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中学校-11 [チーム桜-10]

ある日の授業後、花井と緒方。

「緒方くん、小山くんの方はどう?」
「引っ越してきた当初は緊張ぎみだったけど、まぁ今は期末テストに集中してるよ。」
「色々な手続きとか大変じゃないの?」
「親父がやってくれてるから大丈夫だと思う。」
「お父様の判断はずいぶん早かったわね。」
「聡を家に招いて食事を共にして、姉も弟も新しい弟が出来る事に賛成してくれたからね、転校先は俺達兄弟の母校だから、弟と一緒に事情を説明しに行ってきたよ。」
「小山くんの家族の方は大丈夫?」
「チーム桜でフォローを検討してくれるそうだ、父親の方は桜根関連に就職するかもしれない、ただ母親の方は時間が掛かるだろうとの事でね…、まあ聡が希望すれば何時でも会えるけど、今は会いたくないみたいだな。」
「奨学生の手続きも大丈夫?」
「ああ、金銭面は問題ないから、奨学生サポーターの支援だけをお願いしているよ、家族でサポートはして行くけど、違う視点でのサポートが有った方が安心だと考えてね。」
「初めて彼に会った時には考えもしなかった展開だけど、先生方もチーム桜の本気を見せつけられたって話してみえたし、学区の方々から協力したいとの声が上がって来たのは、緒方くんのおかげだと思うわ。」
「そんな大それた事じゃないけど…、花井さんは、その学区の方々にはどんな協力をして頂くつもり?」
「メインに考えているのは、子ども達と交流して頂いて顔見知りになって頂く事かな、地域の大人達が協力して子ども達の成長を見守る様な環境を考えてるの。」
「う~ん、そうか…、子ども達を見守る目が増えるという事かな…、どんな形で交流の場を作って行く?」
「まずは部活の応援からと考えてるけど、緒方くん、何か案は有るかしら?」
「自然な形を作れると良いよね、変に形式ばった事をすると子ども達も心を開きにくいだろうし、部活の応援だけでなく参加して頂ける環境が有っても…、やはり組織としてきちんとした形にすべきだよな…、小学生も視野に入れて、事故が起きた時の対応も必要だろうし、子どもの環境と教育を中心にしたモデル地区という形も有りじゃないか。」
「そうね…、そうなると規模が大きくなるけど…、本来有るべき姿なのかもしれないわね。」
「集団社会を維持して行くには次世代の教育という問題が有る、それは単純に親だけの責任ではなく、その集団の責任でも有る訳だろ。」
「集団と簡単に言ってもその規模は様々って事よね?」
「ああ、チーム桜が目指している組織を考えたら、少なくとも方向性は見えてくるよな。」
「すぐに佐々木代表と相談してみるわ、ただそうなってくると私では荷が重いかな。」
「無理はしないでくれ、俺も協力するから、ただこの近くに住んでる人にリーダーをお願いしたいとは思うが。」
「ええ、緒方くん、遠くから通ってくれて有難うね。」
「はは、花井さんに感謝される事じゃないさ。」
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中学校-12 [チーム桜-10]

学生休憩室。

「期末テスト期間中は教室へ入らないから皆来ないかと思ったけど。」
「そう言ってる武田はどうして来てるんだ?」
「まあ調査内容の整理と午後からの学習会だな。」
「ふふ、皆似た様な事なのよね。」
「なあ、授業の無駄についてこの前話し合ったけど、能力別授業を実験的に出来ないものかな。」
「実現出来るかどうかは分からないけど、きちんとした企画書を提出すれば検討してくれる事にはなってるみたいだよ。」
「授業内容をほとんど理解出来てない子と簡単すぎて他事をしてる子が同じ教師の授業を受けてるって無駄以外の何物でもないだろ。」
「でも公立中学だと平等とか公平とか言って、能力別に反対する人がいるのよね。」
「ばかばかしいよな、同じ宿題を出されても五分で終わる子と、三十分掛かる子がいて、ストレスを基準にしたら同じ量とは言えない、個人の能力差を努力不足と決めつけてる人もいるらしいし。」
「現場の教師は分かっていても、一人で抱えている事が多過ぎてどうにも出来ないのが現状なのよね。」
「能力別にするとどのクラスになったかで問題になるとか…、そんなの親の見栄でしかないのにな。」
「良かったら俺、企画書作ってみるけど、手伝ってくれないか?」
「二学期からでも試してみたいよな、手伝うよ。」
「子ども達にも、もう一度聞いてみるわ。」
「子ども達が納得する形で、そして基礎学習に時間を掛けるクラスに入っても恥じゃないって事を子ども達全員が思ってくれるようなフォローをして行きたいな。」
「二学期からとなると急ぐ必要が有るだろうな、俺は花井さんに相談してみるよ。」
「能力別と言っても色々な分け方が想定出来るよな、俺は数学苦手な子向けの授業を検討してみる、チーム桜にも広く呼びかけてみようか。」
「そうだな、じゃあ俺は数学得意な子に向けての…、前段階として企画書を作ります協力お願いしますという形でチーム桜メンバーに呼びかけたら色々出て来ないか?」
「多く出過ぎて整理しにくいかもだけど。」
「その辺りは試行錯誤も許されるだろう。」
「勉強が苦手な子にとっても楽しい学校にしたいな。」
「今時間の有るメンバーで具体的な案を考えてみないか?」
「そうだな、まずは数学でどうだ?」
「問題は幾つに分けるかという事かしら。」
「いきなり細かく分けるのは無理が有るんじゃないか?」
「メインの中間層、基礎を中心の層と応用中心の三つでどうかな?」
「人数の比がどうなるか、後は…、どうやって分けるか。」
「趣旨を説明して自分で選んで貰うってどうかな。」
「そうか、本人が納得してれば問題も起きにくいか。」
「クラスを三つに分けるとなると、部屋の問題や教師の問題も発生してくるよな。」
「三クラス合同に出来れば良いけど、人数比によって…、二クラス合同ならなんとかなるのかな。」
「基礎クラスに人気の有る学生を配置するとか。」
「力が無いのに応用クラスを希望して来る生徒はどうする?」
「応用クラスはテストで振り分けても良いんじゃないかな。」
「上のクラスに入りたかったら、自分の力を示せって事か。」
「それなりに力が有るのに基礎クラスを希望してきた子は?」
「基礎クラスは個別のカリキュラムにせざるを得ないと思うからそれ程問題にならない気もする。」
「やっぱ、やってみないとって部分は有るよな。」
「そうね、応用クラスは自学自習を中心にしたいと思うけど…、どのレベルまでを応用クラスにするかで変わってくるわよね。」
「途中で修正出来る企画にしておきたいな。」
「だよな、始めに決めた方針を無理に押し通す様な事は本末転倒だ。」
「う~ん、皆の話を聞いて見えて来た部分も有るけど、二学期からというのは難しい気もして来た。」
「夏休み中に希望者を募っての模擬授業ってどうかな?」
「うわっ、さらに準備期間が短くならないか。」
「でも、正規の授業でなければ融通は利くよな。」
「どうする? それなりの人数がいないと難しいと思うが。」
「やろうよ、ここでなら…、こんなチャンスなかなかないと思うぞ。」
「生徒達が来てくれるかどうかだけど。」
「な~に、宿題を皆でやろうとか言って呼びかけたら簡単に集まると思うよ、保険として生徒達に人気の有る連中に声を掛けとくかな。」
「分担を決めて一気に動くか。」
「私は清瀬くんにお願いしてみるわ。」
「おいおい、下心丸見えだぞ。」
「はは。」
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中学校-13 [チーム桜-10]

緒方と寺田、カフェにて。

「ねえ緒方くん、政治の問題って子ども達にどう伝えるべきだと思う? 中立でなきゃいけないとは思うけど。」
「何か質問受けた?」
「今の所は特にないけど、夏休み中は戦争関連の報道も増えるから中三とは話す機会が有ってもおかしくないでしょ。」
「そうだね…、自衛隊とか日米安保の問題なんか分かり易いんじゃないかな。」
「え~、難しいでしょ。」
「その難しさを分かりやすく説明出来ると思うんだ。」
「私もいまいち理解し切れていないけど…。」
「憲法九条では、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない、と有るけど、自衛隊が戦力じゃないなんて誰も思ってないよね。」
「戦争が終わった時には日本に戦力を持たせてはいけないと考えたのでしょうね、でも朝鮮戦争が起きてしまった。」
「そして日米安保条約が締結される訳だけど、中学生にはこんな流れをもう少し詳しく説明した後で、一つの質問をすれば良いと思う。」
「どんな?」
「もし日本が全く戦力を持ってなくて、米軍が守ってくれる保障がなかったとしたらどうだったか。」
「う~ん、難しいわね。」
「いきなり日本を攻撃したら世界の中で孤立も有ると考えて、どの国も日本に攻めて来なかったのか、それとも反撃の心配がないから気軽に攻め込んで来て占領してたのか。」
「そんなの分からないわ。」
「うん、それが答えさ、今、安全保障関連で議論されているのは、日本が武器を持ってなくても他国から攻められる事はない、もしくは攻められて日本が植民地になっても良いと考えてる人と、自衛隊や米軍が抑止力となってるから今まで攻め込まれてなかったと考えてる人とが、実際の所は分からない他国の事情、つまり異なる前提に基づいて主張し合ってるから簡単に結論が出せないという事じゃないかな。」
「そうか…。」
「これが政治の難しさ、全国民が心の底から納得出来ることなんて簡単じゃないから、色々なルールが有るけど、憲法九条と自衛隊の矛盾だって簡単に解決出来ない仕組みになってる…、寺田さん、これ以上踏み込んだ話になって行くと特定の政党をどうこうとなってしまうけど、ここまでくらいなら、政治の難しさを簡単に説明する一例にはなるんじゃないかな、実際にはもっと色々有る訳だけど。」
「そうね…、この話は、調査に係わってるメンバーで共有する必要が有ると思うわね、それと…。」
「? それと?」
「始めはなんか成り行きだったけど…、私…、のこと…、寺田さんじゃなく、美優って…、呼んでくれると嬉しいけど…。」
「ああ、じゃあ俺の事は大輝で良いよ。」
「うん…。」
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中学校-14 [チーム桜-10]

緒方と話した翌日、寺田美優は花井と。

「花井さん、昨日緒方くんと話してて出た事なんだけど…。」
緒方の話をまとめて説明する寺田。
「…、という事で私達でこの考えを共有しておいても良いと思うの、彼は必要なら他の例も提示するって話してくれたわ。」
「そうね今の所、政治的宗教的な偏りが無いようにとの約束事は守られているみたいだけど、避けては通れないわよね、すぐ全員へ情報を流すけど…、寺田さん、何か有ったの?」
「えっ、何も…、私、何か変?」
「何時も緒方くん関連の話する時は嬉しそうなのに、今日はちょっとね。」
「そ、そうかな…、一応彼氏って事になってるから…。」
「もしかして、マジで惚れた?」
「えっ、そ、そんな事ないわよ、多分私の事なんて形だけで眼中にないみたいだし…、彼の…。」
「そうなんだ。」
「あれ? 何か嬉しそうね。」
「緒方くんって優しくて良いわよね。」
「うん優しいけど、私の事どう思ってるのか分かんないし、今更…、調査期間中だけの彼女と思われてたら…、花井さんはちゃんとした彼氏がいるから分かんないだろうけど。」
「彼ね…、最近ちょっと、こくられてからすぐ私がこの活動に力を注いでいるのが気に食わないのか…、私も、この調査まで緒方くんや立岡くんみたいな人達と接した事なかったから…、気持ちがね…。」
「はぁ~、さらに強敵現るか…。」
「でも今度日帰り旅行に行くんでしょ、私も一緒に行きたいな。」
「聡くんやふーちゃんも一緒だから…。」
「夏休み期間中限定のグループ活動で普段とは違った調査が出来ると思ってるけど。」
「他のメンバー達も子ども達と?」
「結構多いわよ、全部学校と家庭に報告してあって了承済だけど四人というのは最少人数ね。」
「そうか、聡くんの事情も有るから。」
「ちょっとかわいそうなのは清瀬くんかな。」
「あっ、柔道やってるおっきい人ね。」
「スケジュールを永井さんに押さえられていて、彼以外全員女子大生と女子中学生という異色の組み合わせで海へ連れていかれるそうよ。」
「はは、海での光景を見てみたいわね。」
「でも、こんな時にこそ子ども達の本音が聞き出せると思わない?」
「う~ん、そうかも…、でも、ふふ、清瀬くんを大学生と中学生が取り合うって構図は面白いわね、私も傍観者として参加したいな…、緒方くんも一緒に参加してくれないかなぁ~。」
「別に人数制限はないし、緒方くんが参加してくれたら清瀬くんは喜ぶでしょうね。」
「お願いしてみようかな。」
「寺田さん、何か企んでる?」
「えっ、企むなんて…、清瀬くんと女子大生、女子中学生、さらに緒方くんなんて…、ふふどう考えても漫画の世界でしょ、ちょっと面白いのが描けるかもってね。」
「寺田さん漫画描いてるの?」
「へへっ、皆には内緒ね。」
「う、うん。」
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中学校-15 [チーム桜-10]

一学期期末テスト終了後。

「早くボール蹴りて~。」
「あせるな、柔軟をしっかりやって怪我をしない様にって言われてるだろ。」
「分かってるって、でもさ自分で考えてイメージするって秋田先生の言葉を、テスト前からずっと考えていてさ。」
「うん。」
「今まで何にも考えて無かったって思ったんだ。」
「うん、分かる、パス一つにしてもプロは色々な事を考えていて、一見何でもない簡単に見えるパスでも裏で積み上げてきた膨大な練習、しかも色々考えての練習が存在するって。」
「コーチから教えて貰った事も色々考えてたら、早く試してみたくなってさ。」
「お前そんな事考えててテスト大丈夫だったのか?」
「時間配分はしっかり考えた、トレーニングの合間にテスト勉強もしっかりしたさ。」
「おい、それ逆じゃないのか?」
「はは、集中した時の俺の力を知らないな、今回こそ学年順位一桁が取れそうなんだけど…、上位陣は皆調査の学生さん達からアドバイスを受けてるから…。」
「数学は昨年の平均点を大きく上回ってるらしいな。」
「まあ、この中学内で勝負してても仕方ないんだろう、高校進学とか考えたら。」
「部活がんばったら、夏休み期間中も学習指導して貰えるんだよな。」
「宿題は早めに終わらせて、でも成瀬さんの実験的授業って何か楽しそうだよ。」
「俺は、上田さんの英語だな。」
「うん、何か本物って感が…、違うよな。」
「そろそろショートパスから始めるか?」
「ああ、いいか単純な一つのパスにも課題を考えたりしながらだな。」
「はは、考え過ぎるなとも言われたろ。」
「おお。」

「上田さんが合唱部に来て下さると楽しいわ。」
「そう? 私でも役に立ってるのかしら?」
「どうしてそんなに英語の発音が綺麗なんですか?」
「帰国子女?」
「ふふ、私は単純なのよ。」
「単純って?」
「ここのRの発音はこうって教えられたらその通りしてきただけなんだけどな。」
「私も発音記号とか確認しながら練習してるつもりなんだけど、上田さんみたいには出来ない。」
「あれっ、合唱部でしょ?」
「合唱部でも英語の発音には関係なく有りませんか?」
「あなたソプラノでしょ、当然頭声発声を心がけてるでしょ。」
「基本ですから。」
「発声に於ける日本語と英語の大きな違いって考えた事有る?」
「有りません、なんか難しそう。」
「ふふ、英語が苦手でも英語っぽく話す事は出来るのよ。」
「コツとか有るのですか?」
「まずは素直に教えられた通りに、そうね日本語では使わない様な舌を使って発音する事を真面目に実行する事、そして歌う様に話す事。」
「えっ、アメリカの人、話す時歌ってませんよ。」
「歌う様にというのは声の響きの事、ソプラノの基本で有る頭声発声はそのまま英語の発声と思って試してみて、I love you. アイラブユー」
「あっ、そうか英語は歌う時と同じ響かせ方をしてるんだ。」
「何か英語っぽく発音するのって恥ずかしかったけど…、ふふふこのテク使ったら英語の先生より英語っぽく出来るかも。」
「ぽくじゃなく、きちんと身に付けて欲しいかな。」
「だよね、英語の曲、もっともっと歌ってみたいな。」
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中学校-16 [チーム桜-10]

サッカー部練習中。

「ごめん今のは俺のミスだ。」
「いや俺が切り込むタイミングが遅かった気がする。」
「でも吾郎のスピードは健も把握してなきゃだめだろ。」
「まだこの体制になってから間がないから仕方ないけど、これからどうして行くかも考えるべきだよ。」
「個人のスピードとかはすぐに上がらないって言われたな。」
「どうだろう、俺は…、何となくだけど吾郎のスピードは上がる気がする、あ~根拠がなくてはだめなんだよな。」
「いえ、先輩の言う通りかもしれません、単に早く走るという事ではなくて…、体の動かし方というか方向を変える時プロの選手は違いますよね。」
「そうだよな、マネしてみるか?」
「コーチに相談しても良いだろ?」
「だよな、さっきみたいな場面で皆の動きがワンテンポ早くなったら強くなると思う。」

「秋田先生、子ども達が自分で考える様になってきましたね。」
「立岡、こういう子達が色々な意味で伸びるんだよ、サッカーの力は決して高くないが、スポーツを通してな。」
「スポーツに取り組む意味ですよね、自分も中学生の頃は何も分からずにボールを蹴っていました、でも高校で先生の理論と出会って、はは、なぜ俺達はボールを蹴るのかって本を出してみたいと思ってますよ。」
「おお、なかなか良いタイトルだな。」
「さすがに売れそうにないですから、卒論で頑張りますけど。」
「はは、私はサッカー部の指導者向けの本を頑張って仕上げないとな。」
「売り上げには協力しますよ。」
「頼むな、車の購入資金の足しにしたいから。」
「あれっ、この前バイクを買ったばかりじゃないですか?」
「妻は車を買い替えたかったんだ、随分文句を言われてな。」
「大変なんですね…。」

「秋田先生ちょっとお願いが有るのですが。」
「どうしました、花井さん。」
「この地域の方と中学生達との交流の場を持ちたいと考えているのですが、きっかけとして部活動を考えていまして。」
「ああ、良い事だね、どんな形で始める?」
「まずは練習を見て頂く所からと考えているのですが。」
「それは構わないが…、う~ん…、漠然と見て頂くよりは色々説明させて頂いた方が良いだろうな。」
「ですね、コーチ達にも協力要請しましょうか。」
「立岡、頼めるか。」
「はい、うまく行けば生徒の親の負担を減らせたり、別の展開が見えて来るかもしれませんね。」
「見学に来て下さる方の中からリーダー的存在を見いだせないかとも考えているのですが。」
「花井さん、組織作りだね、その辺りは他の部活とも連携した方が良いよね。」
「ええ、方向性としてはこの中学のサポーター的なものを描いていて…。」
「そっか、小学校はまだ地域との繋がりが有るけど、中学校になると随分弱くなるよな。」
「成程ね…、私も調べて考えてみるよ、花井さん、情報流してくれる?」
「はい、お願いします。」
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中学校-17 [チーム桜-10]

二年三組の昼休み。

「永井さん達が来てくれる様になってからクラスの雰囲気が変わった気がするわ。」
「そうなの?」
「前はやるかやられるかって感じでさ、いじめる側にいないといじめられるみたいな…。」
「清瀬くん達の抑止力が効いてるのかな。」
「抑止力?」
「清瀬くんの前では他の人をいじめられないでしょ、彼が何も言わなくても、そんな力ね。」
「そうね、清瀬さん達がいなくなったら元に戻ってしまうのかな…。」
「本当の平和は抑止力なしでも成立すると思うけど…、いじめってどうして起きると思う?」
「どうしてだろう…、いじめている子達は嬉しそうだけど。」
「私達は本能だと考えてるの。」
「本能?」
「生まれながらに持ってるものかな、生き物の大きな本能は子孫を残す事ね、そうでなかったら簡単に絶滅してしまう、じゃあ子孫を残す時相手は誰でも良いのか、となるとそうもいかないでしょ。」
「うん…。」
「で、他人より優位に立ちたいと考えるのも自然な気持ちじゃないかしら。」
「う~ん、弱い者いじめして優越感に浸るなんてどうかと思うけど。」
「そうよね、本能のままに生きる野蛮な人ね、皆が自分のしたい事しか考えなかったら人間の社会は成り立たなくなるわ。」
「そうよね。」
「だからルールが有るのよ。」
「ねえ、いじめって法律違反?」
「程度によるかしら、怪我をさせたら傷害罪になるけど…、仲間外れにして無視とかだと微妙かな、共謀して人を陥れる目的が明白に立証されたら、う~ん、難しい所ね、何にしてもいじめの有る様なクラスは楽しいクラスじゃないわね。」
「楽しくなかったな、前は…、永井さんが中学生の時ってどうだったの?」
「そうね、中一の時はあまり楽しいクラスじゃなかった、でも中二の時はすごくさわやかな子が皆をまとめてくれて、ホントに楽しいクラスなった、三年でクラスが変わってもその雰囲気が残って楽しかったな。」
「そうか、クラスの中心人物がこことは真逆だったのね。」
「なにかきっかけが有ると変わるかもしれないわよ、二学期以降も私達継続の方向で話が進んでるから、居る内に楽しいクラスに変えられないかな。」
「わ~、ホント? 清瀬さんも?」
「メンバーは入れ替わるかもしれないけどね。」
「そっか、ちょっと皆と相談してみるわ。」
「ええ。」
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中学校-18 [チーム桜-10]

夏休みも間近の朝。

「おい、安永の親父逮捕されたって知ってた?」
「うん、ローカルニュースでちょっと出てたって母さんが言ってた。」
「ざま~みろって感じだよな。」
「ああ、俺はあそこに近寄りたくなくて、わざわざ遠回りしてたぐらいだから。」
「安永亮、今日来るかな。」
「あいつ根性ないから休むんじゃないのか。」
「このまま転校してくれたら平和になるよな。」
「奴にとっては、清瀬さん達が来て立場がなくなって、さらに親が逮捕だからどん底だろうが。」
「同情するのか?」
「まさか、奴のせいで転校した小杉とかには同情するけど。」

「花井さん、安永くんの事どうフォローしますか?」
「ちょっと微妙なんだけど…、永井さん、佐々木代表から連絡が有って安永くんには係わらないで欲しいって、チーム桜として今は組関係との繋がりを少しでも作る訳には行かないそうなの。」
「そうなんだ…、安永くんもある意味被害者の部分も有ると思うけど。」
「彼に関しては状況を見極めてから他で動くから、私達はとにかく近づかないで欲しいって。」
「佐々木代表は何か考えてらっしゃるのね。」
「たぶん…、でも二年三組の様子は教えてね、もし彼が登校して来たら、佐々木代表にも伝えなきゃいけないし。」
「分かったわ、でも来ない気がするな、来たら褒めてあげたいくらいよ、今まで見て来た感じではね…。」

特殊調査室。

「佐々木代表、県警の動きは思ったより早かったですね。」
「調査がしっかりしてたおかげですよ、有難う御座います。」
「当たり前の作業ですよ。」
「花井さん達に隠し事が出来てしまったのが残念だけど。」
「仕方ないですよ、今回の事が外部に漏れてしまったらチーム桜は組関係の標的になってしまいますから。」
「長江さんもそこを強調してみえた、データの方は?」
「今回のデータは全て処分しました、まぁ警察に残ってる訳ですから完全とは言えませんが。」
「次のターゲットは決まってますか?」
「桜根傘下入り希望企業関連で幾つか…。」
「先は長いけど、小さいとこから一つずつ力を削いで行くしかないし、我々に出来る事は限られていますから。」
「代表、予算は大丈夫ですか?」
「桜根傘下に変な企業が入ってしまったり、妨害を受けたら、どれぐらいの損害が出るか分からないとの事で、普通に必要経費と考えて良いそうです、安藤からもそう言われています。」
「なら良いのですが。」
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中学校-19 [チーム桜-10]

中学校の夏休みが始まる。

「このタイミングって微妙だよな。」
「どうかしたのか?」
「中学生は夏休みに入るけど、俺達の試験はこれからだろ、学習会とか部活とか今まで思いっきり出来なかった事が出来るのにさ。」
「まあ、ここに来る回数は若干減るかな。」
「お前は余裕なのか?」
「もちろんだ、日頃真面目にやってるからな。」
「そうか、そうだよな…、そうでなきゃ。」
「おいおい大丈夫か。」
「中学側も真面目な学生という事で受け入れてくれてる訳だから…、な~に追い込まれた時の俺の本気を見せてやるよ、と、いう事で今日は図書室に居るから。」
「あ、ああ分かった。」

「ちょっと企画が増えすぎて、やばくないか?」
「そうだな企画の運営は発案者達で何とかなっても検証が充分に出来ないとまずい気もするな。」
「二学期以降の展開も色々な提案が出て来てるから、花井さんと今までのサブリーダーだけではきついんじゃないのか。」
「その件だけど、大学の試験が一通り終わるぐらいのタイミングで全体会議を開く事になったよ、新規の参加希望も多いし、市も全面協力してくれるそうだ。」
「よく行政まで動かせたものだな。」
「チーム桜の発端は市のボランティアサークルだし、何と言っても今回は佐々木代表自ら動いて下さっているから市としてもほかっておけないだろ。」
「問題は試験期間だな。」
「こういう時こそ色々な大学の連合軍であるメリットを生かさないとね。」
「私はもう夏休みだから夏休み始めの学習会頑張るわよ。」
「えっ、い~な~、俺んとこは七月の終わりまで試験なんだけど。」
「スケジュール調整はチームごとで進んでると思うけど大丈夫かな。」
「掛け持ちしてるから迷ったけど何とかね。」
「新規メンバーが入ってきたら始めは私達で引っ張っていかないとだめでしょ、私は組織の見直しもスケジュールに組み込んだわ。」
「そうだな今までの成果も共有していきたいし。」

「なあ、皆、就職の方はどうだ?」
「私は大企業じゃないし、八月には内々定出るみたいだから、たぶん大丈夫。」
「俺も桜根を第一志望にしてるからね、例え駄目だったとしても今の景気なら高望みさえしなければ就職はそれ程大変でもなさそうだよ。」
「私は教員採用試験で注意する事をここの先生から教えて頂いたから、落ちる訳には行かないわ、試験終了まではここの参加回数減らすけど、卒論も有るからね。」
「そうか、皆余裕か…。」
「なんか迷ってるのか?」
「大企業狙って活動してきたけど、地元で就職という選択肢も有ると思えてさ。」
「出身どこだっけ?」
「金沢だけど。」
「桜根の北陸支社も出来たから選択肢に入れて良いんじゃないのか?」
「そうだな親とも相談してみるよ。」
「最後に決めるのは自分だからな。」
「ああ、そうだな。」
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中学校-20 [チーム桜-10]

夏休みに入ったばかりの中学校。

「結構な人数が来てるね、これじゃあ夏休みと言えないな。」
「先生方には悪いことしたかな、私達だけじゃ管理上の問題が有るのよね。」
「でも研修を兼ねる形になったから良いんじゃないの、これまでの調査内容も私達とは違った角度から見て頂けると思うし、他校の先生もみえるそうだから。」
「部活の早朝練習組も来たからそろそろ始めるか。」
「さすがに三年生だけあって、もう始めてる子もいるわね。」

「おはようございます、始めてる人もいるけど、少しだけ説明させて貰って良いかしら。」
「はい。」
「このクラスは選べる宿題から質、量ともに最高レベルを選んでくれた人達だから、細かい事は言いません、分からない事が有ったらスタッフに聞いて下さい、友達同士教え合う事もぜひお願いします、人に教える事によって自分の理解が深まりますからね。
余裕が有る人には高校レベルのステップも用意して有りますので申し出て下さい、学習内容の次の段階を知る事によってより理解が深まります。
ただ、手元に有る宿題内容で手一杯という人は、まず、その宿題をきちんとこなして下さい。
私からは以上です、質問が有ったら挙手でもアイコンタクトでも構いませんので気軽にどうぞ、では続けて下さい。」

隣のクラス。

「始めに話しておきたいのは、この宿題を通して自分の苦手な所をチェックして欲しいという事です。
自分で判断する、きちんと判断出来るようになるという事を、このクラスの大きな目標と考えています。
私達は単に数学の問題を説明するといった事より、皆さんの学習への取り組み方とかを一緒に考えて行きたいと思っていますのでよろしくお願いします。」

さらに隣のクラス。

「なあ、下剋上って知ってるか?」
「知ってるよ!」
「このクラスは下剋上を狙う事も出来るクラスなんだ。」
「え~、どういう事?」
「まあ強制はしないが頑張っても良いって事だな。」
「はは、適当に…、一番楽な宿題じゃ親も残念だろうと思ってこの宿題にしたけど。」
「強制されたって良い結果は出ないだろ、だから強制しないけどゲームとしてだな、なあ、どうせ勉強するなら面白い方が良いだろ。」
「面白くないよ。」
「どうして面白くないんだ?」
「なんかつまんないし。」
「じゃあ今からライバルを決めよう、どうだお互いテストの点数とか順位とかで近い人いないかな?」
「俺、期末の数学五十三点!」
「そうなのか、俺は五十五点だからお前はライバルに出来んな。」
「似た様なもんだろ、俺は四十一点だったけど…、こいつらをライバルにしろって事ですか、岡井さん。」
「根性が有ったら軽く抜けるんじゃないのか?」
「次のテストは二学期か…。」
「何なら、希望者だけの特別テストを実施しても良いけど…、参加者が一人とかじゃつまんないけどな。」
「私…、参加したい、まだ受験する高校決めてないから…。」
「そうか、麻友には勝てる気がするから俺も参加するよ。」
「他の皆はどうする、参加するもよし、見守るもよし、協力するも良し。」
「麻友に勝てそうだからって根性が気に食わないから俺が叩きのめしてやろう。」
「だな、特別テストは何時やります、内容は?」
「そうだな、日程は色々相談しなきゃだけど範囲は今回の宿題の範囲からでどうかな、全く同じ問題は出さないけど。」
「賞品とか有ると燃えるんだけど。」
「それは、スタッフの皆さんにご迷惑を掛ける事になるから…。」
「わ、私が何か作ろうか、な…。」
「麻友の手作りグッズなら男子も嬉しいんじゃないの?」
「…。」
「まずはルールをもっときちんと決めてだな。」
「絶対負けらんねえ。」
「あっ、お前、麻友の事興味ないって言ってたよな。」
「興味がないのは、その…。」
「でも麻友が勝った時はどうするの?」
「そうよね、私は麻友の手助けをしたいわ。」
「私も手伝うわよ、麻友、友達だもんね。」
「うん、有難う。」
「そっか麻友ちゃん人気者なんだ、俺も参加して麻友ちゃんの手作りグッズ欲しくなって来た…、はは、やっぱだめか?」
「だめですよ、でも麻友は優しいから…、岡井さんの為に何か作っちゃうんだろうな。」
「あ~、麻友ちゃん気にしないで。」
「手遅れね。」
「岡井さ~ん、麻友の事ちゃんと知ってましたか~。」
「ちょっと、この団結力聞いてないんだけど…。」
「麻友は天然なとこ有るけど、う~ん天然だからかなぁ~、ふふ、男子達の気持ちは初めて知ったけど。」
「まずは宿題やろうか。」
「あ~、そうやって逃げるか~。」
「はは、やる事やってから追求しようぜ。」
「健くんが言っても様にならないけど、マジで勝負してみたくなってきたわ。」
「受けて立つぞ!」
「はは。」
「ただな、やみくもに問題を解いても意味は無いんだ、自分がどこまで理解出来ていて、どこから理解出来てないかを見極めれたら、それだけでも価値は有る、もちろん理解できて無い部分を理解して行く作業が大切では有るけどね、じゃあ数学の宿題を始めよう、三十分で切るからそれまで集中して取り組んでくれるかな。」
「いっちょやってやるか。」
「負けられねえな。」
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