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お祭り-01 [チーム桜-02]

話しは四月の終わり、お祭り当日に戻る。

「幸三くん、いよいよね。」
「準備にぬかりは無い筈、結構保険もかけたつもりだけど、結果は始まってみないとな。
理子の所にはずいぶんお世話になったけど、中田社長は来て下さるのか?」
「ええ、もちろんよ、ふふ、幸三くんの用意周到さには驚いていたけどね。」
「失敗したくないからね。」
「あっ地下鉄駅前からの連絡だ。」
『幸三、サプライズ出場はすべて映像のみだ、今まで頑張ってくれてたからメインスタッフには今日ぐらいゆっくりして貰ってくれ、現時点での来場者ペースだと、彼等が現場に姿を現したらパニックになる、会場分散化も早めに始めた方が良い。
緊急応援要請も必要だと思う。』
「来場者が基準値を突破したみたいだな。
真面目な内容も少なくないから、ちょっと予想外だな。」
「来場者数が増えてるんですね、ならば私は会場分散化Aへ動きます。」
「任せたよ、俺も佐々木代表とライブ中継チームに連絡を取ってから分散化Bへの指示を始めるよ、理子頼むな。」
「はい、また後で。」
「おう。」

幸三からの連絡を受けた佐々木は中田社長宅にいた。

「今回俺たちの出番は映像のみになるそうだ、緊急応援要請まで必要になるとは予想以上だな。」
「大勢の仲間が来て下さって嬉しいけど、お祭りに参加出来ないのはちょっと残念だわ。」
「桜子が突然現れたらパニックになりかねないということだから諦めてくれな。」
「遠藤、緊急応援要請をネットのライブ中継で流してくれるか。」
「了解だ、すぐ指示を出すよ、備え有れば憂いなしって事だな。」
「かなり余裕が有ると思ってたが、嬉しい誤算だな。」
「だよな娯楽系はそんなに多くないって情報も伝えたのにな。」
「チーム桜の事を真面目に受け止めて下さった方ばかりなら問題ないと思うが…。」

「中田社長、このテレビにちょっと接続してもよろしいですか。」
「構わんよ、皆今日はのんびりしてってな、私は祭りの方へ行って来るけど。」
「え~、い~な~、社長が行ってもパニックにならないんですか~。」
「はは裕子さんとは違うよ、家内と理子は現場でがんばってるけど、長女の瑠璃と三女の麗華がおもてなししたいと言ってるからよろしくな。」
「あっ、瑠璃さん私手伝いますよ。」
「ふふ理子憧れの安藤さん、その心を射止めた佐紀さんと仲良くしてたら理子に恨まれそうですから。」
「姉ちゃん、でも理子姉はちゃっかり幸三さんと仲良くなってるみたいだから大丈夫じゃない。」
「はは、そうだったわね、おっとりしてるのに、あの子…、でも佐紀さんも普段忙しくしてみえるのですから、今日ぐらいはのんびりしてて下さいね。」
「はい、有難う御座います。」
「メールが入った、オリジナルグッズはすごい勢いで売れてるそうだ。」
「みたいだな、ほら映像見てみろよ。」
「すごいな、でも整然と並んで、うんスムーズに流れてる。」
「ライブ中継で販売の流れをしっかり紹介してるからな。」
「ここに佐紀達が現れたら間違いなくパニックになる、でも俺なら大丈夫だよな。
あっ、担当から続報のメールだ…。」
「なんて?」
「それが…。」
「見せろよ…。
おっ、じゃがいも社長と美女とじゃがいもがバカ売れだってさ。
鈴木社長には連絡済ですって。」
「隆二の反対を押し切って多めに用意したんだったよな。」
「なんかなぁ~、まあ売り上げに貢献してるなら良いか…。」
「隆二が行ってもパニックになるぞ、あのじゃがいも社長、どうみたって隆二じゃん。」
「ははは。」

「遠藤、他のとこはどうなんだ?」
「ああ、じゃあ他を映す様に指示を出すよ。」

「確かに、商店街だけでは無理が有りそうだな。」
「おっ誘導が始まってるみたいだ。」
「さっきライブ中継でも情報を流したからな、中継を見てる人が周りの人に声を掛けてくれてたという報告も来てるよ。」
「公園や小学校を抑えておいたのは正解だったな。」
「ほんとに幸三は良く考えてくれてるよ、来場者が少なかったら商店街だけで開催、桜子達のサプライズライブで人を呼び込む。
まあ、これは有り得ない状況になったけどな。
多かったら学区内全域を会場にするぐらいの感覚で広げる、さらにネットのライブ中継などで情報を流して混乱を避ける。
俺の所は始めから番組を作る予定だったから、すごく手間が増えたという訳ではないし。」
「遠藤、公園の方は見れるか?」
「ああ、さっき指示は出しといたからもうすぐ切り替わると思う…。
なあ佐々木の挨拶とかは何時頃からにする?
早めに告知しておきたいんだ。」
「一回目を十二時ぐらいにして十五分ぐらい、それを十三時、十四時とかでどうかな。」
「OK、それで連絡入れるよ。」

「画面は公園に切り替わった…、おっ、第一歩は成功みたいだな。」
「うん、仲間と出会う場、祭りのメインテーマを皆さん理解して下さってる。」
「にこやかに談笑したり握手したり。」
「オリジナルグッズを手にしてる方も多いな。」
「車椅子の方のにこやかな表情…。」
「おっ、インタビューするみたいだな。」
「了承して下さった様だ。」
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お祭り-02 [チーム桜-02]

公園ではインタビューが始まった。

「こんにちは、お祭りは如何ですか?」
「楽しいですよ、ほらここにいる人達、皆さん仲間なんですよね。」
「はい。」
「始めてお会いする方々と色々お話しなんて、普段出来ない事ですから。」
「どんなお話しをされたのですか?」
「ふふ、じゃがいも社長がかわいいとか、ほらこれ、安藤社長の笑顔そっくりでしょ。」
「安藤社長はこんなの売れないって思ったそうですよ。」
「店では、どんどん売れてました。
車椅子で買いに行ったら皆さんの迷惑かと思ったのですけど、周りの皆さん気を使って下さって、人の多い所で楽しくお買い物が出来るとは思ってなかった事です。」
「有難う御座いました。」

「私も少し話しをさせて貰っていいかな。」
「はい、お願いします。」
「ここへ来るまでは、仲間って実感無かったんですよ、もちろんチーム桜の事は自分で調べて登録もしたんですけどね。」
「有難う御座います。」
「来てみたら、始めて会った人達も普通に声を掛け合っていてね。
しかもこれだけの人数だから、誘導に人手が足りてないと感じた人達が自然と手伝い始めてたのですよ。
それを見た高校生の息子が自分も手伝って来るって、息子の意外な一面を見させて貰ったって感じで嬉しかったです。」
「助かっています、予想の最大人数を越えてしまいました、皆さんにご迷惑をお掛けして申し訳有りません、今応援要請を出していますから何とか…。」
「な~に、逆に嬉しいじゃないか、お互いがんばろうな。」
「はい、有難う御座います。
ここで運営サイドから情報が入りましたので画面が切り替わります。」

「ライブ中継をご覧の方にお知らせが有ります。
祭りが大盛況になりまして感謝しております。
本来なら佐々木代表が現地でご挨拶させて頂くべき所ですが、人の多さに危険が伴うと判断させて頂きました。
申し訳ありません。
その代わりと言ってはなんですが、このライブ中継の十二時から十五分程度、佐々木代表他に出演して頂く事になりました。
その後は十三時、十四時、十五時、十六時各十五分程度を予定しています。
この部分を中心に編集した動画はチーム桜の動画サイトで閲覧して頂ける様にします。
明日の夜九時を予定しています。
また今回の模様は地元放送局のニュース番組等で本日の夕方から明日にかけて紹介して頂く事になっておりますのでよろしくお願いします。
この後はチーム桜オリジナルグッズショップからとなります。」

「グッズ販売の状況をお知らせします…。」
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お祭り-03 [チーム桜-02]

中田社長宅。

「おい、グッズは祭りで売れ残ってもいずれ売れるからって、かなり多めに用意したんだよな。」
「それが売り切れそうな勢いか。」
「隆二、増産体制はどうなんだ?」
「簡単には行かないよ、これだけの来場者、これだけの売り上げは誰も予想してなかった。
難しいのは今日沢山売れて、欲しいと思って下さった方々に行き渡ったのか、まだまだ売れるのかという見極めだな。」
「祭り会場に来て下さった方は登録者の何%ぐらいなんだろう。」
「はは、それは無意味みたいだぞ。」
「えっ?」
「見てみろよ登録者が増え続けてるんだ。」
「ネットライブ中継を見て下さって登録とか、実際に会場を訪れてから登録して下さった方もみえるんだろうな。」
「十二時からは、まずお礼だな。」
「ああ、ちょっとリハやっとくか?」
「遠藤、この部屋でやるのか?」
「うん…、瑠璃さんこの部屋には色んな人が来てますか?」
「そうですね、多い訳ではないですけど私の友人達も…。」
「場所が特定されるのはまずいから、大道具に連絡入れるよ。」
電話をかける遠藤。

「遠藤も社長が板に付いてきたな。」
「まあな、俺がどっしり構えてないと、皆が不安になるだろ。」

しばらくして桜舞い散るカーテン生地を手に大道具担当が準備を始める。
佐々木達は打ち合わせを進めていた。

遠藤に連絡が入った。
「十三時の二回目からは質問に応えて欲しいということだけど良いかな。」
「どんな質問かにもよるけど…。」
「隆二、何か問題でも有るのか?」
「いや、単に嫌な予感がするだけだ。」
「心配性なんだな。」
「ま、質問は適当に整理すれば良いさ。」
「なら良いか。」

十二時からの中継放送は佐々木の感謝の言葉に始まる。
多くの来場に対して、また学生に対して流した緊急応援要請に反応して、誘導等を手伝って下さった方々へ、感謝の気持ちを伝える。
そして隆二の謝罪の言葉で終わった。
来場者数の予測の甘さ、グッズの売れ行き予測の甘さの全責任は自分に有りますと。

それと前後して彼らに対する質問がスタッフを通して寄せられていた。
「これって、運営スタッフの連中、質問を意図的に選んでないか?」
「隆二あきらめろ、チーム桜発足発表時の熱弁は多くの人の心にだな。」
「でも佐紀との事ばかりじゃないか、これじゃあ佐紀が…。」
「そりゃ、チーム桜発足時の会見、佐紀は隆二しか見てなかったからな。」
「いきなり現れた美女とじゃがいも。」
「隆二、私は構わないよ、十三時からは私の独演会でも良いわ。」
「うん、それで行こうよ、それとも他に好きな子でもいるのか?」
「そんな訳ないだろ。」
「う~ん、じゃあ横にじゃがいも社長人形を置いての十五分で良いかな?」
「佐紀、十五分って結構長いぞ。」
「たぶん大丈夫、他の話しも入れるから。」

十三時、佐紀が一人で話し始める。
チーム桜に対する想いをひとしきり語った後。
「ずいぶん多くの質問を頂いたことに関してですが、私はアイドルでは有りませんので男女交際は禁止されていません。
まあ、うちのアイドル系の子達も禁止されてませんが。
私達の年齢で彼氏がいないなんて、逆に不自然じゃないですか?
私は安藤隆二が大好きです。
変な噂が流れているようですが、惚れたのは私です、だってあんなに器の大きい人と出会ったのは始めてでしたから…。」
そこからは若干のおのろけ話しも交えながら話すも。
「私達の一つの目標として、若い世代が安心して結婚し子どもを生み育てる事の出来る環境作りという事が有ります。
それに向けての取り組みも始めています。
詳しくはチーム桜のサイトや花を咲かせましょうなどで紹介していますので、ご理解とご協力の程、よろしくお願いします。」

佐紀の話しに対する反響は大きかった。
じゃがいも社長がうらやましい、という声も有ったが、概ね好意的に受け止められたようだ。
「書き込みを見てる分には、今で良かったのかもな、佐紀の人気が高まってから多くの男性を落胆させるよりは。」
「女性からの声は、堂々としててカッコいいって感じのが多いよ。」
「隆二、良かったな。」
「はは…。」
「十四時は誰が出る?」
「そりゃ、裕子と桜子でしょ、質問も沢山来てるしね。」
「良いわよ、桜子少し演奏する?」
「やりますか。」
「裕子は?」
「小さな動きで表現してみようかな。」
「おっ、新作?」
「まあね。」
「じゃあ、十五時以降で真面目系の質問に答えていこうか。」
「だな、内容をまとめておこう。」
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お祭り-04 [チーム桜-02]

祭りのブースは楽しむものと真面目なものとが混在している。
公園の一角では、環境の変化と少子化、と題してデスカッションが行われている最中。

「科学的な裏付けが有る訳では無いのですが、ゲーム機の普及が人間関係に与えた影響は少なくないと思うのです。
観光地へ行ってもゲーム機を手放せない子ども達を目にすると、これで良いのかって思います。」
「自分のかつてのクラスメートには、ゲームにはまり過ぎて学校にまともに来なくなった人もいます。」
「確かに問題有りそうですね、ただここまで人の生活に浸透してしまっていると、簡単には否定出来ませんよね。」
「彼氏彼女が居なくてもゲームが有ればということでしょうか? まあゲームだけでもないのでしょうが。」
「人間の、というより生き物の本能の部分、子孫を残すという事が崩れてきてる訳ですから、もっと研究する必要有りませんか。」
「行き過ぎた競争社会が生み出した非正規雇用の拡大が結婚、出産を躊躇させてると思ってましたけど、それだけでも無いってことですね。」
「本来なら、より良い子孫を残す為に、より優れた配偶者を求めて競争するのが生き物の本能でしょう、ただ親になるまでの生存率が高い生き物ほど少子になります。
マンボウは1回に約2億8千万個の卵を生むと聞いた事が有ります、でもその内、親になるのは一、二匹とか、それと真逆なのが今の日本、我が国の少子高齢化は自然の摂理なのでしょうか。」
「豊かな国になった反面、子育てに費用が掛かり過ぎてる…、問題は色々有りそうですね。
環境がどう変わって、それがどんな影響を及ぼして、このまま老いた国となってしまうのか調べる必要は有ると思います。」

「ここで、ご来場の皆さんからのご意見も頂きたいと思うのですが、如何でしょうか?
あっ、どうぞ。」
「子ども達向けには、延々と続くゲームは問題が有ると思います。
せめてプログラムで一日のゲーム時間を区切るとか、だらだら続くのではなく、一日の一定時間内で勝負するとか…、まあ複数のゲームソフトをはしごしたら意味ないかもしれませんが。」
「はい、どうぞ。」
「それでも若干の抑止にはなると思います、ゲーム機自体に何らかの制限機能が有っても良いと思いますが。
その効果等は、チーム桜のメンバー内で調査研究は可能じゃないでしょうか。」
「よろしいですか?」
「はい、どうぞ。」
「現実逃避の場としてゲームを利用してる可能性はどうでしょうか。」
「そうですね、逃避したくなる現実にも問題が有りますよね。」
「色々な意見が出てきてますので、グループデスカッションに移りたいと思います、皆さん、如何でしょうか?」
「頷いておられる方も多いですから始めましょう、ただ実験的に皆さんの立場を隠した状態でってどうです? 
お仕事、信条それぞれ色々だと思うのですが、あえて表に出さない状態で討論が出来ればと思うのですが。」
「賛成だよ、その方が純粋な討論が出来そうだ。」
「後でバラしてびっくりも有りかな。」
「ではグループ分けはどうしますか?」
「まあ、近くの人とかでどうかな、グループ分けに時間を使いたくないし。」
「特に反対がない様ですので始めましょうか、主催メンバーも参加しましょう、OKかな?」
「OKです。」
「では有る程度の所で時間を区切りますのでお願いします。」

別の一角ではモデル地区での活動について質疑がなされていた。
答えているのは婦人会幹部。
「モデル地区としての負担は有りませんでしたか?」
「この地区は市内でも比較的恵まれた環境だと思います。
婦人会中心に学生達のフォローに入る事が出来るだけの余裕が有りましたから。
実際モデル地区として動き始めてからは、負担と言うより楽しい事の方が多かったです。
学生達と共に働くという事は私達にとって良い刺激になっていますから。」
「ここでの活動を他の地区でも、という事は可能でしょうか?」
「組織がきちんとしている所なら問題は少ないと思います。
震災被災地の復興を見ていても、組織がはっきりとした方向性を持って活動している所は結果が早めに出ていると感じています。」
「モデル地区としての成果は感じてますか?」
「まだ少しずつですが感じています、今はまだ婦人会が中心という感じですが、男性から参加したいという声も出始めています。
今後の展開も学生と共に発信して行きますので、見守っていて頂きたいです。」
「うちは田舎なのでずいぶん環境が違うのですが、ここと繋がって行く事は可能でしょうか。」
「すぐにというのは難しいかもしれませんが、いずれは。
学生達とも色々な可能性を検討しています、チーム桜のメンバー同志が手を取り合って協力していくことが大きな目標ですし。」
「綺麗な町という印象を受けましたけど、やはりボランティアの力なのですか?」
「はい、始めは学生からの提案だったり、実際に学生がらみで綺麗にして頂いたりしたのですが、それに影響を受けて掃除ボランティアの活動が活発になっています。」
「でも単なる労働奉仕で長続きしますか?」
「掃除をした後は親睦会とか、働くだけでない付加価値を感じて頂けるようにしています。
時には学生との交流も有りますから、楽しく掃除をしてますよ。」
「掃除ボランティアは運営上の問題点とかないのですか?」
「まだ始まって間がないですから、小さな反発は有りますけど今の所何とかなっています。
基本的に参加を強要していませんが、仲間はずれは嫌だけど掃除はしたくないみたいな声は有ります。
ただ今後は分かりません、続けて行くと思わぬ落とし穴が有るかもしれません。
今の所はチーム桜として結束が強まっていますから、問題が発生しても解決出来るかと思っています。」
「ウエブサイトを見ると、かなり社会問題の調査もされているのですね。」
「はい学生達の研究でも有りますので。
調査結果を踏まえて学生達と問題解決の糸口を探っています。」
「自分は福祉関係で働いていますので、共通する問題も有ると感じました。
機会が有ったら、会合などに参加させて頂けたらと思うのですが如何でしょうか。」
「はい、では連絡先など…、あっ、そこで手を上げてる子の所へお願いします。」
「通学路の安全確保は…。」

来場者からの質問は絶えない。
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お祭り-05 [チーム桜-02]

小学校では、株式会社桜総合学園芸能部所属の若者達が、地元サークルの方々と。

「まずは桜総合学園芸能部の紹介をさせて下さい。
私達の芸能部にはバイオリンの滝沢桜子や橋本裕子が所属しています。
所謂芸能事務所とお考え下さい、株式会社桜総合学園制作部と同様、株式会社桜根の傘下です。
私達はまだ未熟ですが、チーム桜の活動に貢献出来るようがんばっていますのでよろしくお願いします。」
「私達は、この地区のサークルで活動しています、今回はチーム姥桜として若い子達と楽しませて頂いております。」
「まずは一曲どうぞ。」
地元のコーラスサークルと学生による混成の混声四部合唱に始まり、色々なパフォーマンスが披露された。
ずいぶん年の差のあるコラボを、チーム姥桜のメンバーは楽しんだ様だ。
その後。

「ここからしばらくはクラシック音楽を演奏させて頂きます。
正直申しまして私達の力量は皆さんがCDで聴いておられる様な名演奏家の足元にも及ばないだけでなく、一流の音大生と比べても劣ります。
でも、動植物園での活動、それによって増やして頂けたお客様を前にしての演奏機会を通して、また違った活動を考えております。
まずはベートーベンの主題による変奏曲です、よろしくお願します。」

誰しもが聴いたことの有るメロディー、それがふと気付くと全く違う曲になってる、そこに色々工夫がなされていて楽しい曲となっていた。
聴衆からは大きな拍手。

「有難う御座いました、私達芸能部の事をもう少し話させて下さい。
今は、色々な分野で上を目指そうと思うと東京へ行かないと難しい面が有ります、もちろん地方でがんばってらっしゃる方もみえますが、地方ではハンデが有ると思います。
芸術を始め色々な分野の中心が東京に一極集中しているのが現状です。
人もお金も東京に集まってしまっていますから、地方がさらに弱くなってしまう、この現状に対抗して行く事も桜総合学園芸能部の目標です。
まず名古屋の文化レベルを上げ、それから各地方で活躍してらっしゃる方と手を取り合ってと考えております。
その第一歩として地元演奏家の演奏する機会を増やして行こうと考えています。
皆さんご存じの通り、滝沢桜子中心の演奏会は三公演ともチケット完売となりましたので、追加公演やまだマイナーな私どもの演奏会なども企画させて頂いております。
よろしくお願いします。」

沸き起こる拍手。
「がんばれよ~!」
「応援してるぞ!」
「君達の演奏会なら行くよ~!」

スピーチをしたチェリストは少し涙ぐみながら。
「有難う御座います、次の曲はサンサーンスの白鳥みたいな曲です。」

演奏は聴き慣れた静かな曲ではなくずいぶん元気に始まる。
その演奏に合わせコミカルに踊りだしたのは、白い衣装でないところを見ると白鳥の子をイメージしている様だ。
曲も白鳥とは全く違う曲に変化したりしながら…、踊り手も変わったりしながら…、最後は聴き慣れたゆったりとした演奏で終わる。

大きな拍手。
演奏家が変わり、次の演奏へ。
前の演奏に負けまいと皆真剣だ。
練習も大切だが、客を前にした本番を経験することの意味は大きい。
この一年近くの間、動植物園などでは、時に数名の客の前で演奏した事もあった。
だがその活動を通してホールでの演奏会に足を運ぶ人が増え、演奏会の回数を増やす事に繋がった。
そんな中から、ベートーベンの主題による変奏曲やサンサーンスの白鳥みたいな曲が生まれてきたのは、遠藤社長からの付加価値を見つけるという言葉による。
歌が下手で、さほど美少女でなくてもアイドルと名乗っていれば、何となくファンが出来る世の中。
色々工夫してクラシック音楽に興味のなかった人にアピールして行くのも面白いのではということだ。
もちろん彼等にも葛藤は有る、演奏をする者としては大作曲家の曲をきちんと演奏して評価を得たいのは当たり前だ。
だが、まだそこまでのレベルにはないと自覚してる。
彼等なりの挑戦は少しずつ形になり始めた所だ。
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お祭り-06 [チーム桜-02]

緊急応援要請に応えた学生達が誘導に加わり始めて十一時頃には会場が落ち着き始めた。
朝から動いて来たスタッフには交代で休憩する様指示が届く。

「手伝ってくれて有難うな、助かったよ。」
「いいえ自分も仲間ですから当たり前の事です。」
「今更だけど、俺は本田祐樹、大学三年生だ。」
「自分は山田篤、高校二年生です。」
「もし良かったら、おにぎりの用意が有るけど食べに行かないか、君の分も用意して有るんだ。
お店の方は大変そうだからね。
まあ、おにぎりじゃお祭り気分じゃないか。」
「いいえ、お祭り気分は人の多さで充分です。
それより、チーム桜の事、もっと知りたいです。
花を咲かせましょうは創刊号も二号も読みましたけど、実際に大学生の方のお話しを聞けたらと思って来たんです。」
「そうか、じゃあ集会所へ行こう。」

集会所でおにぎりを受け取り公園で食事を取る本田と山田。
「昼食の準備も大変そうでしたね。」
「ああ、余ったら自分たちの夕食にするぐらいのつもりで増産してるってさ。」
「どこで作ってるんです?」
「大学と地元婦人会の方のお宅とか、あちこちで来場者向けに販売もしてるからね。」
「どうして、これだけの反響が有ったのですか?」
「色々有ると思う、今までだって社会問題に関心の有る人はいただろう。
でも、そこに関わって行くのは大変な事だからなかなか動けなかったと思うんだ。
その点チーム桜は参加し易い体制を作っている。
まあ動機は人それぞれだろうけどね。
裕子さんや桜子さんに憧れてという人もいるかもしれない。
佐々木代表や安藤社長の話しに心を動かされた人もいるかもな。」
「自分もそうです、でもクラスの連中はあまり興味がないみたいで。」
「高校生だとそんなものかもな。」
「大学受験の事が気になってると思います、自分は高校を卒業したら就職するつもりですから…。」
「そうか、就職って色々考えるよな、不安も有るし、その部分では俺達同じだな。」
「そうですね。」
「どんな職種を考えてる?」
「ぼんやりとは、工場で働くのかな~とか、でもきついのかどうかも全然分からないんで。」
「だよな、俺はチーム桜の会社体験実習を考えてるけど…、高校生向けって見てないな、山田くん、もし工場体験の場が有ったら経験してみたい?」
「はい。」
「ちょっとメールを…、う~ん誰に入れれば良いのか…、今日は皆忙しいだろうから、新規企画受付へ入れてみるか…、山田くん、家はここから近いの?」
「はい、隣の学区です、今日は歩いて来ました。」
「後でメアド交換しないか。」
「お願いします。」
「おっと実行委員会からメールが届いたから返信させてくれな。」
「はい。」

「応援が増えてるから、ゆっくりさせて貰えそうだよ、俺達も会場を回って気が付いた事が有ったら連絡して欲しいってさ。」
「どこへ行きます?」
「まずは公園が近いから行ってみないか。」
「はい。」

しばらく公園の様子を見て回る。
そこへ本田の携帯が鳴った。
新規企画受付担当から中田社長宅へ二人で向かう様指示。
場所の説明と他言無用と伝えられた。
「なあ中田さんちまで二人で来て欲しいってさ、良いかな。」
「はい。」
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お祭り-07 [チーム桜-02]

中田社長宅。
二人を出迎えたのは安藤隆二だ。

「今日は有難うね、山田くんも手伝ってくれて嬉しかったよ。」
「は、はい…。」
山田は緊張している、テレビで見たチーム桜のメインスタッフが揃っているから当たり前だろうが。
「ね、高校卒業したら就職ってことだけど、夏休みでも利用して幾つかの会社を体験してみないか?」
「はい安藤社長さん、チーム桜関連ですね。」
「ふふ、山田くん、そういう時は安藤社長か安藤さんって呼ぶのよ。」
「はい。」
「高卒募集してる所ならサポートカンパニーでも構わないから希望を出してくれないかな。」
「え~っと、まだぜんぜん分かんなくて…。」

「あっれ~、山田くんじゃないの。」
「あっ、ここ中田さんちだったのか。」
「えっ、山田くんは麗華ちゃんのお知り合い?」
「はい中学の同級生なんです、小学校は違うんですけど。」
「へ~、そうなんだ。」
「自主的に手伝ってくれた高校生って聞いたけど、相変わらず真面目なのね。」
「はは、そうなんだ、山田くん進学とかは考えてないの?」
「いえ、そんなに頭良くないし。」
「そんな事ないでしょ、何時も私の倍ぐらいの点数じゃなかったかしら。」
「えっ麗華ちゃん、成績良く無かったの?」
「はい、姉達とは違いまして。」
「でも中田さんは何時も明るくて元気だったよね、今も?」
「まあ、それしか取り柄がないっつうか、そうだ山田くん、会社体験するなら中田工業も体験しなよ、小さいけど良い会社なんだぞ。」
「うん。」
「じゃあ中田社長が帰られたら相談してみようか。」
「高卒の離職率は大卒より高いんだよな。」
「大学生にしたって世の中の事何も分からずに就職するする人、少なくないんだから仕方ないんじゃない。」
「でも離職した後、うまく再就職出来れば良いけど、失敗すると非正規雇用から抜け出せなくなるってことだろ。」
「何とかしたいよな。」
「まずは…、おっと御免な山田くん、会社体験してもそこに就職しなくちゃいけないって事じゃないからね。
逆に就職したくなっても、その会社の事情も有るから、そこへは就職出来ないかもしれない。
でも実際に体験しておく事は就職を考える時にプラスになると思うんだ。
で、俺達も高校生の会社体験という企画は初めてなんで充分フォロー出来ないかもしれないけど、大丈夫かな。」
「はい部活もそんなに活発な部では有りませんし、チーム桜関連なら興味が有りますし。」
「もし良かったら、自分も同じとこで体験ってどうですか?」
「そうか本田くんも会社体験希望だったんだな。
一人では心細いだろうから、考慮させて貰うよ、まだ一般の高校生からの参加募集を出来る状態ではないからね。
じゃあ、うちの担当から連絡入れさせて貰うよ、不都合な事が有ったら断ってくれて構わないから頼むな。
担当にメール入れておくよ、連絡先を教えて貰っていいかな。」
「はい。」

「えっ、もうメール送っているのですか?」
「ああ、すぐやっとかないと作業が遅れるし、忘れると行けないからな。」
「そうだった、安藤社長は同時進行で幾つもの事を動かしているのですよね。」
「実際に動かしているのはそれぞれの担当者だけど。」
「そう言えば自分たちも、ここへすぐ呼んでくれて。」
「ああ、祭りがきっかけとなって色々な動きが有ってね、俺も一つぐらい進めたいと思ったのさ。」
「色々な動きですか?」
「来場者とスタッフ、来場者同志とかで話し合いが進んでいるんだ、多くの方に来て頂いた事も嬉しいが、仲間同士の繋がりが深まって行く事は本当に嬉しいよ。
意見が違ってもモラルを守る方ばかりだから、特に問題も起きてないし。」
「じゃあ祭りは成功という事ですね。」
「ああ、俺の読みが甘くて皆さんに迷惑をお掛けしてしまったが、入って来てる報告からすると成功と言って良さそうだ。」
「良かった、自分は難しい事は全然分からないんですけど、世の中が良くなる一歩なんですよね。」
「ああ、そうであって欲しいな、山田くんは今の世の中に問題を感じているのかな。」
「うちは…、あまり余裕がなくて…。」
「あっ、ごめん、う~ん、でももし良かったら色々教えて貰えないかな、えっと一番話し易いのは…。」
本田の方に目をやる山田。
「本田くん、良かったたら山田くんの話しを聞いてあげて欲しいけど、どうかな。」
「もちろんOKですよ、一緒に会社体験するかもしれない仲間ですから。」
「じゃあ頼むよ。」

麗華が二人を別室へ案内する。

「山田くんの家は要支援家庭じゃないのか、佐紀どう思う?」
「可能性有るわね、本田くんの報告を待って…、隣の学区だけどここのチームに協力要請するわね。」
「ああ頼むよ、でもあの二人出会って間が無いのに兄弟みたいな感覚なのかな。」
「仲間同士という事に間違いはないわね。」
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お祭り-08 [チーム桜-02]

商店街。
お祭りだからもちろん食べ物が売られたりもしているが。

「なあ気付いたか?」
「何を?」
「ごみさ。」
「ごみ? そんなに…、いや落ちてないな。」
「スタッフにごみの処理が分かり易いよう表示してあるからか、これだけの人数が色々飲食してるのにごみ置き場が整然としているだろ。」
「確かにそうだな。」
「見てると来場者の皆さんが整理して下さってるだけでなく、ほら溜まったら持ってく場所も表示してあるからか、どう見てもスタッフじゃ無いような方が運んで下さってる。」
「あっ、ほんとだ俺手伝ってくるよ。」
「俺も行くよ。」

「有難うございます、自分代ります。」
「はは気にするな、わしもチーム桜の一員だからな、気分も良いし。」
「気分が良いって?」
「ほら、ごみがきちんと整理されている、これはリサイクルだろ、可燃ごみを極力減らす工夫もしてるし、何よりもどう見たってスタッフじゃない連中が自然に整理してる。
チーム桜の仲間たちがモラルを守る人達ばかりだからじゃないのか?」
「そうですよね。」
「モラルを守れる連中がまだこんなにも大勢いるんだぞ、これが嬉しくない訳がないだろう。」
「そうかモラリストばかりの集まり、チーム桜の方向性って他人を思いやる気持ち…。」
「佐々木代表や安藤社長が、まず仲間になって欲しいって語ってた…。」
「若者達が立ち上がってくれたんだ、わしらがんばらんとって気分に、どうじゃお主等から見て、先頭に立っとる奴等は。」
「すごい人物だと思います、きっと良い方向に自分達を導いて…、じゃなかった自分も仲間として支えて行きたい存在です。」
「よし、お主等はここのスタッフなのか?」
「はい、ただ自分達の責任部分は終えまして、後は片付けを手伝おうかと思ってた所です。」
「ならば多少の時間は有るのか、良かったらこの年寄りに付き合ってはくれんか。」
「はい大丈夫です、自分もチーム桜の仲間と交流したかったですし。」

「わしは今時の若者がこんなに参加するとは思ってなかったんじゃ。」
「そうですか、でも多くの大学から集まっていますから、一つの大学からの参加率は決して高くないんです。
もちろん大学によってばらつきは有りますが。」
「なるほど冷静に見てるんじゃな、ではチーム桜は成功すると思うか?」
「思うというより、成功させたいという気持ちが強いです。
佐々木代表や安藤社長達が動いてくれなかったら、サポート企業の協力がなかったら、始まらなかったでしょうし、そして橋本裕子さんや滝沢桜子がいなかったらこんなに早くは進まなかったと思うのです。
いくら個人が仲間作りと考えても、宗教も政治も関係せず、個人の欲得を目的としない活動なんて無理だと思います。」
「確かにそうだな、でもいずれは政治にも目を向けて欲しいとは思うがな。」
「はい、そういう声は上がっています、党利党略私利私欲の政党では明るい未来は見えてこないと言ってる人もいまして。」
「だな。」
「政治に参加する時は既存の政党に乗っかるのではなく我々の政党を立ち上げるべきだということで、研究を始めてる連中もいます。」
「うん、これからの世の中は若いもんが作ってかないかんからな。」
「大人の目から見てチーム桜はいかがですか? まだ未熟な学生が中心ですけど。」
「真面目にやっていれば結果も出てくるじゃろうな。
視点を高く持って…、あれは安藤社長の言葉じゃったか、ほら、家族が大切、学校や会社の仲間も大切だけど同じ町に住む人、同じ国に住む人達だって大切な仲間、そしてって…、学生の口から出て来る様な言葉じゃないぞ。」
「ですよね、そしてそれを少しずつでも形にして行きたいって、自分達も桜根関連で働いて手伝って行きたいと考えています。」
「よし、じゃあわしは桜根の株主にでもなるかな。」
「あっ、有難う御座います。」
「どうじゃ配当は。」
「告知させて頂いてる通りすぐには難しいかもしれませんが、桜根関連の皆さんがんばっておられますから…。」
「はは、配当なんてどうだってええわい。
でも一度は安藤社長と話しをしてみたいもんじゃな。」
「ですよね。」
「どうじゃ一億ぐらい出資したら会ってくれるじゃろか?」
「えっ、それって真面目な話しですか?」
「もちろん、足りんかったら二億でも構わんが。」
「ほんとに真面目な話しだったら、すぐ連絡を入れますが…。」
「疑い深い奴じゃな、ほら名刺。」

「えっ、今すぐ連絡します…、えっと誰に…。」
「幸三先輩に取り次いで貰えば良いんじゃないか。」
「ああ、そうだな…。」

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お祭り-09 [チーム桜-02]

学校や公園でのプログラムは十六時で終了、その撤収作業は早かった。
普段は静かな住宅街なので撤収に時間が掛からないよう調整してあった事と、来場者が率先して手伝ってくれた事が大きい。
作業終了後、集会所には地元の男性が数人集まっていた。

「何か良く解らないまま手伝ったけど、もしかしてとんでもない事に参加してるのか?」
「はは、安っさんは母ちゃんに引っ張り出されたんだな。」
「そんなとこだ。」
「まあ、ちょっと酒持ってきたから、久しぶりにどうだ。」
「おう、つまみはうちのがもうすぐ持って来るからな。」
「お前らは前から知ってたのか?」
「ああ、うちの会社はチーム桜サポートカンパニーだからな。」
「俺んとこは旗艦会社の中田工業だからね、大勢の来場が有って中田社長嬉しそうだったよ、ビールは社長からの差し入れだ。」
「俺はモデル地区になるって聞いて色々調べたよ、ちょっと血が騒いだな。」
「どうなんだ安っさんは良く解ってないとはいえ、俺達は学区の活動に協力してきた訳だろ。
これを機に協力者を増やしたりとか出来んかな。」
「武さんから同窓会を開かないかという打診が有ったな。」
「バラバラでやるのか、合同でやるのかって事だけど。」
「俺のクラスは、何時も幹事やってくれる奴が今日来てた、チーム桜に登録したって言ってたぞ。」
「結果はともかく動いてみるか?」
「そうだな、地元に残ってる連中は多くないかもしれないが…、うちは兄貴が今日帰ってきててな、もうすぐ定年なんだけど、かなり興味を持っていたから手伝ってくれるかもしれない。」
「昔はもっと地域の行事とか有ったよな。」
「ガキが小学生の頃は地域との繋がりが有ったけど。」
「祭りも有ったよな。」
「もし大災害が起きたら力を合わせなきゃいけない、とか考えたら、転入してきた人達とも…、少しぐらいは面識が有った方が良くないか。」
「まあ、強制は出来ないけどな。」
「次の祭りは何時なんだ? 祭りきっかけで地域の繋がりが出来んかな。」
「今回の来場者数は限界だったんじゃないか?」
「ああ、チーム桜のメンバーばかりだったからなんとかなった、ここで知り合った人と自主的に周辺へ散らばって下さった方もかなりの人数だったみたいだよ。」
「次回って分からないよな、今回より減るのか増えるのか。」
「増えそうなら周辺の町内とも調整して、広いエリアで開催か、別の場所と同時開催か。」
「お前ら次回やる事前提で話してないか。」
「えっ、もちろんやるだろ。」
「婦人会の方も結構な収入があって、福祉関係の活動資金が出来たって喜んでいたからな。」
「商店街も…、ずいぶん寂れたけど、あそこが人で埋まるとはな。」
「チーム桜関連の店も出来た事だし、もうちょっとましに出来んか?」
「大手スーパーには勝てないからな。」
「学生達とも相談して客を呼べる店を作ってみたい気もする。」
「そんな資金どこに有るんだ?」
「う~ん、ま、色々考えて、また…、ここに集まるか?」
「集会所で飲み会も悪くはないが、居酒屋の方が良くないか。」
「うちのは近くだから安心だって言ってた。」
「確かに歩いて帰れるから気楽では有るな。」
「じゃあ次の土曜日ここでな。」
「えっ、決めちゃうの?」
「ああ、それまでにちょいと根回ししたり。」
「お前、なんか企んでるな。」
「まあな。」
「なら、今話せよ。」
「だ~め、来週のお楽しみって事だ。」
「ふむ、俺もちょっと呼びたい奴がいる。」
「同窓会のことも有るしな。」
「じゃあ決定ということで。」
「え~、何か全然分かんないんですけど。」
「安っさんは酒を一本手にして、ふらりとやってくれば良いのさ。」
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お祭り-10 [チーム桜-02]

商店街でのプログラムが全て終了し後片付けが済んだ後、武の新聞店。

「武さん大盛況でしたね。」
「幸三、良かったな、隆二達も喜んでいたよ。」
「隆二って安藤社長ですか?」
「ああ、皆でこちらへ来ると連絡があったから…、もうすぐかな。」
「えっ、まだ残ってる人多いですけど大丈夫ですか。」
「まあ彼等も祭りの余韻ぐらいは感じたいだろうからな、適当に分かれて来るらしい。」

「こんにちは。」
「おお、隆二と佐紀さん、いらっしゃい。」
「武さん有難う御座いました、今までに入った報告からすると祭りは成功と言えます。
あっ、幸三も来てたのか、有難うな幸三、君がいなかったら大変な事になっていたと思うよ。」
「いえいえ、皆さんのおかげですよ、文字通り。」
「はは、確かにそうだな、来場者が後片付けする祭りにはなかなかお目に掛かれないと思うぞ、隆二、この成功を踏まえてどう展開していくつもりなんだ?」
「色々な事が一気に動きそうですので、もう一度チーム桜の組織作りやルールについて発信していきます。」
「さすがに人数が増えてくると大変だろうな、色々な人がいる訳だし。」
「はい、でも今日の様子を見ていると何とかなりそうな気もしています。
佐々木とやった、反対の視点からも考える、という事が結構浸透していたそうです。」
「あれは面白かったな、二人真逆な意見を出し合っていたのが、突然立ち位置を交換してしまって、さっきまで自分が主張していた意見に反論をし始めるんだからな、しかも二人とも説得力が有るから、どちらが正しいかなんて判断できないし、結論として正しい意見は一つとは限らない、両方間違っているかもしれないって、あれを見せられては自分の意見に固執出来なくなるわな。」
「モラリストの率が非常に高かった訳ですから、必要なかったかもしれませんけどね。」
「そうだな、佐紀さんは何か気付いた事とか有る?」
「そうですね、中継を見ていた中では握手が印象的でした。」
「仲間という意識も浸透しているだろうな。」
「初めて会って自己紹介して握手、接点を感じた人とはしばらく会話して。」
「中継では伝わらなかったかもしれないが、かなり長時間話し合われた方々も、まあ今も続いているけどね。」
「問題はこれからですね、この祭りをきっかけにチーム桜がどこまで大きくなって行くか。」
「だな、俺は初めて君達に会った時からどきどきしてるけど、今はさらに、歴史的瞬間に自分が立ち会わせて貰ってると感じているよ。」
「この祭りを何年後かに振り返った時、そう思えたら素敵ですよね。」
「この後はどうするの?」
「少し商店街を歩いてみようかと。」
「まだ人はいるけど、まあモラルは守って下さるだろうから、一応俺もガードでついて行くよ、幸三も行くか。」
「はい、理子も待ってますから。」
「はは、若いっていいね~。」

商店街ではあちこちに輪が出来ていた。
佐々木達も分かれて輪の中に。
隆二と佐紀も。
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