は勿論重要な事だが、この分野の研究が世界的に底上げされる意味は大きい、と話しておられました。」
「良い取り組みだわ、システムを活かして下さっているのね。
留学出来ない人にとっては夢の様な事かも知れないわ。」
「はい、共同研究に関連して、日本国内で進めて来た、公開して問題のない情報は極力開示して行くという姿勢も少しずつ海外へ広げています。
軍事技術、権利関係などの問題が有りますから慎重にですが。」
「利害が絡んで共同研究のマッチングが出来ない事はないの?」
「結構多いです、結果、今はまだ、共同研究の九割以上が岩崎関係の研究所や岩崎学園大学だけになっています。」
「小規模な取り組みが多いのね、規模が大きくなっているのは?」
「海中都市建設に対する取り組みは、複数の分野にまたがっていますので参加している研究室も研究者も多いです。
大きな水圧に耐える構造研究などのハード面だけでなく、ずっと海中で暮らした場合の健康や精神面に与える影響といった研究や、人の組織作りなどかなり広い分野の研究が、一つのシステム上で互いに確認し合える形で進められています。
世界中の研究室からの参加が有って、組織構築に苦労したそうですが。
参加受け入れが決まってから遥香システムの講習というパターンも有ったそうです。」
「高校生会議が頑張って講習をしてくれていると言っても、始まって間が無いエリアが有るものね。」
「はい、でも、これからは高校や大学で教えて貰う様に働きかけています。
学校のローカルサーバーでトレーニングすれば、そのまま学習効率が上がり成績アップに繋がると、
日本国内での取り組みから、岩崎学園大学の研究で証明されていますので。」
「そうなって来るとシステム関連で雇用の機会を増やせるわね。」
「はい、すでに世界中の岩崎高校生会議支部と協同で、遥香システム管理者育成を行っています。
かなりの人数ですが、今の勢いで有れば、全員遥香コーポレーションで雇っても足りないぐらいです。」
「質が落ちる様な事はないの?」
「はい、皆さん真面目です、女神さまを怒らせるとどんな不幸が待っているか分かりませんし、遥香さまのお写真は単なるお守りではなく、自身が誓った事を思い出させてくれる大切なアイテムだそうです。」
「う~ん、私が考えてたボーダーレス教と違って来てる…。」
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岩崎高校生会議-32 [高校生会議-20]

しばらく前から私のお城では高校生の実習アルバイトを受け入れている。
広い庭園と映画やドラマ撮影の舞台となった城の一部を公開している事で観光スポットとなり、スタッフが不足気味になった事も有るが、高校生達との繋がりを強くしておきたいとの思惑も有る。
高校生は岩崎高校生会議の原点でも有るからだ。
城は岩崎王国のシンボルという事情が有るので、岩崎高校生会議のスタッフは特に優秀な生徒を送り込んでくれている。
私としてはそんな彼等と直接話しをしたかったのだが、諸事情により彼等との対話は聡美に委ねる事になった。

「あなた達、どう、仕事は慣れた?」
「はい、先輩方の記録を参考にさせて頂いて頑張っています。」
「聡美さん、システムのワークシートがすごく分かり易くて…、さすがですね、同じシステムでも高校生会議のとは全然違います、自分も遥香システム運用管理者を目指していて、無駄なく、漏れなくと教えられていますが…、自分が良く分かって無かった、という事が分かりました。」
「はは、そうなの、でもね、ここでは緊張感も半端ないのよ、遥香さまがご覧になられる事が有りますからね。」
「えっ、遥香さまは怖い方なのですか?」
「まさか、でもね、遥香さまからの指示や提案が多くなると申し訳ないでしょ、お手を煩わせては…。
そうならない様にスタッフが動いているのだけど、その上を行く指示や提案がね…。」
「聡美さん始め、遥香さまの周りには優秀なスタッフが沢山いると聞いてますが。」
「ええ、手足となって働いているわよ、世界規模で動いてるから大勢ね。
その優秀な筈のスタッフが三人がかりで長時間かけて練り上げた完成間近の企画が、システム上でチェックして下さってる遥香さまの目に留まると…、どうなると思う?」
「え~、ボツになるとかですか?」
「あなた達も遥香システムを使ってるから、当然作業途中でチェックが入ってる事は分かるでしょ。」
「はい。」
「そんな練りに練った様な企画に対して修正案を出されるのだけれど、それが的確なのよ、三人がかりで長時間掛けてたのは何、ってレベルでね。」
「遥香さまから駄目出しですか?」
「それだと、作業して来たスタッフのダメージが大きいでしょ。
だから側近メンバーが大勢で検討している事にして少しずつ修正案を出して行くの、遥香さまの指示に従ってね。
これが結構気を遣うのよ。」
「大変そうですね、でも聡美さんクラスの側近だと、そんな事はないのですよね?」
「勿論よ、遥香さまから振られる作業が中心だから報告は欠かせない、報告時に指示やヒントを頂けるので修正が楽なの。
それと頼れる部下が多いから、受けた仕事は一旦全部丸投げしてるしね。
あっ、管理職の仕事って把握出来てる?」
「自分は今、企業内の役割分担について学んでいます、一旦という事は、その後管理監督をされているという事ですね。」
「そうよ、君はリーダー候補なのかな?」
「えっ、えっと…。」
「聡美さん、彼はこう見えて優秀なのですよ。」
「でも、今はリーダー候補ではない様ね。」
「えっ?」
「岩崎高校生会議は世界に広がっている、勿論岩崎王国もね。
私の部下は世界中にいるのよ、遥香システムのお陰で一か所に集める必要が無いの。
当然沢山のリーダーが存在しているわ、リーダー候補も。
さあ、この環境で、あなた達が優秀だと思ってる彼がリーダーに成れると思う?
リーダーに必要な資質を考えてみてくれないかな。」
「太一はリーダーというより裏方向きなのかも。」
「そうだな、リーダー候補かと聞かれて、そうですと答えられない人がリーダーに成れる状況とは思えないです。」
「ねえ、将来、どんな立場で自分の力を発揮出来るか自分の可能性は考えてるの?」
「自分は、まだまだおぼろげです…、聡美さんは高校卒業後すぐに遥香さまの側近になられたと聞いていますが、大卒ではない高卒のハンデは有りませんでしたか?」
「全然なかったわよ、必要な事は働きながら学べば良いし、遥香さまの下で働かさせて頂いているという事は、すごく高度な学習をしているのと同じ事なの。
ハイレベルな大学の学生と話す事が有るのだけど、専門的な分野でもたまに教えてあげるぐらい。
私の場合学力が無くて進学しなかったのでは無くて、岩崎で目いっぱい働くのなら大学へ行くのは無駄だと思ったからなのよ。
遥香さまのお陰で、今は思いっきり正解だったと思えているわ。」
「私達が遥香さまの側近に成れるチャンスは有りますか?」
「多分無理ね、希望者に体験して貰う事が有るのだけど、皆さん緊張しすぎて何も出来なくなるの。
私がお仕えし始めた頃の遥香さまは美しくて聡明な姫、でも今は更に美しくなられてオーラが半端なくて…、女神さまの側近になるだけの覚悟はあるかしら?」
「写真や映像だと、多少細工出来るのかと思っていましたが…。」
「へ~そうなの、もう直ぐいらっしゃるから、色々話して差し上げてくれるかな。
高校生会議の様子とか知りたがってみえましたから。」
「えっ、本当ですか、お会いしたかったのです、今度の文化祭のお話とかさせて頂きますよ。」

私は自分の仕事を終え、聡美が高校生達と話している部屋へ。
入室してにっこり微笑むと…。
固まる高校生達。
しばらくすると、ぎこちなく跪く者、土下座をする者、手を組んで泣き出す者…。
誰とも話せそうにない。
なぜこうなってしまったのか分からないが、最近人間扱いされなくなってきた。
気を失いかけている子がいるので退室することになる。
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岩崎高校生会議-33 [高校生会議-20]

姫にはそれを演ずる事で、その立場になった。
だが、女神には…。

「聡美、予想以上に分かり易く反応してくれた高校達の感想は?」
「ぼーっとした状態で、神様っていたのですね、とか、土下座していた子達は、何も考えずにボーダーレス教のアイテムを身に着けていたけど、これからはもっと真面目に向き合うそうです。
泣きながら、私達は神様に守られていたのですね、と話す女生徒は貧困状態から岩崎のプログラムで生活改善出来た家庭の子でした。」
「私は姿を現して微笑んだだけよね。」
「はい、ですが私も彼等と大差有りません、今でも…。」
「う~ん、自分では分からないのよ、どうしてなのかしら。」
「遥香さまは、本当の女神さまでは無いのですか?」
「そんな事有り得ないでしょ。」
「人間離れした美しさと頭脳…、最近、更に神々しさが増して…、岩崎国際同盟国歴訪の前に女神さまの様子を世間に見せておくべきかも知れません。」
「う~ん、感じてはいたけど…、あの高校生達の姿を見ては…、策は有るの?」
「はい、岩崎高校生会議第十七支部の文化祭にご降臨して頂き、その様子を世界へと考えています。
ここの支部なら、遥香さまと直接会った事の有る人が多いですし、私達に逆らえる様な人はいませんから。」
「ふふ、いぢめちゃだめよ。」
「女神さまに会える機会を作って差し上げるのですから、誰も文句は言わないですよ。」
「そうなの…、色々片付いて少し時間が出来たから、久しぶりに高校生会議の様子を見てみようかな。」
「はい、私は文化祭実行委員会とコンタクトを取ります。」

高校生から直接話を聞けなかった代わりに高校生会議のシステムに入り確認していく。
高校生が管理しているエリアは稚拙ながらも活気が感じられる。
研究室の共同研究とは違った、共同学習が盛んになっていて、上を目指している高校生達が先輩の残したデータを参考にしながら熱心に教え合う。
社会問題についての討論も盛んで、高校生なりの共同研究と言える。
そんな中に、遥香さま女神伝説というワークシートを見つけた。
私を女神扱いしている人達の心理や経済的背景などを高校生の視点で分析、大学の論文には程遠いが大きく間違ってはいないと思う。
と、そこへ新規入力があった。
第十七支部、実習バイトで城へ来てくれた高校生だ。
『昨日、遥香さまの居城で遥香さまに会わせて頂きました。
その時の事を書かさせて頂きます。
自分は一目見た瞬間、その美しさと神々しさに固まり、気が付いたら跪いていました。
写真や映像では遥香さまの一部しか伝わっていません。
お目にかかるまでは我々の文化祭の話をさせて頂こうと思っていたのですが、喜び、緊張、興奮と様々な感情が入り乱れ何も話せませんでした。
仲間達も同様です。
城を出てからようやく落ち着いて、女神さまにお会い出来た余韻なのか穏やかで幸せな気分になっていました。
その場にいたメンバーも同じ感覚だった様で、ボーダーレス教には漠然とした神ではなく、リアル女神、遥香さまがいらっしゃる。
ボーダーレス教が盛んになっている地域の人達はそれに気付いているのだという事が我々の結論です。
遥香さまは美しいだけのお方では有りません。』
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岩崎高校生会議-34 [高校生会議-20]

高校生との対面後、継続的に高校生会議のネットワークにアクセスしている。
総合的に見ると、就職や進学の支援、ボランティア活動や社会問題研究など、私が思い描いていた形で進んでいる事が分かって嬉しかった。
ただ、遥香さま女神伝説が盛り上がっている所へ、第十七支部文化祭実行委員会から、文化祭へ遥香姫ご降臨と発表が。
どうなるか不安では有る…。

「聡美、文化祭は大丈夫なの?」
「城のホールへ三百人程の高校生を招待して、遥香さま中心に二時間ほどのステージという事で如何ですか。」
「城での開催なら安心ね、それで、招待者はどうやって選ぶの?」
「希望者を受け付け、そこから学年ごとに百名ずつ選びますが、岩崎の共通テストで各教科の上位者からとします。」
「成績優秀者への御褒美という事なのね。」
「はい、今回は日本国内限定です、日本各地から集まってくれるでしょう。」
「でも人数は限られるわね…、一度、高校生会議のネットワークに降臨してみようかしら。
面と向かってだと話せなくても、文字なら大丈夫でしょ。」
「そうですね、遥香姫のワークシートを作って…、書き込み制限は…、共通テスト上位者から書き込めるという形にしましょうか?」
「ええ、いきなりフリーでは混乱しますものね、閲覧フリーにしておけば、苦情も少ないでしょう。」

ページのトップには私の写真。
聡美曰く、最近撮った中で一番神々しいそうだ。
『岩崎の世界展開が進み、少し時間に余裕が出来ましたので、日本の高校生会議メンバーと交流させて頂く事にしました。
岩崎高校生会議、共通テスト各学年上位百名のみ、書き込み制限を外して有ります。
まずは質疑応答と考えていますのでどうぞ。』
反応は…。
『遥香さまご降臨下さり有難う御座います。
第十七支部の文化祭へ降臨して下さるそうですが、どの様な形でしょうか。』第十五支部T.G.
『概要は間もなく発表します。
ここにもリンクを張りますので、もう少し待って下さい。』チーム遥香 聡美
『ボーダーレス教の世界展開がどの様な広がりを見せているのか掴めません、どう調べれば良いですか?』第二十八支部A.K.
『岩崎高校生会議国際ネットワークのコピーページを作りリンクしました、確認して下さい。』チーム遥香 桜
『研究職に興味が有ります、岩崎で進めている共同研究の状況を知りたいのですが、どこを見れば良いのか分かりません。』第八支部D.H.
『表に出せない情報が多いのです。
問題のない部分を簡単にまとめたものをリンクしました、確認して下さい。
尚、担当を置き今後更新して行きますので参考にして下さい。』チーム遥香 忍
『私はまだ高一で良く分かっていませんが、将来遥香コーポレーションで働きたいと思っています。
就職までの流れを知りたいのですが、教えて頂けますか?』第十一支部R.O.
『遥香コーポレーションは巨大な企業に成長しています、どの部門のどんな職種を目指すかで大きく違います。
リンクボタンからは、遥香コーポレーションの概要紹介と就職相談窓口にアクセス出来ます、確認をお願いします。』チーム遥香 前野
『遥香さまご自身へ質問してもよろしいのでしょうか?』第二十二支部H.N.
『構いません。』遥香姫
『遥香さまは女神さまなのですか?』第十九支部S.K.
『神様では有りません、普通の人間です、私が姫になった経緯はご存知ですか?』遥香姫
『勿論知っています、映像でも美しさにため息をついていますが、直接会われた人が女神の如きオーラに圧倒されたそうです。
私は直接お会いするチャンスが無さそうですが気に成ります。』第十九支部S.K.
『高校一年生の頃からお側に仕えさせて頂いていますが、演じておられた姫が最近は自然な女神さまになられたと感じています、そもそも神様の定義とはあやふやなものでは無いでしょうか。
もうご覧になられたかもしれませんが、遥香さま女神伝説のシートへのリンクを付けました。』遥香姫親衛隊隊長 静香
『現人神という表現も有りますね、後は遥香さま女神伝説で語り合いたいと思います。』第十九支部S.K.

返事を返す人は聡美が割り振ってくれる。
チーム遥香のメンバー達も、気分転換と言いつつ積極的に関わってくれた。
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岩崎高校生会議-35 [高校生会議-20]

高校生達との交流の中ではこちらから問題提起をさせて貰ったり、文化祭で歌う歌の希望を聞いたりもした。
そして、文化祭特別ステージ当日。
私達のステージは、生で世界中に配信する体制になっている。

「遥香さま、ライブは久しぶりですが大丈夫ですか?」
「何の問題もないわ。」

始まってみると問題はなかったが違和感がすごく有った。
私の登場と共に起こりかけた拍手はすぐに消え、多くの観客は跪いて胸の前で手を組む。
それ以外の人達は立ちすくんだまま呆然としていた。
予定通り一番人気の鎮魂歌を英語バージョンで歌い始めると目頭を押さえる光景があちこちで見られた。
進行は聡美、一曲歌い終えたところで…。

「地球に生物が誕生してから、数え切れない生物が生まれ、生き、死んでいった、それを受け継いで今が有ります。
二曲目も鎮魂歌、地球上に生き、死んでいったすべての生物、今生きているすべての生物に思いをはせ、歌って下さいます。」

予定通りに歌い私のパートは終了したが…。

「静香、拍手なかったね。」
「はい、拍手しては失礼にあたる様な気が、私もしました。
やはり、遥香さまは女神さまです。」
「う~ん…。」
「今まででも、一国の大統領が跪きたくなったと話しておられました。
国と国の問題では遥香さまが仲裁に入ると比較的簡単に治まって行きます。
これは、姫さまだからではなく女神さまのお力と考えて良いのでは有りませんか。」
「静香の言う通りです、ようやくすっきりしました。
遥香さまがにっこり微笑むだけで解決した問題が有るぐらいです。
遥香さまは、自覚しておられなくても、女神としての力をお持ちなのです。
我々は今まで通り、姫さまとして後押しさせて頂きますが、人にはない不思議な力をお持ちという事で…、遥香さまも納得して頂けませんか。」
「桜…、女神さま扱いされた時はどうすれば良いの?」
「これからも、遥香姫として振る舞って下されば何の問題もないです。」

ステージは何とか無事済んだが、世界配信された映像には問題が有り、プログラム終了後、すぐに担当責任者が謝罪した。

「遥香さまの歌唱中、映像トラブルが有りました事をお詫び申し上げます。
遥香さまのお姿を全世界へお届けする役目を頂き、万全の態勢で準備をして来たつもりでしたが、カメラマン始めスタッフ一同にとって、女神さまの撮影は始めて経験、思う様に行きませんでした。
この後、少しお時間を頂いて、観客の感想などを交え、編集して配信させて頂きますが、画像の乱れはカメラマンが女神さまのオーラに圧倒されての事ですので、お許しください。」
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岩崎高校生会議-36 [高校生会議-20]

文化祭特別ステージの配信に対しては批判的な声も寄せられた。
ただのパフォーマンスだとか、インチキ宗教だとか。
そのお陰で、私の女神パワーは映像を通しては伝わらないという事が判明した。
一方、高校生会議の遥香さま女神伝説は、一段と盛り上がっている。
神について、宗教について考える良い機会となった様だ。
会場にいた人達から、ステージの模様についての報告も有るが、面白いのは人それぞれに受け止め方、感じ方が違っているという事。
同じ経験をしての事だから、色々な宗教が多くの宗派に別れて行くのは当たり前なのかもしれない。
ステージに関しては他に…。

「過呼吸その他の症状でしばらく動けなかった人が結構いたみたいです。」
「ええ、舞台の上からでも気付いたわ。
皆さんの体調を悪くしてしまうとしたら、神ではなく悪魔ね、私は。」
「でも、その後は一様に穏やかで幸せな気分になったそうです、体調が良くなったという人も。」
「それは思い込みじゃないかしら、これからは心臓に持病がある方は入場禁止とか対策を講じて置く必要が有るわね。」
「来月からの関係諸国歴訪の旅では、高校生達に起こった症状と共に心臓疾患のある方は気を付ける様告知しますか…。
側近の私でさえ、最近は普通に跪きたくなるのですから初対面の方が受ける衝撃の大きさは分かる気がします。」
「ふふ、怖がって誰も寄り付かなくなったりしてね。」
「それは無いと思いますが…、遥香さま、今回の歴訪では国家間の関係強化を一つの目的としています、女神パワーを確認する意味でも、提案のハードルを上げてみませんか、ダメもとですので。」
「そうね…、今からでも準備は間に合うの?」
「はい、段階を追ってと考えていましたから、一度にクリア出来れば作業効率面のメリットも有るのです。」
「無理の無いように進めてみて、でも私は今まで通りの姫としてしか対応できないわよ。」
「はい、問題無いです。」
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岩崎高校生会議-37 [高校生会議-20]

岩崎国際同盟諸国歴訪の旅は私にとって久しぶりの海外旅行。
今回の目的は加盟国間の関係強化、新たに加盟した国も有り十一カ国をゆっくり回る予定。
大震災から復興中の国では慰霊式典が予定に組まれている。
一か国目のホテルに着いて…。

「桜、ここまでは想定外? 想定内?」
「空港からここまで…、ある程度は予想していましたが…、パレードであそこまでとは…、聡美はどう思った?」
「私の位置からは沿道の人が良く見えました、歓迎ムードで盛り上がりかけてる所へ、遥香さまのオープンカーが近づくと、皆さん静かになって、跪くか呆然と立ち尽くすか、文化祭の時と同じ反応とは言え、その規模が違います…、最近女神さまパワーが徐々に強くなっているのは感じてましたが…。」
「う~ん、お姫さまモードはコントロール出来るけど…、そっちは私にも分からないのよ。
相談出来るのは本物の神様だけという事かしら、桜のお知り合いに神様はいらっしゃらないの?」
「残念ながら遥香さまだけです…、遥香さまは、特にお体とかお変わりは無いのですか?」
「ええ、健康そのものよ。」
「そう言えば…、私達もインフルエンザとかに無縁で、オフィスでも病気で休む人がいなくなってた様な…。」
「う~ん、この現象を科学的に解明したいとは思うけど…、私がいぢられるのは嫌だわ。」
「はい、遥香さまを気安く研究対象なんて絶対ダメです、お医者様であろうと許せません。」
「遥香さま、桜、スタッフからテレビを見る様、連絡が入りました…。」
聡美がテレビのスイッチを入れると…。
「わ~、沿道には…、こうして見ると、本当に大勢の人が歓迎して下さったと実感出来ますね…。」
「女神さまパワーについて検証を始めてるのが面白いです、双眼鏡で少し離れた所から見ていた人にも影響が有った事は参考になりますね。」
「それで…、テロリストに遠方から狙撃されるリスクが下がるのなら良いのですが…。」
「聡美は、そんな心配してたの…。」
「桜、女神さまの出現は既存の宗教団体の指導者にとって、また宗教と密接な形で政治を行って来た国の指導者にとって大きな脅威だと思いませんか。
民心が女神さまに移り自分達から離れてしまっては立場が危うくなると考える指導者は少なく無いと思います。
宗教団体にとっては、経済的ダメージも考えられます。
訪問先各国の宗教関係者と面会する企画を組んで反発を弱めようと動いてはいますが、充分かどうかは…。
遥香さまは多くの信者を得ると共に多くの敵を作ったと考えるべきではないでしょうか。」
「私は覚悟の上で動いているから大丈夫だけど、無関係の人がテロに巻き込まれる事は避けたいわ。
私が神様扱いされるという予定外の事に対して対応を誤ると、大きな対立を生み出しかねないのよね。
そうなってしまったら、ボーダーレス教団を立ち上げたこと自体が間違っていた事になるわ、でも、もう後戻り出来ないのよ。」
「はい、大きな問題ですので、緊急課題として世界中の岩崎高校生会議支部でも検討して貰うというのはどうでしょう。」
「そうね、急ぐべきだわ、私に対するアンチや反ボーダーレス教の動きを知りたい、岩崎王国国民の意思も確認しておきたいわね。」
「では、すぐに。」

岩崎王家からの依頼や指示が世界中に広がるのは早かった。
旗を振って私を歓迎しようとしていた人達が、思わず跪き手を組む、といった姿を捉えた映像が世界配信された事によるのだろう。
高校生会議の文化祭で失敗した映像スタッフは、色々工夫を凝らし良い仕事をしてくれていた。
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岩崎高校生会議-38 [高校生会議-20]

宗教関係者達との交流は聡美が積極的に進めている。
ボーダーレス教の教えの一つに、今まで信仰して来た宗教を大切にする、として有るからだが、実際には宗教間の対立を恐れての事だ。
ボーダーレス教に教会はない、施設として存在するのは弱者向け総合ホームぐらい。
さらに他の宗教と違うのは、信者の願いは岩崎高校生会議のスタッフが手伝い極力叶えるという事。
奇跡を起こす必要が有る様な願いは却下されるが、真面目な庶民のささやかな願いは幾つも叶えられている。
経済的に苦しい人からはお金を取っていないが、余裕の有る人からは手数料を頂いている。
規模は拡大中だが、私が女神扱いされていなかったら、企業活動の一環として捉えられ大きな問題を想定する必要は無かったと思う。
その必要を感じた聡美が中心となって開いた宗教関係者会議、一回目は百名程の参加があった。
それを終えて…。

「聡美、遥香さまにお目にかかれて、自分の信仰心が試されているのか、もう一度自分達の教えを見直すべき時なのかと話して下さった方がみえたけど、真面目な方は皆さん同様の思いを抱いてらしたと思わない?」
「ええ、私は岩崎王国のプリンセス遥香と紹介したのですが、皆さんそれぞれの流儀で遥香さまに祈りを捧げたりしてましたものね。
遥香さまのお姿を自身が信仰する神に重ねていたのでしょうか…。
遥香さまの存在を自分達の宗教の中に上手く落とし込んでくれれば安心出来る、でも簡単ではないでしょうね。」
「問題は、遥香さまのお姿を直にご覧になられた方とそうでない方とで、大きな違いが有るという事よね。
映像でも女神さまパワーが伝われば、世界がもっと平和に成りそうなのに…。」
「ねえ、桜、それでもテレビやDVDなどを見て、遥香さまのファンになってくれた人は少なくないわ、彼等にとって遥香さまは歌声の綺麗な美しい女性の一人、たとえ女神さまとは感じていなかったとしても大きな力になってくれると思わない?」
「そうね、そう考えると映像や写真に全く力がないという訳でもない…、と言うよりその力が今後のイベントに影響してるのね。
会場変更の話しは進んでいるの?」
「ええ、遥香さまは許可して下さっています。
不慣れなスタッフが五万、十万人規模のイベントを問題なく成功させる事が出来るかが問題でしたが、岩崎高校生会議の国際ネットワークで検討して貰ったところ、遥香さまさえよろしければ全力で応援したいとの声が騎士団から上がっています。
彼等の人脈を使えば何とかなるでしょう、大規模イベントへの変更は旅行終盤で、準備期間はまだ有ります。
仮設トイレなどは各国の軍隊が訓練を兼ねて動いてくれそうです。
今は一人でも多くの人に遥香さまを感じて頂きたいというのが、イベントに対して積極的に係ろうととしてるメンバーの総意です、皆さん一度は遥香さまに会われていますから。」
「そうか、遥香さまという存在は口で伝える事が出来ないものね。」
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岩崎高校生会議-39 [高校生会議-20]

今回の旅行は今までの活動を総括し、これからの活動に繋げて行くものだ。
各国の要人との交渉、宗教関係者との対話はスムーズに進んだ。
私は黙って座っているだけだったが、かなりの譲歩を引き出せたのは、女神さまパワーのお陰だと言うスタッフは少なくない。
聡美が心配していたテロは実際に起こりかけた。
私の暗殺を目指して準備していたグループ…。
彼等は指導者から、テロを成功させれば安らかな死後の世界が約束されると言い聞かされていた。
だが、私の姿をパレードで見て自分達の指導者が信じられなくなったという。
女神さまに危害を加えたら、自分達の安らかな死後が無くなると感じたそうだ。
警察に自ら出頭し亡命を希望した後、テロリストサイドから見た警備のポイントを教えてくれたという。

「聡美、私には護衛、必要ないのかもね。」
「それはだめです、多くの人に取り囲まれたら危険ですし…。
立っているだけで犯罪を未然に防いだ遥香さまのお力ですが、他の凶悪犯にも通用するかどうか分かりません。」
「凶悪犯か…、スケジュール調整して刑務所へ行ってみない?」
「刑務所ですか…、そうですね…、少し確認してみます。」

聡美は、刑務所の視察を日程に組み込んだ。
刑務所までの道は所々で車をゆっくり走らせ、沿道の人に姿を見せる、情報は流して有るのでポイントごとで多くの人が集まってくれた。
この様な時はどこの国でも、遥香姫親衛隊の制服を身にまとった若者達が人の整理をしてくれる。
全員岩崎高校生会議のメンバーだ
沿道の人達は、ボーダーレス教団の教団服を身に纏う人が増えているが、そんな中でプリンセス遥香ブランドのドレス姿も目立っていて、遥香コーポレーションの売り上げが半端なく伸びている事を実感出来る。
刑務所でも人々の反応はパレードやライブの時と同じだった。
ただ、訪問翌日から岩崎高校生会議のスタッフが囚人達に聞き取り調査をした結果は…。

「遥香さま、刑務所での聞き取り調査の報告が有りました。」
「どんな感じ?」
「遥香さまを目にしての感想を聞く筈が、ほぼ彼等の懺悔となり、未解決事件の犯人だと告白した人が多数、女神様に許されるにはどうすれば良いのかと多くの人に聞かれたそうで、改めて遥香さまのお力が確認出来た形です。」
「これから真面目に生きてくれるのなら、私には許す事しか出来ないけど、出所出来る人の社会復帰は手伝えないかしら。」
「では、その様に。」

岩崎は日本国内で刑期を終え出所した人の社会復帰プログラムを進めている。
国情が違うので問題も有ろうが、この国の岩崎高校生会議スタッフは優秀、何とかしてくれると思う。
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岩崎高校生会議-40 [高校生会議-20]

長期間に渡る旅の中では大きなイベントを何度も開いたが、最大のイベントは、大震災から復興中の国での慰霊祭。
震災犠牲者の鎮魂と復興の一区切りと位置付けられ、国を挙げてのお祭りは二週間に及ぶ。
私の役割は…。

「桜、そろそろ時間ね。」
「はい、もうベランダ前広場は人で溢れています、ですが、いきなりですと買ったばかりのソフトクリームを落とす様な悲しい出来事が起きかねません、しばしお待ち下さい。」

そう言い残し、桜がベランダに出ると歓声が上がる。
私の側近達はすっかり有名になってファンも多い。
簡単な注意事項を話し終えた桜が下がった所で私の出番。
ベランダは宮殿の三階に位置するが、そこから見下ろす広場は人で埋め尽くされている。
私は鎮魂歌を中心に五曲歌って退場、後は地元のミュージシャン達が静かに演奏を奏でる。

「遥香さまワンステージ三十分とはいえ、一日に五ステージ、お疲れでは有りませんか?」
「大丈夫よ、でも、私が登場すると歓声が上がりかけるのだけど、すぐに静かになってしまう。
もしかして、桜より人気無いのかしら。」
「いえ、遥香さまは俗世界の方では有りませんから、皆さん女神さまに失礼の無いようにされてるだけです。」
「でも不思議よね、私が何か奇跡を起こした訳でも無いのに、すっかり神様扱いになってしまって。」
「いえ、遥香さまはすでに多くの奇跡を起こされています。
社長として遥香コーポレーションを瞬く間に大企業へと成長させながら、CDセールスは合計数千万枚、外交では難しい問題をあっさり解決し、岩崎の海外展開は岩崎社長も驚くほどペースが上がっています。
遥香さまを目にしただけで犯罪者が懺悔など、他にも有りますが、これらはまさしく奇跡です。」
「でも多くの方に助けて頂いての事よ、岩崎の社員や岩崎高校生会議のスタッフ、特に海外展開では高校生会議のネットワークが上手く機能してくれた結果でしょ。」
「岩崎高校生会議の世界展開自体が奇跡的だと思います。
遥香さまがお見えで無かったら、うんと小規模で苦労していたのではないでしょうか。
今の様にあらゆる分野をカバーする…、宗教問題を考えて設立したボーダーレス教団が、女神、遥香さまの下急拡大するとは思いもしませんでしたが。」
「そうね…。」
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