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転校-01 [飯山美里-02]

今まで、転校生を迎え入れる事は有っても、自分が転校生になる事はなかったもんな、あ~、こんなに緊張するものなのね…。
この教室か…、うわ~大丈夫かしら、私、でも先生について教室に入るしかないのか…。
えっ、何人? これで全員なの?
先生が何か話してる…。

「今度、名古屋から引っ越して来た飯山さんです、皆さん仲良くしてあげてくださいね、飯山さん、自己紹介どうぞ。」

あっ、そうか自己紹介か…。

「飯山美里です、よろしくお願いします。」
「じゃあ一時間目は飯山さんにこの学級の事を知って貰う時間にしましょう、席を丸くして下さい。」

人数少ないんだ、う~ん、何か、何とかなりそうかな…。
十五人の名前を覚えれば良いのか。
クラスに変な子はいないみたい、ゲームが好きなんて子はどこでも同じなのね。
でも、よそ行きの話し方だからな、やっぱ休み時間にならないと分からないわね。

机を戻して一時間目終了か…、仲間になれるかどうか、これからが問題なのかな。
あれっ、皆集まって来た。

「飯山さんのお父さんって優しそうな人だよね。」
「えっ? 知ってるの?」
「家に来て、お土産貰った。」
「健太にとってお土産くれる人は優しい人なのよね、でも確かに優しそうな人だったわ。」
「うん、娘に甘すぎるって母さんに叱られてる事が有るぐらいだから、でも皆の家を回ったの? うちの父さん。」
「横山さんと手分けして回ってるんだって、うちは横山さんの近所だから色々情報が入って来るのよ。」
「うちの母ちゃんは飯山さんと話した後、娘さん達をいじめたらぶっ殺すって言っていたぞ、俺らいじめたりしないのにな。」
「いや、雄二は怪しい、雄三がたまに怒ってるぞ、兄ちゃんはひどいんだって。」
「はは、まあ弟は兄の言う事を聞いてりゃ良いのさ。」
「ねえ、皆はずっと一緒なのよね、一クラスだけなんだから。」
「そうよ、他の学校と合同の行事でもなければね。」
「じゃあ仲良いんだ。」
「そうね、喧嘩する事も有るけど、五年生は一人減っただけで、一年生から一緒、でも飯山さんも私の大切な仲間になるんだからね。」
「ほんと、私も仲間に入れてくれるの。」
「もちろんだよな、うちの父ちゃんも、こんな所へ引っ越して来てくれる人だから大切にしろよって、この土地を守って…、何か難しい話をしてた。」
「ここの人口が増える事は良い事よね、男子にとっては彼女が出来る可能性がほんの少し増える訳だし。」
「ほんの少し?」
「当たり前でしょ、飯山さんにだって選ぶ権利が有るのだから。」
「俺にだって選ぶ権利は有る。」
「そんな権利が有ると思ってたら良太は一生独身ね。」
「ふふ、ほんとに皆仲良いのね、でさ、田中くんは雄二、永井くんは健太、酒井くんが良太って呼ばれてるのなら、私の事は美里って呼んで欲しいかな。」
「オッケイ美里、じゃあ私の事は…。」

良かった、仲間になれそうな気がする、クラスの雰囲気も良いし、ふふ、ちょっと女子の方が強そうだけど。
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転校-02 [飯山美里-02]

何とか無事一日終わったな~。
あっ、え~っと麻紀ちゃんだっけ。

「ねえ美里ちゃんは歩いて帰るの?」
「うん、横山さんちまでね、家までは父さんの車なの。」
「そっか、じゃあ一緒に帰ろ、私んち横山さんちの近くなんだ、美優ちゃんもね。」
「うん、妹も一緒にお願いね、三年生なの。」
「教室にいるかな、あっ、いたいた。」
「あれっ、美優ちゃん、詩織の事知ってたの?」
「はは、知らない子がいたら美里ちゃんの妹でしょ。」
「そうか、って、学校の子全員知ってるの?」
「そりゃ、八十人ぐらいだからね、行事で低学年の面倒見る事もあるし。」
「なるほどね、私も早く覚えなくちゃ。」
「すぐ覚えられるわよ。」

「詩織、帰るわよ。」
「うん。」
「どうだった、お友達とかできそう?」
「分かんないけど、みんな、優しくしてくれた。」
「良かったね、麻紀ちゃんと美優ちゃんが横山さんちまで付き合ってくれるのよ。」
「そうなんだ。」
「詩織ちゃん、よろしくね。」
「はい、お願いします。」
「おお~、可愛いね~、うちの弟とは大違いだわ。」
「はは、海斗は元気過ぎるからね、美里ちゃん、まだ早いからちょっと案内しようか?」
「そうね、麻紀ちゃん、迷惑じゃなかったら、お願いするわ。」
「といっても、私等に関係するとこなんて大してないけどね、じゃあ行こうか。」
「うん、ねえここでの生活ってやっぱり不便なの?」
「どうかしらここは…、麻紀ちゃん、そんなに不便でもないよね。」
「美里ちゃん達が今まで暮らしてた所よりかは不便なのかもしれないけど、特に困る事もないわね。」
「そっか、ちょっと心配しすぎたかな。」
「でも、美里ちゃんちはここまで遠いから大変だと思うよ、お店も近くにないし。」
「え~。」
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転校-03 [飯山美里-02]

確かに麻紀ちゃん達の言う通りだな、この辺りはお店も有るしコンビニだって有る、ここで暮らすのならそんなに困る事もないんだろうな…。
でも…、うちは…。

「横山さんちからなら学校近いのにね、美里ちゃん、荷物を置いてから町を一周する?」
「うん、横山さんに話して来る、詩織はどうする?」
「ついてく。」

「中学校も近いのね、ここに住んでたら確かに便利ね。」
「あっ、赤木さん、こんにちは。」
「こんにちは、ひょっとして飯山さん?」
「ええ、初めまして、飯山美里、こっちが妹の詩織です。」
「こんにちは。」
「私は赤木愛華、中学二年生よ、あなた方が越してきてくれて嬉しいわ。」
「え、どうしてです?」
「ここはね、がんばらないと人がどんどん減って行ってしまいそうな土地なの。
高校の分校もなくなっちゃったし、移住を受け入れようってやってるけど、いまいちでさ。
やっぱり寂しいより、賑やかな方が良いでしょ。」
「そうですね。」
「だから、うちのお爺ちゃんも人口が九人増えたって喜んでるのよ。
横山さんも飯山さんもここをもっと賑やかにしようって話して下さって、私達中学生も協力させて頂く話をしてるの、美里さん達も何か有ったら相談してね。
もし意地悪する様な子がいたら、うちらが、ふふ私達に逆らえる子はいないからね。」
「その前に私達が許しませんよ。」
「おっ、麻紀ちゃんも頼もしくなったね。」
「赤木さん、私まだここの事、全然分かってなくて、何から調べれば良いのか…。」
「そうね、まずは過疎という言葉を調べてくれるかな、過疎地、過疎化、ちょっと待ってメモして上げるから。」

「有難う御座います、帰ったら調べてみます。」
「美里さんの家へおじゃまさせて頂く話もしてるからよろしくね。」
「はい、お願いします。」
「じゃあまたね。」
「はい。」

「赤木さんは中学の生徒会長なの、小学生だった頃は色々面倒みてもらったよね、美優ちゃん。」
「ええ、頼れるお姉さん、小中学校合同の時は低学年の面倒も見てくれるし、うちの海斗もなぜか赤木さんの言う事はきくのよね。」
「みんなのお姉さんなんだね。」
「うん。」
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転校-04 [飯山美里-02]

学校は平和そうで良かったな。
麻紀ちゃん達とも仲良くなれそうだ。
そうだ、赤木さんに貰ったメモ、えっと過疎か、調べてみなくちゃ。
かそ…、え~っと、人口が…。
そうか住む人が減って…、ここも過疎地という事なのね、だからみんな…、道を歩いている時も声を掛けてくれたり、お菓子くれるおばさんがいたりした…、歓迎されてるのはそういう事だったのかな…。
父さん達は、ここを賑やかにしようって…。
でも、どうなのかな…。

「美里、ごはんよ。」
「は~い。」

「学校はどうだった?」
「うん、みんな優しくしてくれたよ、詩織もでしょ。」
「うん。」
「それは良かった。」
「ねえ、父さん、ここって過疎地なんだね。」
「ああ、そうだよ、でも小学生が八十人以上いるから、まだましな方だけどな。」
「そうか、もっと過疎化が進んでいる所も有るんだね。」
「おっ、早速学習してくれたんだな。」
「うん、今日会った、赤木さんって中学生の人に、ここの事何から調べたら良いか分かんないって話したら、過疎について調べてみてって。」
「おっ、生徒会長に会ったのか、あの子は頼もしいよ。」
「父さんの仕事も過疎という事に関係してるの?」
「ああ、まさしく過疎化を食い止める事が第一目標だな。」
「でも、こんな田舎なんかどうなってもいいって考えてる人も多いのでしょ。」
「だね、都会で生活している人にとっては、ここに住む人がいなくなっても全然困らない。
でも父さん達は、ここみたいな自然豊かな土地が好きだし、きちんと守って行きたいと考えているんだ。」
「う~ん、今日貰った冬休みの宿題は大した事ないから、もっと色々調べてみるね、それからまた教えて。」
「分かった、楽しみにしてるよ。」

まず自分で調べてみる、という事は父さんの教えだからな。
始めは意味が良く分からなかったけど…、学校を休んでいても五年生の学習内容は理解出来てるつもりになってるのは父さんのおかげかな…、でも本当の所は三学期にならないと分からないのかな。
うわ~、いきなり落ちこぼれは嫌だ~。
宿題だけじゃ足りないかも、う~ん予習もしっかりやっとこうかな。
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転校-05 [飯山美里-02]

終業式が終わっても、帰るにはまだ早いから、みんなで遊んでるのね…。
今日は、式の時に全校児童に紹介されて、ちょっと緊張したな。
ふふ、越してきてすぐ冬休みというのも変な気分ね。

「美里ちゃんどうしたの、ぼ~っとして。」
「あっ、麻紀ちゃん、何となくみんなが遊んでるの見てた。」
「ふむ、公平か、うちの男子では一番かな。」
「えっ? 公平? どの子?」
「う~ん、やっぱり都会の子と比べると見劣りしちゃうのかな…、六年生でみんなをまとめてくれてる良い奴なんだけどな。」
「ああ、あの子ね、四年生とかの面倒もみてる…、ちょっと新鮮かな。」
「えっ、どこが新鮮?」
「前の学校では他の学年の子と遊ぶ人あまりいなかったの。」
「それじゃ面白くないんじゃない。」
「かもね、みんな楽しそうでいいな。」
「一緒に遊ぶ? ルールが分からなかったら教えるけど。」
「ううん、今日は見てたい気分なの。」
「見てたい気分って?」
「何にも分からずここへ転校してきて、麻紀ちゃん達と出会って、来年からは私もここの仲間になれるのかなぁ~、なんて考えてたんだ。」
「仲間になれるよ、仲間になってくれなきゃ困るし。」
「困る?」
「だって、クラスに仲間じゃない人がいたら嫌でしょ。」
「うんうん、そうだね。」
「あっ、公平が呼んでる、私行くけどいい?」
「うん。」

クラスに仲間じゃない人がいたら嫌か…、そんなこと考えてるんだね、麻紀ちゃんは。
だから真っ先に話し掛けてきてくれたんだ、案内もしてくれたし。
ふふ、公平くんの事が好きなのかな。
みんなが仲良く遊んでるのは見てるだけでも楽しいね。
でも、私もちゃんと一緒に遊べる様にならなきゃだめね、うん、公平くんみたいに。
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転校-06 [飯山美里-02]

今日はお泊りのお客さんが来るからって、母さん張り切ってるな。
年末で、落ち着かないと思うのに。
父さんは引っ越したばかりで大掃除の必要もないからなんて、お気楽だよね。
あれっ、もう到着?
横山さんと、あっ、赤木さんも一緒か。
うわっ、何か恰好良い人が…、す、すごく綺麗な女の人もいる…。
ご挨拶に行かなきゃ。

「美里、ご挨拶済んだらちょっと手伝ってくれない。」
「は~い。」

父さんの会社の偉い人達と大きな団体のリーダー達って事だけど、まだ大学生って…、恰好良いだけだけじゃなくて、すごく頭の良い人達なのかな?
横山さんの方がうんと年上の筈だけど、ほんとに目上の人って話し方してる。
赤木さんが話してる佐々木さん…、イケメンよね、母さんが張り切る理由が分かる気がする…。

「どう、高校の事は考えてるの?」
「はい、家から通うとなるとあまり選べないので、もう決まった様なものです。」
「もう決まったって、受験は?」
「高校に入るだけなら特別な事をしなくても、私なら推薦で入れるって先生や先輩方が話して下さいました、でも大学進学を考えると今からでもかなり頑張らないとだめかもです、ただ将来についてはまだまだぼんやりしていて何も決まってないので色々微妙なんです。」
「まだ中学生だから、あせることもないよ。」
「そうですよね、佐々木代表の本も読まさせて頂いているのですけど、私にはまだ難しくて。」
「はは、もっと年長の人を意識して書いたからね、でもあれを読もうという気持ちの有る人がここの中学の生徒会長で嬉しいよ。」
「ふふ、皆さんがここを特別な場所に選んで下さった事が私は嬉しいです。
ここの大人達だって、これ以上人口を減らさない様にって頑張っていますが簡単な事ではなくて。」
「皆さん、そういう事の専門家でもないからね。」
「専門家って?」
「とてもおいしい果物を作る人が、それを売るのも上手とは限らないでしょ。
だから売るのが上手い人に任せた方が良いのだけど簡単な話でもない、お金の問題とか色々絡んでくるからね。
自分達は過疎地再生の専門家育成を目指してるんだよ、始まったばかりだけど。」
「上手く行きそうですか?」
「すべてメンバー次第だね、ただ、過疎地を守って行く事は都市部に住む人の力なくしては難しいという事を理解して下さってる方ばかりだから、何とかなるかも。」
「ここがどうなって行くのか楽しみです、私達も動きますから、お役に立てそうな事が有ったら教えて下さい。」
「ああ、お願いするよ、今日は赤木さんにそのお願いをする為に来た様なものだからね。
二つの柱は理解してくれたかな?」
「横山さんと飯山さんの会社、それとプロジェクトリーダーがボランティア系の取りまとめをして行くって事ですよね。」
「うん、それでさ…。」

佐々木さんは赤木さんと普通に…、相手が中学生だからといって偉そうにするでもなくお願いしてる。
この人は嘘のない人だ、で、過疎地の事を考えてる…。
でも赤木さんも恰好いいな、あんな年上の人相手でもちゃんと話せて。
私もあんな中学生になれるかな…。
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転校-07 [飯山美里-02]

お昼ご飯はみんなで用意したけど、親会社の社長さんって紹介された安藤さんも普通に手伝ってた。
横山さんも父さんも、すごく尊敬してるみたいに話す人なのに、優しいお兄さんって感じの人。
でも食事の席が近いと少し緊張する…。

「美里さん、まだ落ち着いてないだろう所へ大勢で押しかけてしまって御免な。」
「い、いえ…、大丈夫です。」
「まだ越してきて間がないけど、ここはどう?」
「思ってたより悪くないです。」
「不便さは?」
「学校が遠いと思いましたけど、父さ…、父の通勤と一緒ですからかえって楽してます、他はまだ…、これから気付くかもしれませんが。」
「気付いたら教えてくれるかな、これからここを色んな人に紹介して行くけど、マイナスの面もきちんと説明したいんだ。」
「はい、でもどうやってお伝えすれば良いのですか?」
「そうだね…、佐紀、美里さんとの連絡はどうする?」
「そうね、広報部へメールして貰えると助かるけど、飯山さん、美里さんとメールのやりとりは問題ないですか?」
「ええ、パソコンメールならすぐにでも出来る様にします。」
「美里さん、という事だから後は佐紀と調整してね。」
「はい。」
「ねえ、詩織ちゃんには鶏小屋をプレゼントするつもりなんだけど、美里さんは何か欲しい物有るかな?」
「えっ? 特に…、有りませんが、妹に鶏小屋をというのは?」
「詩織ちゃんの希望を元に話を進めていてね、大学の農学部と工学部の合同プロジェクトがスタートしたんだ、飼い易い小屋を作ろうっていうね。」
「詩織が飼いたいって言ったからですか?」
「きっかけはね、でも大学生にとっては一つの研究として意味の有る事なんだよ、良いのが出来たら他への応用も有るかな。」
「ご迷惑をお掛けしたのでは?」
「とんでもない、良いヒントを貰ったって感じで皆盛り上がってるよ。
高品質の卵を生産しようとか、その卵を利用した商品展開をしようとかね、まずはスーパーで安売りしてる卵とは全く違うおいしい卵を飯山さんちで食べれる様にするそうなんだ。」
「何か大変そうです。」
「大丈夫、頑張るのは学生達だからね、後は詩織ちゃんがちゃんとお世話出来るかどうかなんだけど、引っ越しをサポートさせて貰った学生は大丈夫だって言ってたよ。」
「生物の世話は好きみたいですけど。」
「学生達は飼う事が嫌にならないという事も鶏小屋作りの過程で考えるそうだよ。」
「何か想像出来ません。」
「まあ、どんな鶏小屋が出来上がるのか楽しみにしててよ。」
「はい。」
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転校-08 [飯山美里-02]

安藤さんは色々な話をしてくれる、大学の研究って楽しそう。
あれ? ちょっと雰囲気が…、表情が変わった…。

「話は変わるけどさ、美里さんに少しお願いが有るんだけど。」
「はい。」
「年明けから、ここへは色々な人が来る事になる、君のお父さんの仕事関連だったり、ボランティア関係だったりね。」
「過疎地を賑やかに、ですか?」
「うん、その関係でね、その時に子どもを連れて来る人もいると思う、でね、もし一緒に来た子と話す機会が有ったら、ここの事をきちんと、良い所も悪い所も教えてあげて欲しいのだけど、どうかな。」
「それくらいなら…、まだ私自身がここの事分かっていませんが。」
「それも正直に伝えてくれたら良いよ。」
「それでお役に立てるかどうかは分かりませんけど。」
「変に私達の役に立とうと思わず、正直に接してくれる事が彼らにとって一番だと思ってる。」
「えっ? 何か大切な事みたいな。」
「いや、ただ話す機会が有ったらという程度の事だから…。」
「隆二、もっときちんとお話しして、お願いさせて頂いた方が良いかもよ。
美里さんのお母さまがお書きになったブログに、娘は過疎の問題を調べ始めましたってあったわ。
美里さんは、もうここと真面目に向き合って行こうって考えてるのでしょ。」
「はい。」
「そうか、御免、美里さん、ちょっと考え過ぎて話を分かりにくくしていたかもしれない。
これからここを訪れる人達の中には、美里さん達の様にここへ移り住む人も出て来ると思うんだ、ただね大人達は事情を分かっていても子ども達は、特に美里さんと年齢の近い子達は戸惑う事も多いと思ってね、自分達にとって小学生移住者第一号の君に協力して貰えないかと思うのだけどどうかな。」
「え~っと…、という事は私達の仲間が増えるかもしれないという事ですね。」
「簡単には行かないだろうし、都会が恋しくなる子も出て来るだろうけどね。」
「そういう事なら協力します。」
「有難う助かるよ、お礼は何が良いかな?」
「美里さん、ここに何が有ったら良いと思う?」
「え~、なんだろう…、さっき赤木さんが高校の話してたけど…、前には高校の分校がここにも有ったそうだけど。」
「高校か…、面白いかもしれないな、佐々木も乗ってきそうだ、う~ん時間も掛かるだろうから、よし美里さんが高校へ上がるまでを目標にここに高校を作ろう、校名は美里高校でも良いけどどう?」
「そ、それはちょっと…。」
「はは、でもこの事はさっきのお願いとは別だから、変なプレッシャーを感じないでね、過疎化の真逆を考えての事だから。」
「はい…。」

高校って簡単に作れるものなのかな、なくなっちゃうぐらいなのに。
でも、転校して来る子が増えたら、麻紀ちゃん達も喜んでくれると思う。
みんなにも協力して貰えるかな…。
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転校-09 [飯山美里-02]

「美里ちゃん、おはよ、冬休みどうだった?」
「おはよう、冬休みは色々有って…、充実してたかな、麻紀ちゃんは?」
「そうね、美優ちゃんと遊んだりしてたけど、美里ちゃんこっちに来なかったよね、ずっと家にいたの?」
「あっ、そう言えば、ずっと家にいたかも、出かけたのは初詣だけ。」
「そんなに、お家が気に入ったの?」
「う~ん、そうなのかな、お客さんが多くて考えてなかった。」
「へ~、じゃあお年玉もいっぱいもらったんだ。」
「そうね、お年玉だけでなく色々頂いたかも。」
「良いもの貰えたの?」
「まだ微妙らしいけど、一番大きいのは高校かな。」
「えっ? 高校って…。」
「これから、色々調査するそうだけど、私達が高校へ進学する頃を開校の目標にするんだって。」
「え~、信じられない。」
「そうよね、信じない方が良いかも、でも冗談かと思ってたらすぐに高校設立プロジェクトチームのメンバー募集が発表になったって、母さん笑ってた。」
「横山さん関係の偉い人が来てた時? すごく綺麗な人がいてびっくりだったけど。」
「早瀬さんね、優しい人よ。」
「へ~。」
「それでさ、麻紀ちゃん達にお願いが有るんだけど。」
「うん、なに?」
「今度の土曜日空いてるかな?」
「特に予定はないけど。」
「ここの見学に来る人達を一緒に案内して欲しいんだ。」
「良いわよ、美里ちゃんじゃまだ分からないでしょうから、でもどんな人達なの?」
「詳しくは聞いてないけど、私達ぐらいの子ども達も一緒だそうよ。」
「そうなの、ちょっと楽しみね、あっ、美優ちゃんだ、お~い。」

これから、新しい学校生活だけではなく色々始まるんだ。
冬休み中は、父さんや母さんと色んな話をした、無理の無い範囲でお手伝いをさせて頂く、と言ってもまだ何が出来るのか、私にも分かって無いのよね。
でも楽しみだな。
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転校-10 [飯山美里-02]

「美里、どうだ少しは学校に慣れたか。」
「うん、みんな優しい…、というより頼ってくれるのが嬉しいかな。」
「頼られてるのか?」
「うん、クラスの子に算数を教えてあげたり、下級生と遊んだりね、ちょっと問題の有る子もいるけど、今作戦を考え中で、もっと楽しい学校にするわよ。」
「それは楽しみだな。」
「この前、遊びに来てくれた斎藤さん、移住を前向きに考えてるってメール頂いたけど、父さんの方には何か連絡有った?」
「ああ、ここでの仕事について相談を始めてるよ、木工と通販関連をお願い出来たらと考えてる。」
「そっか、真由ちゃんはね、ちょっと不安だけど私達と同じクラスになるのなら安心かもって、弟の栄治くんも多分大丈夫って、姉なりに弟の性格を考えての結論だそうよ。」
「そうか、なら斎藤さんとの話が進め易いな、奥さんもパートで働いて下さるかもしれないから、うん、美里が子ども同士連絡を取り合ってくれるのは助かるよ。」
「ふふ、来週は六年生も来るんだよね。」
「ああ、また頼めるか?」
「もちろんよ、赤木さんとも相談するから予定が決まったら教えてね、移住希望の人でなくても、ここの事を色々知って頂けたらプラスになるからって、赤木さん。」
「ああ、俺から話そうかと思ってたけど。」
「大丈夫、父さんは大人の相手をしてて、子どもの相手は私達がするからね。」
「分かった任せるよ。
なあ、美里、ちょっと心配もしたけど、転校して良かったのかな。」
「うん、大きな声じゃ言えないけど、ここでは私、優等生なの、ガリ勉してないのにね。
麻紀ちゃん達とも仲良くやってるし、ふふ、後はブログ見てね、明日の担当は私だから。」
「そうか楽しみだな、美里が書いてくれると沢山の人が係わってるという雰囲気が出る、文章もみなさん褒めて下さるから父さんも鼻が高いよ。
そうそう、横山社長が日頃のお礼何が良いかなって。」
「えっ、父さん、良いの?」
「ああ、ずいぶん活躍してくれてるから良いだろう。」
「う~ん、でも変な物はお願いしたくない…、六年生の参考書とか問題集でどうかな?」
「はは、真面目な娘を持って父さん嬉しいぞ、でもここで本屋を見た記憶がないな。」
「そうね、雑誌ならコンビニで買えるだろうけど。」
「本屋がないというのは不便か…、でも今は通販も有るしな…、参考書とかなら学生に相談してみようかな、美里はどんなのが良いんだ?」
「父さんが選んでくれた、今使ってる会社ので良いけど。」
「そうか、相談して四月までに用意するよ。」
「出来れば早い方が良いな、予習しときたいから。」
「そうだな、分かった、すぐ連絡を取るからな。」

父さんは嬉しそうだな。
学習は、ここに来て教える様になってから楽しくなったな。
ふふ、父さんには内緒だけど、先生より分かり易いって言って貰ってるからね。
六年生になっても頑張んなきゃ。
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