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コンコン [ピッケとおにい 2015]

「コンコン。」
耳元でのコンコンというささやき声におにいは振り返った。
「あっ。」
振り返ったおにいの顔は微妙に変化していく。
「こんこん。」
その小さな訪問者は今度はひらがなで、そして少し大きめの声でつぶやく。
「あっ、いやそのあの、いらっしゃい。」
分かり易く言えば取り乱しているようだ。
「コンコン。」
何か怒ってる、と訴える様に、だが大声を出すでもなく…。
コンコンという言葉にどんな意味があるか不明だ、ただそれがかえって相手に対する威圧感を増大させていることは事実だった。
「その、そう、え~っと、忘れてた訳じゃないんだ。」
「こんこん。」
「ごめんなさ~い。」
どうやら、おにいはその圧に耐え切れなくなったようだ。

「ようやく分かったの?
そんなに鈍くて、あたしの僕としてやっていけるのかしら。」
「は、はい?」
「ま、いいわ、まずはローズティー、と金平糖お願いね。」
「えっ?」
「まさかないなんて非現実的なこと言わないわよね。」
「その、まさかで…。」
「それで、ピッケ ピカリクス ピッコローネ ピットネット 13世の僕が勤まると思ってるの!」
「た、たしかこの前は、ピッケで…、姿は同じだけどいささか…。」
「あら、あたしが昔のままだと思うの?
地球は回っているのよ。」
「昔って、前に会ってから一週間ぐらいだと思うけど…。」
「あら、あたしに口答えかしら?」
「い、いえ、めっそうもない。」
「ではすぐ用意なさい。」
「は、でも…。」
「いち、にっ、さん…。」
これは意外と大きなプレッシャーになるようだ…な。
「か、買ってきま~す。」

ドタドタドタ、バタン。

~~~~~~~~

あ~、すっかり忘れてた…。
オーデションの後は、佐藤二郎さんに活躍していただいていたからな。
しかしピッケはワイングラスに入るぐらいちっちゃくて羽があって、メルヘン系で行く筈だったのに、どこでどう間違えたんだろう…。

うん、このお店ならあるだろう。
ローズティー、ロ-ズティー…、ま、待てよロ-ズティーなんて…、生まれてから一度も飲んだことがないぞ…。
う~ん、よく分からんな、それっぽいのが見当たらない…、ま、適当にTEAって書いてありゃなんでも良いだろう。
それと金平糖か、こんぺいとうは若干メルヘンの香りがするな。
うん、ひらがなの方がメルヘンっぽいか。
ついでに自分の酒のつまみでも買ってくかな。

~~~~~~~~

のんきに買い物をするおにい。
はたしてこのよく分からない展開…。
つづく…、のか?


黒かつ亭
田丸屋本店
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ただいま~ [ピッケとおにい 2015]

バタン、ドタドタドタ。

「ただいま~。」
「ちょっと~、遅かったじゃない!」
話の流れからすれば必然的に出てくる言葉であろう。
「あ、あの、お店…、遠くて…。」
言い訳とは、常に見苦しいものである。
「すぐに、用意してよね。」
「は、はい、ただいま、って…。
お飲み物はどの様にすれば…。
えっと、このコップでいいかな?」
「そんな…、おっきなコップで、あたしを溺死させたいの?」
「め、めっそうもない。」
あせるおにい、ピッケは呆れたと言わんばかりに。
「そこのあたし専用をお使いなさい。」
と、言いながら、面倒くさそうに何もない宙を指さす。
「えっ?」
体も思考も止まる、おにい。
ピッケは、両手でだめだこりゃのポーズをしながら、人生諦めたと言わんばかりの表情で。
「まったく、使えない僕ね。」
そして、何もない空間に手を伸ばすと…。
そこから、おままごとセットサイズ、しかもかなり小さ目のティーセットを取り出した…、というか、ティーセットが魔法のごとく現れた。
「あっ、はあ~、みごとなもので。」
おにいはどうやら手品だと思ったようだ。
「さ、早くして。」
「うっ、カップが小さすぎてどうやって注げばいいのか…。」
「あなたって思考するって言葉知らないの、そのでっかい頭の中身はからっぽなの」
からっぽと言われてさすがに傷ついたのか、ない知恵を絞り出すおにい。
「そうだ、ストローを使って…。」
ストローを簡易スポイトとして利用、何とか極小ティーカップにお茶を注いだ。
「やればできるじゃない。」
褒められて、少し満足げのおにい。
「へへ、で、こんぺいとうは、このままで?」
「ばか、やっぱり馬鹿だったのね、こんな大きなのが、あたしのこの愛らしいお口に入るとでも思ったの?」
「た、たしかに…。」
「こんぺいとうはスターダストが基本と覚えておきなさい。」
「えっ?」
「はぁ~…、いいかしら、こんぺいとうはお星さまなの、はいスターダストって何?」
「えっと、確か大きな女優事務所で…。」
「な、何、訳の分かんないこと言ってるの、星屑でしょ。
誰かさんはただの屑かもしれないけど。
あたしたちの命の源、こんぺいとうは欠片をいただくのよ。
大切な欠片だからスターダストなの。」
「う~ん、分かったような…。」
「いいから早くしなさい。」
「はい。」
金平糖を砕くおにい…、たしかに、こんぺいとうの方がメルヘンっぽいかもしれない…。
「用意できました。」
「ご苦労…、ふ~、ローズティーとこんぺいとうスターダストでこれじゃ…、小さなパーティーだって開けそうにそうにないわね。」
そう言いながら極小ティーカップに口を近づけるピッケだったが…。
「な、なにこれ?
何か冷たそうだし、ローズの香りも全くしないし!
これは、な・ん・な・の!」
このブログではあまり使われることのない『・』を挟み込んで怒りを強調するピッケ。
「あっと…、TEAの筈だけど…。」
「あたしはローズティーが飲みたかったの!
ローズティーは温かいのを飲むの!
ちょっと、その飲み物の入れ物見せなさい!」
「は、はい…。」
その冷えたペットボトルにはMILK TEAと書かれていた…。
「えっ、MILK TEA?
あたしはROSE そう、R・O・S・E ROSE TEAを飲みたかったの!
もちろん温かいのをね!
当たり前だけど、こんなボトルのじゃないわ!
どうやったらROSEとMILKを間違えることができるの…。」

~~~~~~~~

懸命な読者の方々なら、この怒りの発露が、この後延々と続くであろうことはお察しいただけると思う。
このお話し、つづく、としたらピッケの怒りが収まってからだと思うが、はたして…。


花ワールド-hirata
ぷちぎふと工房 コンサルジュ

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まったく、もう [ピッケとおにい 2015]

「まったく、もう!」
ピッケはまだ怒っていた。
だが、さすがに喉が渇いたのか、MILK TEAに口をつけながらではある。

「ホントに考えられないわ!」
ピッケはまだ怒っていた。
怒りながらも金平糖の欠片を口にしてるが。

「だいたいこの部屋の趣味が良くないのよ!」
ピッケはまだ怒っていた。
たださすがに二時間も怒っていると、何に対して怒っているのか分からなくなるのも事実だ。

「去年のあたしの誕生日だって…。」
ピッケはまだ怒っていた…。
が…、ま、待て、去年の誕生日はさすがに、おにいには関係なかろう…。
反論するのか、おにい?
「ごめんなさい、ごめんなさい、私が悪うございました。」
まあ、怒られている側も思考能力がなくなっているというか…、何も聞いてないというか…、これでは長くなる訳だ。
「あたしは、シュ-クリームよりから揚げが好きなの、分かった?」
…、無駄な時間がさらに長くなろうとしていた、その時。
「ふ~、眠くなっちゃった。」
ピッケはその体には不釣り合いと言える座布団の真ん中で静かな寝息をたてていた。
一瞬だった、こんなにあっさり寝れるとは…、うらやましいかぎりである。
それを見て、ふと我に返るおにい。
「あ、あれ? 寝たのか…、う~ん…、寝てればかわいいのにな。」
そう呟きながら、布団代わりにタオルを畳んで掛けてあげるおにい、一応紳士の様だ。

~~~~~~~~

それにしても…、ピッケってよく分からないな。
まあ、人間じゃないから分からなくて当たり前かもしれないけど。
手品が出来るってことは芸人だったのかな。
そうだ、ネットで検索してみよう。
えっと、ピッケ ピカリクス ピッコローネ ピットネット、はは、メモしといて正解だったな。
う~ん…、何やらへんてこなブログしかヒットしない…。
まあいっか。
遅くなったから、もう寝よっと。

~~~~~~~~

この展開はどういうことだ?
このくだらないお話しがまだ続くってことか?


花ワールド-hirata
ぷちぎふと工房 コンサルジュ
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ふわ~ [ピッケとおにい 2015]

「ふわ~、あ~、よく寝た。」
ピッケ目覚める、寝起きはいいようだ。
「さてと、う~ん、何か飲みたいな…。
あっ、あれってMILK TEAじゃん、ラッキー。
ごくごくごく、あ~冷たくておいし~。」

この場面をスルーされると立場がないので、その時の光景を再現しておこう…。
MILK TEAを目にしたピッケは、ふわっとペットボトルに飛んで近づく。
と、宙に浮いたまま、何か飲む様な仕草。
なぜか、キャップのついたまま置かれていたペットボトルの中のMILK TEAがみるみる減っていく。
冷たくておいしい~、とつぶやいた頃には、ほとんど空になっていた。

そんなことあり得ない?
まあこのあたりがメルヘンな訳だ。
これで、ここまで3%ぐらいだったメルヘン度が5%ぐらいに上がったと思う。

「あらっ、スターダストもあるじゃん。」
といって金平糖の屑を口にするピッケ。
「違うでしょ! こんぺいとうスターダストよ!」
あっ、今のは私に対する突っ込みのようだ。
が、まあ今朝は機嫌が良いみたいで…。

「さてと、朝ごはんも済んだし…。」
部屋の中を見回すピッケ。
「なんかぱっとしない部屋ね、狭いし…、あたしのお部屋の1000分の1ぐらいかしら。」
おいおい、いったい、どんな部屋に住んでいるというのだ?
その、ちっこい体でそんなにでかい部屋必要なかろう!
おっと、失礼…、なにせ私の部屋は…。

「ま、狭くても、物も少ないから問題ないのかな。」
部屋の中の物を調べるピッケ。
「あら、パソコンもあるじゃん、古そうだけど…。
まあこれなら問題はなさそうね。」

~~~~~~~~

どう問題ないのか、いささか気になるところではあるが、眠たくなったので…。
う~ん、このまま続いてしまうのかということも気になるのだが…、おやすみなさい。


和雑貨&アクセサリーmarimari
フィカス楽天市場店
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まずは [ピッケとおにい 2015]

「まずは模様替えね、狭くて、ださくて、古臭くて、こんなお部屋がこの世にあること自体が罪よね。」
罪? そこまで言うか…。
「まずは壁を…、ぴゅんぴゅん!」
ピッケが手を振ると、壁がピンク基調の花柄になる。
「次はカーテン…、ぴゅんぴゅん!」
カーテンもピンク基調の花柄に。
「次は…。」
5分もしない内に部屋はピンクに染まる。
「う~ん、ちょっと足りないな~、えいっ!」
突然ピンクのくま…、ぬいぐるみが現れる。
「まずは、こんなもんかな。」
満足げに見回すピッケだったが、ふとある物体に目が行く。
「あ~これどうしよう…、それにしても不細工ね~、全部ピンクにしてみたけど…。」
忘れてはいけない、ここは…、おにいの部屋だった筈、当然その主がいても不思議ではない。
まあ、だらしない恰好でいびきをかいてはいるが…。
「あたしの僕にふさわしい姿に変えるか? う~ん…、どのバージョンがいいかな~。」
僕にふさわしい姿、というのがいささか気になる所だが、ピッケは決めかねた様で…。
今度は、ふわふわ飛びながら歌を歌い始めた。
「パッピッポッ~♪ プッピッポッ~♪ ポッポッピ~♪ パッポッピ~♪」
「う、うるさ~い。」
突然声をあげたのはおにいだ。
「うるさいってなによ!」
「あれっ? もしかしてピッケが歌ってた?」
「もちろんよ、我が王国に古くから伝わる名曲…、良い曲でしょ。」
「うっ…。」
返答につまるおにい、そりゃそうだ、基本我々が普段耳にしている歌は音階に基づいている。
半音という表現もあるが、四分の一音とかは普通使わない。
使われたとしても、まあ聴きたくもない現代音楽ぐらいではないのか。
回りくどく説明してしまったが、分かり易く言えばピッケの歌は、聴くに堪えないというレベルだった訳だ。
せっかく上がったメルヘン度がここで落ちてしまったことは否めないが仕方ない。
「さ、教えてあげるから、覚えなさい…、パッピッポッ~♪」
「パッピッポッ~♪」
ピッケについて歌うおにい。
「プッピッポッ~♪」
「プッピッポッ~♪」
ピッケの歌を微妙に修正して歌う、おにい。
「あらっ、なにげにお上手なのね。」
いや違う君が下手すぎるのだよ、ピッケ。
「い、いや~それほどでも…。」
褒められて照れるおにい、だがここで異変に気付く。
「あ、あれ~、何か部屋がピンクになってる~、あ~目が回る…、あれ~パジャマもピンク…、どうなってしまったんだ。」
日頃ピンクに縁のないおにい、完全に混乱している。
「どう? かわいくなったでしょ?」
「い、いや、何か落ち着かないんですけど…。」
「えっ? 不満でも?」
「そ、そんな訳じゃないけど…、あ~頭がクラクラする~。」
すべてにおいて、黒色、灰色の似合うおにいにとっては刺激が強すぎたようだ。
「結局は使えない僕なのかな~。」
「い、いえ…、あ、あの…。」

~~~~~~~~

おにいはピンク地獄から脱出できるのか否か?
この後の展開はどうなるのか…?
そんなこと、どうだっていいと思ってるが、仕方なく問いてみる。
個人的には早く終わって欲しいのだが…。


田丸屋本店
まめえっと

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ピンク~ [ピッケとおにい 2015]

「ピンク~、あ~、お部屋がグルグルしてる~。」
ピンクの部屋は刺激が強すぎたようだ。
「ちょっと~、しっかりなさいよ~。」
「あ~、お花が咲いてる~。」
「う~ん、これじゃ僕として、役ただずね…、使えないとは思っていたけど、ここまでとはね…。」
だめだこりゃ、のポーズを決める、ピッケ。
「あ~、ちょうちょも飛んでる~。」
「こんな簡単に壊れるなんて…、次はもう少し丈夫そうなのを探さなきゃね。」
ふわっと壁に向かったかと思うと、壁をすり抜けたかの様に…、ピッケは消えてしまった。
もちろん部屋はピンクのままである。
「あ~、ここは天国…?」
こうして見ていると、このおにいも哀れな奴だ。
たかがピンク、されどピンク。
色というのは人間の脳に色々な影響を与える。
真っ赤なドレスを見て、闘牛のごとく興奮し。
静かに澄んだ山奥のせせらぎの青に癒される。
菜の花の黄に心浮かれ。
山の緑に安らぎを得る。
もちろん人それぞれ、そのシチュエーションや、色の具合によって違ってくるのだが…。
が、どうやらおにいの脳とピンクとは相性が良くなかった様だ。
ピンクに染まる前のおにいの部屋、そこにピンクと言える物体は全く存在していなかった。
まあ、全く必要としていない色だったのだろう。
もしかすると、ピンクという色から受ける印象は、男女でとてつもなくかけ離れているのかもしれない。
いや、もしかではない。
う~ん、この世で最も怪しげな色がピンクではないか。
あ~、日常生活の中で縁のなかった色、そして本人にとって全く不似合な色だったことが、この悲劇を招いてしまったということか…。

おにいの冥福を祈る。


花ワールド-hirata
ぷちぎふと工房 コンサルジュ
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