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調査部-01 [チーム桜-08]

チーム桜の調査員は全員ボランティア、活動に対する金銭的な見返りはない。
特殊調査員の一人早川幸喜は自宅で。

『チーム桜からの調査依頼、どうかな今日は…、まだあまり活躍出来てないんだよな…。
あっ、珍しくD調査か、しかも埼玉だ、OKをクリック、これだけで俺がこの調査に興味を持ったって本部に伝わるんだよな。
D調査なので細心の注意を払って下さいか、守秘義務なんて当たり前だろ、守れない奴が特殊調査員になってたらまずいが、人数が多いと難しくなるだろうな、そこも計算に入ってるとは思うが。
おっ、近くなんだ、もちろんOK、関東支社はまず埼玉でとなったから、こういった案件も出てくるのかな。
えっ、あそこか…、地元じゃ有名な…、桜根傘下入りを希望だと…、有り得んぞ、絶対阻止だな、まずは一報を送っておくべきだな。
え~っと…、地元では暴力団関連で有名な所です、黒い噂は色々聞いてますが実情は分かりませんのでさりげなく情報収集をしてみます、こんな所かな。』

『あそこに泣かされていそうな所から当たってみるかな…、そうだよなこの機会に潰せないかな、その為に俺は調査員申請した様なものだからな、手間が掛かっても何とかしたいけど深入り厳禁を守らないといけないし…。
まずは…、あっ、もう返信が来た、すでに多くの情報を頂いてます、か…、そりゃそうでしょ…、警察とも連携して事に当たって行きます、決してチーム桜が裏で動いている事を相手に悟られない様に、そして決して危険な事をしない様にお願いします、当たり前だよな、チーム桜が暴力団の標的になったら面倒なんてもんじゃないし、俺が危険な事をしたら迷惑を掛ける事になるからな…。
あっ電話、信三からか、何だろう?』
「おお、信三どうした、久しぶりだな。」
「幸喜ってさチーム桜とかいうとこのメンバーじゃなかったか?」
「ああ、そうだよ。」
「桜根もだろ?」
「ああ、桜根はチーム桜の要だ。」
「そこの人と内密に連絡を取る事は出来ないか?」
「訳ありか?」
「うん。」
「内容は?」
「幸喜は知らない方が良いと思う。」
「まあ、詳しく聞く必要はないかも知れないが、何に関してか位は教えてくれないとコンタクトが取りにくいと思うが。」
「そ、そうだな…、俺、しばらく前に転職してな。」
「あっ、仕事やめたがってたな…。」
「それで失敗してさ。」
「何かやらかしたのか?」
「いや、就職先がやばいとこだったんだ。」
「えっ、どこ?」
「図書館の隣の…。」
「あっ、あそこか…、あそこは地元では有名なんだぞ…、念の為この通話の後俺の情報をお前の携帯から消してくれな、で、お前の電話番号をこちらの担当に伝えるから、その指示に従ってくれ、今一人だよな。」
「ああ、自宅で一人だ。」
「すぐ連絡するよ、そのまま待っていてくれ。」

『大至急、と頭に付けてと、先ほどの件ですが偶然先方に最近就職した知人から、そちらと連絡を取りたいと、会話の録音も途中からですが添付しておきます、連絡先は…。』

すぐに電話が鳴る。
「はい早川です。」
「調査協力有難うございます、Sさんからの情報は信じて大丈夫ですね。」
「はい、真面目な男ですし、声の調子からも嘘は無いと思います。」
「そうですね、会話も聞かせて頂きました、今からすぐ連絡を入れてみます、後でもう一度連絡を入れますのでよろしくお願いします。」
「分かりました。」

しばらくして再度の電話。

「ご協力有難う御座いました、Sさんには早川さんとの記録は一切消して頂く様お願いしておきました、今回の件が落ち着くまでは一切接触しないで下さい、またこの件の調査依頼も終了させて頂きます。
後は警察に任せる段階です、こちらの調査依頼が漏れてなれば問題ないのですが万が一という事も有りますので注意して下さい、でも本当に協力有難う御座いました。」
「いえ、お役に立てて嬉しいです。」

数日後、早川幸喜は自宅でテレビを見ていた。

『あれから一週間か…、何も進展してないのかな…、あっ、あそこの建物が映ってる…、二人逮捕か、良かった…、まだ捜査は継続中か、油断するなってことだな。
調査員の登録にはずいぶん手間が掛かったけど、偶然とは言え、こうやって成果が出るとほんとに良かったと思える。
名古屋本部から遠いから役に立てるかどうか分からなかったけど、これからは色々な調査依頼が増えるんだろうな、どんな形で有れチーム桜に貢献して行きたいもんだ。』
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調査部-02 [チーム桜-08]

桜根オフィスの有る建物内の一室。

「ここへの転職を受けて下さって有難う御座います、特殊調査室は色々大変ですがよろしくお願いします。」
「こちらこそお願いします、仕事のメインは企業調査と聞いていますが探偵業と考えればよろしいのですか?」
「はい、探偵業法に基づいて研修を受けて頂きます、ただ実際の調査というよりはバックアップを担当して頂きたいと考えています。」
「分かりました。」
「特殊調査室ではチーム桜調査部として行うとイメージダウンになる様な調査を主に受け持っています、しばらくは研修という事で、今日は調査依頼システムを紹介させて頂きます。」
「はい。」

「ここへの調査案件は、Aの企業調査、Bの人物調査、Cはその他、Dは犯罪関係と分けられています。
全ての依頼案件はまず一次調査を特殊調査員にお願いしています。
一旦全特殊調査員のパソコンで閲覧出来る状態にします、調査員が閲覧を開始しようとするとこちらでパソコンのセキュリティーチェックをするシステムになっています。
問題が有る場合は警告を表示して、その後の閲覧は不可となります。」
「そんなシステムが構築出来るのですか?」
「ええ、チーム桜のメンバーにはその道の専門家もいますから、でも完璧かと言ったら完璧の有り得ないのがネットなんだそうで…、でも現時点での最先端技術で守って下さっているそうです、調査員の人数も多いですから、どこからどんな形で情報が漏れるか分かりませんが…。」
「ですね…。」
「調査員達は依頼案件の内容を確認しながら、動くかどうか決めます、依頼内容は細かく伝えて行きます、受けるのならOK、受けないのならNOをクリック、OKをクリックすると次の情報が提示されます。
例えば、A調査名古屋市の株式会社桜根に関して、と示します、この企業を全く知らない、住まいも遠いという事ならNOをクリックですね、たとえ遠くてもこの企業の事を知ってる、知り合いがいるという事ならOKとなります。」
「知り合いに、この依頼案件の事が伝わるとまずくないのですか。」
「原則、調査員を信じています、ただケースバイケースで、その知り合いの方を利用させて頂く事も有ります、あえて情報を伝えて頂くといった形で。」
「あっ、単純な調査だけでないという事ですか。」
「はい、場合によりけりですけど、それとこのシステムではどの調査員がどの案件に興味を示し、それに対してどの様な行動を取ったのか、ある程度分析出来る様にして有ります、その行動パターンから問題を感じられる調査員は人物調査の対象になります、今の所そんな人はいませんが。」
「なるほど。」
「OKをクリックした人には具体的な依頼内容を伝えて行きます、その依頼内容によって調査員はきちんと受けるかどうか判断します。」
「彼らはボランティアなんですよね。」
「ええ、ただ貢献実績に応じて桜根からうちの通販で使えるポイントをプレゼントさせて頂いてます。」
「普通に人を雇ったら人件費もばかにならないですから、それぐらいの事は有っても良いですよね。
かなりのシステムですけど、構築はすべてここのスタッフという事ですか?」
「ええ、桜根やチーム桜のシステムを色々構築してくれてるメンバーから特に選抜された人達が維持管理に当たって下さっています。
ただこのシステムを利用するのは一次調査、素人の方による簡単な調査のみです、ここから得られる情報だけで充分な時も有りますが、もう一歩踏み込んだ調査を必要とする場合も有り、そこからは訓練を受けたプロが動きます。」
「一次調査が有る分プロの労力が減るという事ですか?」
「それも有りますが、特殊調査員達は今後色々な情報をもたらしてくれると考えています。
あっ、ちょっと失礼しますね…。
社長から特殊調査員へ感謝の言葉が届きました。
何時も作業を問題なく進めて下さり有難う御座います、今回のD案件も良い結果になりそうです、とても助かりました、ただX項目を再度確認の上御注意願います様よろしくお願いします、ふむ、これなら大丈夫ですね、X項目への注意喚起も必要だから、佐藤さん、社長からの感謝の言葉、このまま特殊調査員達に公開して貰えますか。」
「はい。」

「D案件という事は犯罪がらみの調査があったのですか?」
「ええ、今は形を変えて調査を継続しています。」
「X項目というのは?」
「調査員達に事前に知らせて有る注意です、ほとんどの調査員は頭に入れて文章は消去済みの筈ですが、忘れられては困りますので、社長から調査員へのメッセージは良いタイミングです。」
「情報を外部に漏らさない様に色々気を付けてる訳ですね…、社長というのは?」
「桜根の安藤社長です。」
「彼はこういった事にまで気を配っているのですか…。」
「ええ、調査員達には色々気を使って頂いてます、調査員達は原則無報酬なだけに無責任な行動を取る輩が出てくる可能性も有ります、社長は特殊調査員達に、その仕事の成果を示す事で極力そういった輩が出ない様にと考えておられます。」
「しかし、全ては極力極秘裏に進めるべきでは有りませんか?」
「このページを見て下さい。」
「安藤社長が幾つかの企業を紹介していますね。」
「ここに上がってる桜根傘下企業は特殊調査室が絡んだ案件なんです、もちろんどこにもそんな事は書いていませんが、調査員達だけはその事を理解しています。」
「なる程、そう考えて見直すと、大きな実績を上げていると実感出来ますね…、でも…、そもそも特殊調査室はどういう経緯で設立されたのですか?」
「チーム桜は社会的弱者への支援を考えて設立されたと言っても良いでしょう、社会的弱者と言っても色々ですが、今までの事例を見て行くと金銭的に行き詰った人が、そこを突かれて喰い物にされている事も少なく有りません、時には犯罪組織によってです。
桜根の事業展開を考えた時、安藤社長達は、対象としてそんなレベルの企業も想定されまして、より健全な形で事を運ぶ為に、この特殊調査室を立ち上げたのです、一次調査に当たる調査員達は素人ですから素人なりの調査方法マニュアルを作成しました。」
「特殊調査員を集めるのは大変じゃなかったのですか?」
「ええ、ただ桜根の特殊性を考えたら必要だと考えて下さった方も多くみえまして、それなりの規模になりました、まあ桜根の活動が活発な所程、調査員になって下さる方が多いという傾向が有りまして、助かっていますが。」
「あっ、そうでしょうね。」
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調査部-03 [チーム桜-08]

桜根オフィス。

「調査部に入ってくれて有難うね。」
「いえ、チーム桜では色々な調査活動を行っていますから、そこから自分の卒論テーマを見つけられると思ってます。」
「そうだね、うちの調査は色々有るからきっと見つかるよ。」
「自分は具体的に何をすれば良いのですか?」
「今日の研修、一つ目は今上がって来てる調査依頼案件の確認と整理、今見えてる画面がこのシステムのメイン画面になるからね。」
「はい、え~っと、ここをクリックすれば良いのですか?」
「うん、クリックしてくれるかな…、一覧が表示されたら未着手というボタンをクリックしてね。」
「はい。」

「モデル地区関連の調査も有れば、テレビ番組に対する調査が有ったり、オリジナルグッズに関する市場調査とか色々でしょ。」
「はい。」
「それぞれの調査指示を確定して行こうか、では未着手リスト一番上の項目を選択して開いてくれるかな。」
「はい。」
「依頼内容を確認してみようか、この依頼は、桜総合学園制作部からだね、今度放送される実験的な番組について五段階評価と感想や意見、放送終了から三十六時間で締め切り、対象者は特に指定なし。
この内容なら告知は全員を選択して、フォームを作成するにチェックを入れて確認をクリック。
OKそこまでやってくれたら、確認と実行は社員がやるからね。」
「これだけですか?」
「まあ、依頼内容によって複雑になるのも有るけど、これは一番簡単な依頼だね。」
「この後はどうなるのですか?」
「社員がフォームに問題がないかチェックして確定を実行すると、アンケート登録している人にメールが届く、アンケートに応えようと思った人は、番組を見てからアクセスして回答、締めきったら五段階評価別で自動集計、さらに文章もキーワードで有る程度分けられる、軽くチェックしてからデータを制作部で見れる様にして連絡、これで終了だね。」
「なるほど。」
「次のをやってみようか、リストの画面に戻って上から処理して行こう、上の案件程古いからね。」
「今度は女性を限定していますね、でも他は先ほどのとあまり変わりません。」
「そうだね、では対象者を女性にして先ほどと同様に。」
「出来ました。」

「基本は簡単なんだけど、そうだね一つ覚えておいて欲しいのは、今、作業したアンケートでは正確な調査は出来ないという事なんだ。」
「えっ、でもそれなりの回答数が集まりますよね。」
「ああ、ただね回答者はチーム桜に興味が有って、ネット環境が有ってアンケーに応えても良いと思ってる人に限定されるだろ。」
「あっ、そうですね。」
「今の案件はその誤差を気にしない内容だから問題がない訳だけど、調査依頼によっては全く違った対応をする事になるからね、対面調査とか。」
「大変そうですけど…。」
「ずいぶん昔の話だけど、選挙に関して電話による事前調査をした事が有ったんだ、その結果は大外れでね。」
「どうしてです?」
「その頃はまだ電話が充分に発達していなくて、電話を利用できる人が限られていたのさ、つまり電話を持っていない人達の考えは調査に反映されなかったという事だね、これは極端な例だけど。」
「ネットでの調査はネットを使う環境にない人の考えが反映されない訳ですね。」
「ああ、そういう事さ、で、もう一つ調査で気をつけなければ行けない事が有ってね、結論有りきの調査、まあ研究でもそうなんだけど、たぶんこういう結果になるだろう、もしくはこういう結果が出て欲しいと思って調査、研究をすると、調査の公平性を欠く事が有るんだ。」
「公平性ですか?」
「知らない内に自分の都合の良い結果へ誘導している様な調査は、公正な調査とは言えないだろ。」
「そんな事が有るのですか?」
「例えば、田舎暮らしは大変ですよね? と質問する、回答は田舎暮らしの大変さが中心になりかねない、が、田舎暮らしはどうです? と質問すると、のんびりしてて良いとか、先祖が残して下さった土地だから、とか、もちろん、田舎暮らしの大変さも返って来るだろうが、率は違って来るだろうね。」
「田舎暮らしの大変さを強調する為の誘導をしてるかもしれないと言うことですね。」
「悪意がなくてもね、調査の方法を間違えると人に不利益をもたらす事も有るから注意が必要なんだ。」
「はい、気をつけます。」
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調査部-04 [チーム桜-08]

安藤の自宅。
くつろいだ形でのミーティングを佐紀が提案して十名ほど集まっている。

「なあ水野、チーム桜政治部として調査部に依頼した結果は予想通りだったろ。」
「ああ、佐々木の言った通り賛成意見ばかりだった。」
「まあ、チーム桜関連で調査すればそうなる、問題はそれ以外の人達がどう思っているかだな、安藤、踏み込んだ調査を依頼するか?」
「タイミング的にはどうなんだろう。」
「佐々木くん、政治部の活動を紹介してからとその前では結果が違ってこないかしら?」
「確かに佐紀の言う通りかもしれない、一般向けのまともな調査は費用も掛かるから…、政治部の紹介に触れた人とそうでない人の差も有るかな。」
「水野としては、現時点での政治部をどう考えている?」
「まだまだ弱いと思う、ただ今後の展開を考えると研究部門として政治部を発展させて行きたいと思う、それには一つの目標を提示する必要が有ると思うんだ、安藤、目標って必要だろ。」
「ああ、ただ反対意見をきちんと受け止める体制が必要だとは思うな、多数決で安易に決めていては弱くなるからね。」
「政治部を紹介して行く過程でも、その辺りを強調しないといけないわね、他人の意見に流されてしまう人も少なくないから。」
「まずは、政治部関連の記事や番組で意見募集という形で始めるか、それを調査部で集約して貰うくらいなら、費用は最低限度で済ませられるし、まともな反論を下さった方とはコンタクトを取り続けてアドバイスを頂くというのも有りだろ。」
「そうね、その方向で行くなら制作部と広報部に連絡入れるわよ、政治部に対する注目度アップのゴーサインになるけど。」
「水野さえ良ければ、佐紀、俺は構わんよ。」
「ああOKだ、政治部の方向性は示せる。」

そこへ案内され松野里香が入って来る。

「遅くなりまして、御免なさい。」
「いや、松野さん今始まったとこだから気にしないで、飲み物は。」
「うわっ、何でも有りなんですね、何か高そうなのばかり…。」
「まあ貰い物ばかりで申し訳ないが、食事も用意してるから、今日はゆっくりして行ってね。」
「有難う御座います安藤社長。」
「ふふ、今日は裏で手伝ってくれてる人も含めて歳の差はないから社長は抜きよ。」
「でも…。」

「松野さん、仕事の方はどう?」
「まあ、今は先輩方が作り上げて下さった形に乗って作業を進めている段階ですから、そんなに大変でも有りません、ただ着手前の案件にちょっと疑問を感じる案件が有りまして…。」
「調査依頼はしたの?」
「ええ、事情をお話したら先輩方も調査依頼すべきだと。」
「組関係?」
「はい、近くに用が有ったので会社の前を通ってみたのですが、それらしき人物が…、手遅れだったのかもしれません。」
「そういった事情は特殊調査室に伝えて有るかな?」
「はい。」
「とりあえず、松野さんはその案件の事は忘れて下さい、副社長になってもそういった案件は対策室に任せてね。
それと飲食店関連をまとめて再編する会社も対策室との連携を密にと考えているから、しばらくはベテラン連中にお願いして欲しいんだ、組関連が絡んで来易いからね。」
「上を目指していますが、そういった事の処理が出来なくても良いのでしょうか?」
「これは通常業務じゃないんだ、警察と密接に関係して行く事になるからね、名称も対策室として何をしてるかぼかしている位だからね、うちが頑張ると組関係の資金源を減らす事になると思うから気にはして欲しいけど。」
「あっ、そうですよね、そうか、本業を頑張ればそういった効果も有るのですね、頑張らねば。」
「はは、頼もしいね、ただ慎重には行くけど、いずれは色々ちょっかいを出して来るとは思っている、対策室は先手も考えてくれてるけど気をつけてな。」
「はい」
「まあここみたいな安心な店で飲み会をしてれば大丈夫だよ。」
「佐々木くん、ここはお店じゃないんですけど。」
「いや気楽にどうぞ、特に今日の様な半分仕事みたいな時はね。」
「そうだぞ、安藤は佐紀だけのものじゃないんだからな。」
「あ~ん、隆二~、佐々木くんがいぢめる~。」
「はは。」
「ここは盗聴にまで気を使って貰ってるんだ、安藤の父上様も色々気を使って下さっていてね。」
「私なんかが…、良いのですか、ご一緒させて頂いて。」
「桜根本社副社長となったら、しっかり注目を浴びる事になる、嫌でもセキュリティのしっかりしたマンションに引っ越して貰うからね。」
「仕事はやりがいが有って楽しいのですが、あのおんぼろアパートの風情が好きだったんですよ。」
「じゃあ、外見はピカピカなのに中に入ったら、哀愁の漂う部屋って感じにリフォームしてみたら?」
「え~、考えてなかった…、でも、佐紀さん、それ有りかも。」
「そんなリフォーム手伝いたいって奴大勢居そうだな。」
「松野さん彼氏は?」
「う~ん、まずは里香って呼んで下さいよ~、佐々木さんは私の対象外だけど。」
「はは…、里香さん彼氏は?」
「はい、いません。」
「それじゃあだめよ、桜根の副社長が仕事しか出来ない女と思われて欲しくないわ。」
「おいおい、うちの大切な社員をいじめないでくれな。」
「有難う御座います安藤社長、一生ついて行きます。」
「あ~。」
「佐紀、墓穴を掘ったな、正妻の座は里香さんに譲ってだな…。」
「絶対だめ!」
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調査部-05 [チーム桜-08]

とある役所のホール。
説明会が行われている。

「今回の調査は、チーム桜の障害者雇用研究チームからの依頼で行われます、このエリアに暮らし何らかのハンデをお持ちの方々の内、仕事をしたいが雇ってくれる先がないという方に絞っての対面調査です。
一次調査二次調査と調査員を変えて行い必要なら三次調査まで行う徹底調査です。
通常の調査では主観を交えない客観的視点での調査活動が要求されますが、今回は調査員の方々が感じられた事を積極的に報告して頂きたいと考えています。
調査結果を踏まえ、桜根傘下で働いて頂く事を前提に考えていますのでよろしくお願いします。
最大の注意点として上げさせて頂きたいのは、何が出来るのかをしっかり調査して頂きたいという事です、どういった障害をお持ちなのかは事前調査で有る程度把握しています、我々に必要なのは、何が出来るのかという事なのです、もしかしたらご本人も気付いておられない、仕事に生かせる能力がないかを調べて頂くのが一次調査のメインになると考えて下さい、後は二次以降の調査で就業への可能性を見極めて行きたいと考えています。
何にしても単純な調査ではないとご理解下さい。
では具体的な説明に入らせて頂きます…。」

説明会の後。

「今回の調査は対象者の人数もそれなりに多いですよね。」
「はい、ですがすぐ来春学校を卒業といった人達の調査も予定していますので…。」
「障害者雇用研究チームは人数足りてるの?」
「サポート要員は足りてないかな、受け入れ先の理解が進んで来ているから今はぎりぎり何とか回しているけど。」
「安藤社長のお話には、少し驚いたけど今の桜根の勢いなら無理ではないよね。」
「企業としての社会貢献を前面に打ち出している訳だから、他の企業にも広がって行くと良いんだけど。」
「まずは調査対象の方に何が出来るかをしっかり見極めたいな。」
「こちらからも色々提案してみるという事だから、調査員同士情報交換もしていきたいわね。」
「確かに単純な調査じゃないよな、今まで経験してきたのとは全く違う…、俺の卒論テーマにしようかな。」
「それなら調査部に情報提供依頼をしておいた方が良いんじゃない。」
「そっか、頼んでみるよ。」

一次調査終了後。

「どうだった?」
「受け持った人達にすごく差があって、少し戸惑ったわ。」
「だよな、俺は一人の方に色々教えて頂いたよ、高い能力が今まで生かされて無かった気がして残念に思ったから最優先で報告させて貰った。」
「うまく行きそうなの?」
「ああ、桜根本社雇用在宅勤務の方向で、面接も自宅へ訪問する形にして下さるそうだよ。」
「そうか、在宅勤務を見落としてたわ、すぐ連絡取らなくっちゃ、ごめんね食事会パスさせて。」
「分かった、頑張ってくれな。」

「障害によっては、ほんとに何が出来るんだろうって考え込まなかった?」
「だよね、今回の調査では色々考えさせられたな。」
「二次調査では担当を変えてとなるけど…。」
「一次調査の結果を参考になんて、通常の調査では無かったんじゃない?」
「調査より結果、障害者雇用研究チームも必死で取り組んでるらしい。」
「安藤社長はこの地から変えて行きたいと宣言してみえたからね。」
「結果を出して、チーム桜の存在を全国にアピールしたいよな。」
「うん、二次も頑張ろうよ。」
「ああ。」
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調査部-06 [チーム桜-08]

ある土曜日、桜根傘下企業の食堂。

「百メートル周辺環境調査、如何だったでしょうか、調査部としては報告下さった内容に関わらず感想などをお聞かせ願いたいのですが。」
「私は自宅から近かったのですが、改めて見直すと思わぬ発見が有りました、近くの交差点の歩道が電柱の関係で特に狭くて、すぐには無理でも電柱を動かせないかと。」
「自分が気になったのは大きめの地震が起きたら壊れそうな家に住んでるご老人の方です、耐震補強とか考えてみえないと思うのです。」
「今回この会社から百メートルの範囲内が対象でしたが、少し範囲外になる所に住んでる子の家庭に問題が有りそうだと聞きました、気になってるのですがやはり対象外ですか?」
「それは追加で調査しましょう、場所を教えて下さればこちらで、内容も微妙ですので専門の調査員を派遣します。」
「私は中学校でのいじめが気になっています。」
「私も聞きました。」
「そちらも追加調査が必要かもしれませんね、検討させて頂きます。」
「会社から百メートルという区切りは何か意味が有ったのですか?」
「今回の調査は実験的な意味合いも有りますから、広すぎずという事で、会社から百メートル圏内とさせて頂きました、今後はエリア内の改善活動の進捗状況を見ながら広げて行きたいと考えています。」
「調査結果が反映される活動をして行くということですね。」
「はい、モデル地区の設定という形も有りましたが、ここでは桜根傘下の成功例であるこの会社を中心に住み易い町作り活動を広げて行く予定です、今回の調査には、この会社のご協力も頂けましたし、学生ボランティアも参加してくれました、チーム桜の理念に沿ってここでの活動を広げて行きたいと考えています。」
「この活動は、他でも実践されるのですか?」
「はい、結果を見ながら広げて行きます。」
「という事は、ここでの百メートルが二百メートル、三百メートルとなって行ったら、他の拠点企業と重なって行くという事ですね。」
「そこまで到達するには、長い月日が掛かると思っていますが我々の目標では有ります。
有る程度の広さを押さえたら、モデル地区並みの活動に移行して行きたいのですが、楽観はしていません。」
「意識改革が必要という事ですね、今回の調査中にも利己的な発言を耳にしましたが、周りの人の意識が変わって行けば…、強いリーダーがいればペースが上がると思うのですが…、佐々木代表や安藤社長は…、どうお考えなのでしょうか…。」
「そうですね…、その事はお伝えさせて頂きます…、私が聞いているのはタイミングを図ってみえるという事ぐらいです。」
「タイミング?」
「ええ、チーム桜の理念がある程度浸透してからでないと、反発してくる勢力に対抗する事だけで力を奪われかねないと。」
「う~ん、俺達でゆるぎない実績を示さないとだめだって事じゃないのか。」
「反社会的勢力に対抗って事か…。」
「冷静に対応出来るだけの力がなかったら、そんな連中と同類となってしまいかねないな。」
「じわじわ広げて行けば目立たないから…。」
「はい、気が付いたら大きな成果を上げていたという感じにして行きたいです。」
「私はここの社員なのですが、今後も協力させて頂きたいと思っています、どういった形で協力させて頂けばよろしいのでしょうか?」
「有難う御座います、今回の調査結果を公表させて頂きますので、それを参考に日頃からこの周辺を観察して下さると助かります、継続的に見ているとまた違った問題点が浮かび上がってくる事も有りますのでよろしくお願いします。」
「報告はどちらへ?」
「こちらの総務部で担当して頂く事になりました、今回の調査結果もここの社内へは総務部経由で発表させて頂きます。」
「今日参加してない連中にも協力して欲しいと思うのですが、分かり易い形で内容を伝えるコンテンツとか有りませんか?」
「今日の結果を踏まえて作成します、試作的なものが出来上がるまでにはそれ程時間が掛からないと思います、これは無料で閲覧出来る様にします、その後テレビでも流せるレベルの作品を制作して貰う事になっています。」
「有難う御座います。」
「次回の調査は何時頃になりますか?」
「しばらくは、今回の追加調査が主になると思います、調査計画案はまだかなり流動的です。」
「自分が調査計画作成に参加する事は可能ですか?」
「お願いしたいです、調査部としてもここの様にチーム桜が継続的に関わって行く所は人的に補強をして行きたいと考えていますので。」
「なら、私も参加したいです。」
「自分も…。」
「有難う御座います、この後少し残って頂けますか、具体的な相談をしましょう。」
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調査部-07 [チーム桜-08]

チーム桜オフィス。

「今回の百メートル周辺環境調査で中学生のいじめの問題が浮かび上がって来たけど。」
「複数という事は結構深刻かもしれないな、対応は?」
「幾つかのチームに情報を流したけど、どこも余裕がなくなって来てるみたいなの…。」
「このまま放置とはしたくないよな。」
「ええ…、中学校に連絡入れてみようかしら…、でも調査依頼とも違うから微妙よね。」
「だよな…。」
「どうかしましたか?」
「あっ、佐々木代表…、実は…。」

「一つの案件に時間が掛かる事もあって余裕がなくなって来てるという事ですか…、この中学丸ごと調査というのは可能ですか?」
「調査内容さえまとまっていれば、調査員は何とかなると思います。」
「この件は私が担当します、まずは相手先の校長…、始めは教頭の方が良いのかな…、連絡を取りますので連絡先を教えて下さい、後、調査内容については学生中心にまとめて貰います、関連チームから推薦して貰いましょうか、特に推薦が無かったら緊急公募をして下さい。
あっ、長村さん、今日の午後の予定は変更になるかも知れません、緊急案件は入ってないと思いますので調整お願い出来ますか?」
「はい、大丈夫です。」
「これが中学の電話番号です。」
「はい、有難う御座います。」
「後は、ここの中学でのいじめに関する情報を貰えますか。」
「はい、すぐに送ります。」

「う~ん、確かに報告が多いですね、対象は一人なのか複数なのか分かりかねますが…、これは放置できませんね…、吉岡さん、今日研修に来てる人から四名ほどお借りしたいのですが如何です?」
「ご本人さえよければ構いませんが。」
「では、このリストに印を付けた四名の方に打診して頂けますか、OKなら昼食は私のおごりという事で。」
「分かりました。」
「田中さん、中学生対象に対面調査する時の注意事項を彼らにレクチャーして欲しいのですがよろしいですか?」
「はい、すぐに資料も用意します。」
「では、ちょっと電話してきます。」

「佐々木代表、判断早いな。」
「ええ、変な事になって手遅れなんて後味悪いから、私はすぐに資料を用意するわ。」
「俺も、もう一度調査結果に目を通してみるよ。」

昼食時。

「…、という事で中学校に同行して欲しいんだ。」
「具体的に自分は何をすれば良いのですか?」
「基本的には中学生達の様子を見て来て欲しい、何か気付いた事が有れば後で教えてね。
中学生から話しかけられた時はチーム桜の研修の一環でと正直に話して、後は田中さんから説明して貰う注意事項を踏まえながら、それとなく中学校の雰囲気とか探ってくれると助かる、但しいじめ問題に関しては絶対こちらからは聞かないでね、子ども達が話始めたらじっくり聞いてあげて欲しいけど。」
「ふふ、さすが佐々木代表ですね、子ども達が話し易そうなメンバーだから良い調査が出来ると思うわ。
子ども達と接する時はとにかく聞き役に徹して欲しいの、でもただうなずくだけでなく軽く質問を入れたりしながら、極力嘘はつかないでね、資料を用意したから目を通しておいて。」
「はい分かりました、今日の自分は調査部の一員として動けば良いのですね。」
「ええ、この中学校は継続的に見ていく事になりそうだけど、出来ればこの後も願い出来ないかしら、考えておいてね。」
「私は専門分野と重なる所も有りますから…、場合によっては過程や結果を卒論に引用させて頂いてもよろしいですか?」
「もちろん大丈夫です、むしろ積極的に活用して欲しいです。」
「中学なんてついこの間の事の様な遠い昔の様な…、微妙ですよね、自分の中学時代や妹の学校との比較とか出来て面白いかもしれません。」
「今日この後はどういう流れになりますか?」
「先方の教頭先生とは私が話をする、君達は生徒達と仲良く…、無理なく行けそうならだけど、それで…、聞けたら話を聞いてくれるかな、急いで色々聞き出そうというのではなく、そうだね今度チーム桜の調査を予定していて、その前準備でといった感じで…、その過程で気になる事が有ったら掘りさげて欲しいけど、あせらずじっくりという事を守って欲しい。」
「はい、微妙な部分は理解してるつもりです。」
「う~ん、中学生達と…、その靴じゃ遊びにくいな、中川さんにスニーカーの用意をして貰おうか。」
「そうですね、何とか中学生達と遊んで来ます。」
「うん、そんな感じが一番だね。」
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調査部-08 [チーム桜-08]

某中学、午後の校庭。

「まずは子ども達とのファーストコンタクトよね、どうする?」
「俺は体育の授業に混ざりたいな、それを見越して佐々木代表はスニーカーを用意して下さったのだろ。」
「そうね、でも許可して貰えるかしら?」
「さっきの挨拶の時はチーム桜という事で、好感を持って頂けた気がしたけど。」
「先生に頼んで来るよ。」
「ちょっと待て、男性の体育教師に頼むなら花井さんか寺田さん、女性の方なら緒方が行った方が話が早いと思う。」
「あっ、そうだな、まずは俺達が男子のサッカーに混ぜて貰って花井さん達は見学ってどう?」
「じゃあ突撃頼む。」
「ふふ、行くしかないわね。」

「あっさり行ったわね、チーム桜の名を出したけど、子ども達も長身の緒方くん達に興味深々だった、はは、緒方くん達結構うまいわね。」
「とりあえず応援する?」
「そうね…、あの子ゲームについて行けてなくない?」
「そりゃ体育の授業だから、苦手でも参加しなくちゃ行けないのよね、私もみじめな思いしたな~。」
「そっか…、私は家庭科が苦手だったな。」
「数学とかは得意でも…、人それぞれって事でしょ。」
「あっ、あの子転んじゃった…。」
「ちょっと引っかけられた様にも見えたけど。」
「出番かな。」
「そうね。」

「大丈夫?」
「はい…。」
「運動は苦手なの?」
「どちらかと言えば、特に団体競技はあまり…。」
「すりむいちゃったね、医務室行く?」
「…。」
「どうしたの?」
「皆が見てるので…、その…、綺麗なお姉さんと一緒に居ると…。」
「一人で行く?」
「これくらい大した事ないですから授業が終わってからにします。」
「じゃあ、しばらく見てようか。」
「はい。」

ゲームが終わって。

「お前、ちょっとマジになりすぎてなかったか?」
「いや、結構うまい奴がいたから変に手加減するのも失礼かと思ってな。」
「お疲れさま。」
「いや~、良い汗かいたよ、あっ、さっきは大丈夫だった?」
「はい、あれくらいは何でも有りません。」
「そっか、小山君は…、はは体操服に名前がついてると便利だね、俺は立岡、こいつは緒方だ、よろしくな、君はチーム桜って知ってる?」
「ええ、詳しくはないですけど。」
「その関連で、中学生に対する調査をしてみたいって佐々木代表から話があってね、俺達は調査に関しては素人なんだけど、ちょっと中学の雰囲気を思い出して来いって言われてね。」
「お前は佐々木代表に昼飯おごって貰えるから了承したんだろ。」
「はは。」
「笑ってごまかすな、小山くん、調査の話は本当なんだ、でさ、さっき俺達の中で話題になったのが、君の趣味は? って突然聞いて本当の事を話して貰えるかどうかなんだけど、どう思う?」
「人によりけりだと思いますが。」
「ちなみに小山くんの趣味は?」
「趣味と言えるか微妙ですけど…、読書です。」
「へ~、何か印象に残っている本って有るの?」
「難しくてきちんと理解出来てませんけど、夜明け前です。」
「確かに難しいよな、文体が今のとは違うし。」
「ですよね、でも馬篭なんて幕末の動乱から遠く離れた地をメインの舞台にして幕末を描くなんて、すごいと思いました、今は公武合体とか調べています。」
「じゃあ馬篭宿とか行ってみた? 夜明け前を読んでから行くと面白い所なんだけど。」
「まだ行けてないです、ちょっと事情も有りまして…。」
「そ、そうか…、あっ、集合が掛かってるね。」
「はい、行ってきます。」

「どう思う?」
「調査で浮かび上がった子なのかは分からないけど、支援を必要としてる気がしたわ。」
「中学生で夜明け前を読んでいるし、きちんと本に向き合ってると感じたな、頭の良い子じゃないのか。」
「私、島崎藤村、夜明け前と暗記したけど本は読んでないわ。」
「ただね…、俺の勘違いで有って欲しいけど、主人公は藤村の父をモデルにしていて、狂い死にしてるんだ、彼の心に闇を感じたのは俺だけか?」
「ちょっとアザが多くなかったかしら。」
「緒方、何か理由を作って…、話を聞き出せなくても良いからさ。」
「ああ、中学生と藤村の話をするとは思ってもいなかったし…。」
「私達は、他の子からそれとなくって事かな。」
「この後は部活になるのか?」
「それぞれ得意分野への参加をお願いしてみる?」
「そうだな、でも今日は調査の事は聞かれたらぐらいにして、仲良くなるぐらいにしておこうか。」
「うん、小山くんと緒方くんのやりとり見てたら、じっくりやらなくてはいけないって感じたわ。」
「ふふ、佐々木代表がどうして私達四人を選んで下さったのか分かった気がする。」
「はは、タイプの違う四人だけど、今日初めて会ったのにチームになって来てるね。」
「調査から入ってニーズに合った支援をして行きたいって言葉の意味を噛みしめて…、良い結果をだしたいよな。」
「ええ。」
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調査部-09 [チーム桜-08]

チーム桜オフィス。

「今回の中学校訪問はどうだった?」
「佐々木代表、まだおぼろげですが問題を感じました、子ども達が問題を抱えていても教師には時間が足りてなくて対応しきれていないのではないでしょうか。」
「自分が話を聞いた子は、家庭に問題が有ってさらに学校ではいじめに合ってる様です、詳しくは聞けていませんが。」
「やはりきちんと動かなくてはいけないね、教頭の方は多少耳にしているが、面倒な事から目をそらしたいという感じだったよ、まあ調査には協力して下さると約束して頂いたけど。」
「事前調査の名目で我々学生が教室に入り込むってどうですか?」
「十八クラス有るけど、何人ぐらい確保出来るだろう?」
「教職課程を取ってる連中から真面目な学生だけを選んでも、それなりの人数にはなると思います。」
「一定期間学生が学内に留まって、見聞きした事を交換し合うだけでも、かなりの調査が出来ると思います、事前調査じゃなく本調査が出来ませんか?」
「問題は期間かな?」
「長ければ長い程、いじめにくい状態が続きます。」
「う~ん、色々な事情は有るが…、平日毎日ある程度の人数の学生を中学に送り込む事は可能かな?」
「彼氏、彼女のいる人限定にして集めてみます、しばらくは私…、中学に通ってみたいと思います、佐々木代表、先方の許可を取って頂けますか?」
「そうか、付き合ってる人がいた方がトラブルになりにくいか…、ああ許可だね…、う~ん、何とかなるだろう、花井さん、このプロジェクトのリーダーになってくれませんか?」
「はい。」
「じゃあ、俺はサブで、緒方はどうする?」
「俺は彼女いないけど…。」
「じゃあ寺田さんと付き合ってる事にしとけば良いんじゃない?」
「そんな軽く言うなよ、子ども達に嘘はつきたくないし。」
「私は…、えっと、このプロジェクトに参加中だけでも良いから、緒方くんの彼女になりたいけど…、だめかな?」
「えっ…。」
「緒方くんって意外とうぶなのね、顔が真っ赤よ。」
「花井さん…。」
「お前、寺田さんの気持ちを踏みにじるつもりじゃないだろうな。」
「こ、心の整理が…、でも…、佐々木代表、今日出会った子は何とかして上げたいと思っています。
チーム桜奨学制度の対象にするには、どんな手続きが必要でしょうか?」
「はは、一人目の候補が見つかったか、ならば俺もその子と会って話をしたいな、出来れば兄的存在と姉的存在がいると安心だけど。」
「俺、まだ寺田さんの事良く知らないですから。」
「じゃあ、今回のプロジェクトを通して知れば良いじゃないか、その後の事は俺も知った事ではないが。」
「はい…。」
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調査部-10 [チーム桜-08]

桜根オフィス。

「佐々木代表、チーム桜としては良い事なのしれませんが、調査部にとってはいささか…。」
「どうされました?」
「先日、障害者雇用に向けての調査をしたじゃないですか。」
「あれですか、詳しく調べて下さって助かっています。」
「ただ、調査に当たったメンバーが何人も障害者雇用研究チームに移籍しまして…。」
「あそこも人が足りてなかったから、喜んでいたよ。」
「一般調査員だけなら問題ないのですが、スタッフクラスの移籍は痛手でなんです。」
「そう言われると確かに、でも調査という事は比較的取っ付き易い事ですから、申し訳ないけどチーム桜の活動の入り口と考えて頂けませんか、あの調査に当たって下さった方々も始めは障害者雇用の実態を知らなかったと思うのです、調査を通してボランティアを必要としている所に人が流れて下されば、チーム桜もより強固になって行くと思います。」
「そうですね…、うちは常に増員をして行かないとだめって事ですか。」
「お願いします…、でも今回の中学校調査は調査部の被害は少なく済みそうですよね。」
「いえ、調査部スタッフにと狙ってた子が…、調査員はともかく幹部スタッフを育てるには時間も掛かりますから、それなりに優秀な子が欲しいのです。」
「分かりました、対策を考えてみます。」
「お願いします。」
「ところで、その中学校調査の方はどうです?」
「花井さん達がんばってくれてます、報告によると緒方くんは一人の生徒とかなり親密な関係を築きつつ有るそうで、すでに調査の領域を越えています、通常の調査では有ってはならない事ですけど。」
「うん、良い傾向だな。」
「ただ、その中学生が実家を離れて寮とかで暮らせないかとの打診が有りました、さすがにこちらでは何とも出来ません。」
「えっ、そういうレベルなのか…、それは調査部の範疇じゃないな…、チーム桜奨学生サポーターチームとは連絡取りましたか?」
「いえ、まだです、もう動き始めてるのですか?」
「微妙だが、今から動かす、緒方くん達からの情報をこちらへ送って下さい。」
「はい。」
「対象となってる生徒の情報は…、しばらくの間この件に関する情報はすべて私の方に流して下さい、緒方くんとも直接連絡を取りたいのですが。」
「はい、すぐ連絡します。」

「田中さん落ち込んでない?」
「落ち込むわよ…、調査部で頑張ってきたつもりだったけど、その調査結果に対してきちんとした判断が下せてなかった気がして、ただ調査するだけなら誰でも出来るじゃない、でも私は違うって考えてた筈なのに、何が大切なのか判断出来なかった…。」
「でも、佐々木代表に伝わって動き始めたのですから。」
「悔しいじゃない、本当ならもっと早く…、今回は緒方くんがいるから大丈夫だと思うけど、そうじゃなかったら無駄なタイムラグが致命傷になりかねないでしょ。」
「次に生かせって、佐々木代表ならそうおっしゃると思いますよ。」
「うん…。」

『近所で珍しく個人調査か…、えっ、対象は中学生…、成程、訳ありって事か、この前の百メートル周辺環境調査エリアから近いな、あの時に何か浮かび上がったのか…、確かにこの内容だと特殊調査員が動いた方が良いだろう、これはきっちり調べないとな、う~ん、そういえば対象家庭近くの居酒屋、最近行ってなかった、ちょっと行ってみるかな、この時間帯なら耳を澄ませているだけで…、はは、まあそこまで簡単じゃないだろうが、行ってみるか。』
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