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F組三国志 7-1 [F組三国志 7 星屋和彦]

やっぱり奥田さんは姉御だよな、そうすると省吾さんは…、奥田さん、絶対省吾さんのこと尊敬してるから…。
そりゃ、同学年とは思えないもんな…。
え~っと、親分…、ちょっと違うかな…、頭領…、う~ん秋山さんの立場もあるからな…。
秋山さんだと、姫さまってイメージなんだけど、省吾さんとのからみだと、奥方さまか。
待てよ、F組三国志って、あの勢力図にあったから、皇帝とか、でもそれだと自分のような下々の者は近寄れなくなる…。
三国志で行くなら、彼はアイデアマンだから…、イメージとしては諸葛 亮 孔明しかないぞ。
なら、先生とか、お師匠さま、うん、こっちの方がしっくりくる。
秋山さんは、やっぱ奥方さまかな…。

「ねえ…、星屋くん、何ぶつぶつ言ってんの?」
「あっ、岡崎か、ちょっと考え事。
そうそう、お前さ、奥田さんのことボスって呼んでるけど、やっぱ奥田さんは姉御の方がしっくりこないか。」
「そうか?…、う~ん、確かにそう言われてみるとそうかも。」
「それから、省吾さんは、お師匠さまで、秋山さんは奥方さまでさ。」
「はは、何考えてんの?」
「うん、自分なりに、もっとテスト団体戦とか盛り上げたくなってさ。」
「ほら、奥田さんとか、麻里子さんとか呼んでるより、姉御って呼んだ方が、あっしは、姉御に一生ついていきやんす、って気になるじゃないか。」
「それってちょっと違うっていうか、何か変じゃない?」
「でも、奥田さんはこの前、乗ってくれたぞ。」
「仕方なく、だったりして。」
「いや、俺の姉御はそんなお人じゃねえ。」
「おいおい。」
「でさあ、クラスの席とかもさ、チームが集まるようにしたら面白いと思うんだ。」
「席替えか?」
「ああ。」
「う~ん、そっちは秋山さんとかに提案したら通るかもね、ほら、あそこにいるよ。」
「そ、そうか、よ~し奥方さまに提案してみるぞ。」

俺のことを下らない奴と思ってる人もいるのだろうけど…。
このクラスは自分にとって楽しいクラス、だからもっと。
中学までのクラスとは全然違うから。
始めは森とかがいて嫌だと思ったけど…。
お師匠さまや奥方さまが色々考えて動いてくれたと思うから、俺は俺なりに…。

「奥方さま。」
「はっ、はい?」
「私くしめは麻里子さま配下の星屋でございます。」
「は、はい。」
「この度、一つ提案がございまして。」
「はあ、真面目な提案なら歓迎よ。」
「ありがたき幸せです。」
「で? どんな提案なの?」
「クラスの席のことでございます。」
「はい。」
「現在はチームのメンバーがばらばらに座っておりますが、この戦国の世いささか不自然ではないかと。」
「う~んと…、席替えってことね。」
「さようでござりまする。」
「席替えか…。」
「いかがでござりましょう?」
「考えてみる価値はありそうね、省吾たちとも相談してみるわ。」
「かたじけのう存じます。」
「ふふ、星屋くんも色々考えてくれてるんだ、有難うね。」
「えっ、そのようなお言葉、もったいのうございます。」
「あっ、省吾たち集まってだべってる。
えっと、まだ時間は有るわね。
星屋くん、一緒に行きましょ。」
「は、はい。」

「ね~、みんな席替えしない。」
「うん? 美咲、いきなりだね。」
「なんかあったの?」
「星屋くんからの提案でね、テスト団体戦のチームが固まって座るようにしたらってことなんだけど…、省吾、どうかな?」
「う~ん、考えてもみなかった…、けど面白いかもね、チームの団結とか深まりそうだ。
問題は企画に参加してない人たちかな。」
「でも、参加してないのは、後三人だったよな、何とかなる…、っていうか俺から話しても良いよ。」
「哲平も乗ってくれるのね。」
「ああ、でも、どんな感じで席替えするの? くじじゃないんでしょ?」
「なあ、みんな、席替えイコールくじってどうなんだろう?」
「席替えのドキドキ感は楽しかったなぁ~。」
「うん麻里子の、その気持ちは分かる、でもさ、俺らのレベルだったら、数学苦手で英語得意な子と英語苦手で数学得意な子が隣り合わせとかさ。」
「あっ、そうか、逆に趣味が同じで仲良すぎる子は、離れた方が良かったりするかも。」
「人それぞれだから簡単にはいかないかもしれないけど…、待って、クラスの席ってさ、固定じゃなくても良いんじゃない? グループ内で相談してみんながより集中できるように調整したりさ。」
「寝てたい奴はみんなのじゃまになんない様にとかね。」
「はは、F組でなら実験的に色々試せる気がするな。」
「やってみるか?」
「賛成~。」
「じゃあ、私は授業後にでも、先生と相談してみる。」
「チームリーダーの俺はメンバーに提案ってことだね、美咲さん。」
「ええ、お願いね、正信くん。」
「えっと、今、どのチームにも入ってないのは…、森の他は誰?」
「梶田梨乃さんと、三浦武敏くんよ、哲平さん。」
「了解、静さん。」
「ははみんなやる気満々ってとこね、じゃあうちらも相談するか、星屋。」
「へい、姉御、がってんで。」

やっぱり、F組のリーダーたちはすごい。
秋山さんの一言でみんなが意見を出し合って、すぐ方向性を…、F組でなら実験的に色々試せる、なんてさすがお師匠さまだな。
…、秋山さんも…、俺のこと分かってくれてるのかな…。
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F組三国志 7-2 [F組三国志 7 星屋和彦]

「机の配置も変えるってことか? 省吾。」

席替えが…、自分の思いつきとは違った次元で進行してる。
やっぱ、お師匠さまたちはすごい。
チームごとの席、って自分ではすごく斬新なことと思って提案したのに。
お師匠さまのお考えはそんなレベルじゃない。

「うん、哲平、星屋からの提案を俺なりに検討してみたんだ。」
「ああ。」
「四角い教室に四十人の生徒を効率良くと考えたら、確かに今までの…、小学生の頃から変わらない机の配置が良いのかもしれないけどさ、今のF組だったら、机の配置を変えることによって違った効果が期待できるとも思うんだ。」
「違った効果?」
「そうだな、先生に対して左右が前に出て、席の間の通路もなくす、教室の前の方の密度を高める訳だ。」
「そうすると?」
「前提は、前の方に座るみんなが授業に真面目に取り組む気持ちを持っているってことなんだけどね。
授業中、自分の視野に入る人たちが真剣に授業を受けてたら、自分もって気にならないかな?
逆に言えば、寝てる奴とかの姿が目に入ったら、心理的にマイナスになると思うんだ。」
「う~ん、確かにそうかもな。」
「で、美咲が言ってたみたいに、授業によって席を移動して良いと思うんだ。
それぞれ、集中したい科目とかあるだろうし、時には教室の後ろの方で、のんびりしたいだろうからさ。」
「そうだな…、ねえ、星屋はどう思う?」
「えっ、えっと…。」

哲平さんにいきなり話を振られてしまった。
が…、正直言って、彼と、彼らと話すのは苦手だ。
人気のある哲平さんや、お師匠さまたちと親しくなれたら良いと思うけど、否、そう思うからか、どうしても緊張してしまう。
自分なんかと話しても彼らは楽しくないだろうし…。

「星屋は前が良い? 後ろが良い?」
「えっと、お師匠さま、前が良いです。」
「はは、師匠と呼んでるのは俺だけじゃないんだ、それにしても、お師匠さまとはね。」
「そ、尊敬してるからです、て、哲平さんもですけど…。」
「はは、有難うな、でも、同い年なんだからもっと気楽にしなよ。」
「はい…。」
「なあ、姉御とは、どうなんだ?」
「はい、少しずつ雑用で使っていただけるようになりまして。」
「お前、麻里子のパシリで良いのか?」
「いえ、パシリって感じじゃなくチームの用とか…。」
「それにしても子分ってことだろ。」
「それでも嬉しいんで…、自分、中学の頃…、みんなからほとんど無視されていて…、オタク系ってバカにされてて…。」
「そっか…、でも麻里子と親分子分じゃ、師匠と美咲のようにはなりにくいんじゃないか。」
「そんな大それたこと考えていません…、普通には話せませんし…。」
「まあ、星屋が良いっていうなら…、はは、お前と麻里子との会話は面白くもあるから…、そうだ、省吾はお師匠さまとして、他の連中の呼び方はどうなの?」
「まだ、考え中です…、秋山さんは奥方さまかなって程度で。」
「なあ省吾、みんなにニックネームとかってどうだ?」
「うん、面白いかも。」
「俺は麻里子のこと、姉御なんて呼べないけどな。」
「はは、麻里子的には、編集長とか呼ばれた方が嬉しいんじゃないか。」
「そっか、色んな呼び方があって良いわけだ。」
「哲平は親分、親方、大将、ボス…、ってとこか?」
「ひねりがないな…、星屋、どう?」
「哲平さんは入学した頃から、哲平って呼んでくれよ、って…、えっと、優しい感じなら哲平兄さん…。」
「う~ん、女の子から呼ばれたら、少し嬉しいかも…、なあ星屋、俺のことは、哲平さんじゃなくて、哲平って呼んでくれないか?」
「…、でも…。」
「うん、そうだな、星屋が、人気者の哲平の前で緊張してしまうのは分かる気もする。
俺だって美咲の前ではかなり緊張していたからな。」
「そうだったの?」
「ああ、初めてのデートの時なんて心臓が爆発寸前だった。
あんな知的な美人と、何話したら良いか分からなかったけど、とにかく仲良くなりたかったからね。
嫌われたり、自分のことダメな奴って思われたらどうしようって思ってた。」
「省吾って意外と普通なんだよな。」
「意外じゃないよ、俺は普通さ、哲平みたく女の子にもてるわけでもないしさ。
星屋も、哲平とどう接したら良いか分からないから、哲平さんって呼んでるんだと思う。
でもさ、麻里子も美咲も星屋はちゃんとクラスのこと考えてくれてるって言ってたんだよ。」
「つまり、俺たちは仲間ってことさ、星屋。」
「えっ…。」
「あっ、そろそろ授業始まるぞ。」
「ほんとだ、星屋また話そうな。」

えっ? 仲間? 哲平さんや省吾さん…と? 麻里子さんも自分を認めてくれてる?
なんか、どきどきしてきた。

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F組三国志 7-3 [F組三国志 7 星屋和彦]

「星屋。」
「あっ、はい、お師匠さま、何でしょう?」
「今日授業後予定ある?」
「えっと…。」

予定…、あると言えばある。
本屋へ行って、今日発売の雑誌を買って、それから今度発売されるゲームソフトの予約、レンタルショップでDVDを借りて…。
でも、今日じゃなくても良いことばかりだ。

「特には無いですが。」
「じゃあ、スガキヤでラーメンでも食ってかない、おごるからさ。」
「えっ、そ、そんな…、悪いです。」
「なんだ、星屋は俺たちの仲間になりたくないの?」
「ま、まさか…、なりたいです…。」
「だったら、遠慮しないでおごられちゃえよ。
仲間になる、お近づきのしるしってとこだからさ。」
「はあ…。」
「変に遠慮してたら仲間にはなれないからね。」
「は、はい。」
「昼休みに充分話せなかったことが色々あるんだ。」
「はい。」
「ただ、時間は美咲の都合になっちゃうけどいい?」
「も、もちろんです。」
「委員長さまは結構お忙しいみたいでね。
じゃ、授業後な。」
「はい。」

仲間か…、あまり考えたことなかったな。
元気良く外で遊ぶ子じゃなっかたから、友達と呼べる子も少なかったし…。
中学のクラスメートには多少いじめられもしたから、自分の世界の中に独りでいる方が気楽だった。
仲間…、奥田さんとも仲間になれるのだろうか…。
奥田さんはアニメに出てくる、気が強いけど実は優しいって感じの女の子。
結構かわいい。
ちょっとどきどきしながらも、姉御って呼んで話しかけたら、ちゃんと応えてくれた。
仲間か…。
お師匠さまとも…、自分からも話しかけるべきなんだろうな…。

キンコンカンコ~ン♪  キンコンカンコ~ン♪

授業が終わって…。
近くのショッピングセンターへ向かう。

「お師匠さま、秋山さんのことなんですけど。」
「なに?」
「美咲さまとお呼びしてもよろしいでしょうか?」
「美咲さまか…、ああ、悪くないかな、でも麻里子みたいには応えられないかも。」
「それでもいいんです。」
「イメージとしてはどんな感じで?」
「お師匠さまの奥方さまで、自分はお師匠さまの門下生。」
「なるほどな…、ふふ、そうだ、その路線でやってみよう、美咲にも話しておくよ。」
「はい。」

スガキヤについた。
安くてうまい…。

「星屋は何にする?」
「ラーメンで。」
「じゃあ特製ラーメンでいい?」
「えっ、普通のラーメンで…。」
「まあ、遠慮するなよ。」
「じゃあ。」

「ねえ、俺の門下生と、姉御の子分とは同じ人物なの?」
「同じでは無理がありそうです。」
「じゃあ、姉御は星屋って呼んでるから、俺たちは和彦って呼べばいいかな?」
「もちろん、おっけいです。」
「じゃあ和彦、まずは報告だ。」
「はい、お師匠さま。」
「この前のテスト団体戦、合計点、平均点を見ると僅差だったよな。」
「合計で、一点差でしたからね。」
「二回目以降は採点方法を複雑にしようと思って、ちょっと違う計算をしてみたんだ。
前回の得点と比較する形でね。
そしたらチーム麻里子はダントツの一位になったんだよ。」
「どういうことなんです?」
「単純に、一回前のテスト結果をチームに当てはめて計算してみたら、チーム麻里子は他の二チームと比べてめちゃ点の低い最下位だったというわけさ。」
「ということは?」
「得点アップ率を考えたら、チーム麻里子はすごくがんばったと言えるだろうな。
まだ案の段階なんだけどね、二回目以降の小テスト団体戦は単純にテストの平均点で競うのではなくしてね。
満点だった人には二ポイント、第一回より点数を一点上げた人は一ポイント、点数を二点上げた人には二ポイント、点数を三点上げた人は三ポイント、だから第一回より三点上げて満点だったら五ポイント獲得。
そして、第一回と変わらなかった人はゼロポイント、点数を一点下げた人はマイナス一ポイント、点数を二点下げた人はマイナス二ポイントって感じで、それをチームごとに合計して平均を出して競ったらどうかと思ってね。
そうすると、同じ七点でも、第一回より点を上げて七点の人はチームに貢献したことになるし、点を下げて七点の人はチームの足を引っ張ったってことになって、参加者の緊張感が増すと思うんだ。」
「なるほど、九点十点が取れない人でもチームに貢献できるってことですね。」
「うん、こんな話しをみんなとしていた時にね、チーム麻里子の得点アップはどうして? ってことになってさ。
そしたら、麻里子がね、岡崎、平岩、田中といったやっかいそうな連中を星屋が面倒みてくれたことが大きかったって。」
「えっ、姉御が…。」
「ああ、人は見かけによらないとも言ってたけどね。」

はっきり言って人から認めてもらえることなんて…、中学ではテストの点数ぐらいだったか…。
…。
自分のことを認めてくれた…?
姉御が!
姉御…、一生ついていきます…。

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F組三国志 7-4 [F組三国志 7 星屋和彦]

「はあ~、うまかった。」
「ごちそうさまでした。」

はは、お師匠さま、ラーメンに胡椒たっぷりだったから、一汗かいてる。

「で、和彦に提案というか相談があるんだけどさ。」
「はい、はは、和彦って呼ばれなれてないからなんか照れくさいです。
でも…、もっとお師匠さまが門下生にって感じで話して下さった方が。」
「う~ん、まあそこらへんは今後使い分けていくよ…。
ねえ和彦は今まで、リーダー論とかって考えたことある?」
「えっ、全然ないです、自分はリーダータイプじゃないし。」
「俺はしょっちゅう考えてる。
親父は教育の観点からよく話してくれるし、おじさんたちが遊びに来るとそんな話題で盛り上がるからね。」
「さすが…、家庭環境が自分とはずいぶん違います。」
「はは、そんな中でね、一人の叔父さんがいつも話すのは、教育の過程で集団やリーダーのことをきちんと学ぶ場が足りないってことなんだ。」
「集団やリーダーのことを学ぶ?」
「うん、数学や英語と同じように、きちんと学校で教えるべき、否、考える時間を作るべきなんだって。
今は、部活を通してとかクラスの運営を通してとか、せいぜい道徳の時間ぐらいでしか学校で扱っていないけど、人間が社会の中で生きて行く時、とても大切なことだからって…。

…、俺たちは社会の中で色々な集団に属しているけど、それぞれの集団との関わり方は色々だよね。
個々の集団の目的にもよるし。
でも、そんな中で、それらの集団とどう向き合っていくか、その集団に於けるリーダーの役割なんてことを、メンバー一人一人が考えて、その集団をより良いものにしようとしたら、その集団の目指してることの成果に良い影響を与えると思うんだ。
身近な例を挙げるとさ…。
チーム麻里子という集団を考えた時、チーム麻里子はテスト団体戦での勝利を目的とした。
リーダーの麻里子はチームのみんなに明確な目標を提示し、檄をとばしたからね。
それに対して、主に和彦、黒川、舘内さんの三人が動いた。
この三人は集団の中で、教える立場になるのは自分だと判断し、それを実行した。
そして岡崎たちは引っ張ってもらってでも高得点を取ることが、この集団の中での自分の役割だと認識してそれを実行した。
トップで引っ張った麻里子、それを支えた三人のサブリーダー、そして自らがんばったメンバーたち。
この三者がうまくかみ合ったからチーム麻里子というチームは成果を出せた。
そう、トップリーダーの麻里子だけの力じゃないってことだよ。」
「確かにそうです、田中も岡崎、平岩にも、なんとかしようって気持ちがあったから…、ここに受かったくらいだから頭が悪いわけでもないですしね。」
「で、問題はこれからなんだ。
今の状態を維持できるか、さらに上を目指せるか、それとも後は下降線になるのか。」
「そうですね、高校受験が終わって気が抜けてた人たちが、今回のテスト団体戦で気合を入れ直したってとこだけど、このまま続けていくのは難しいかもしれません。」
「そこで、集団やリーダーということを考えてみて欲しいと思ったんだ。
もちろん、チーム麻里子のことだけじゃなくね。」
「はい。」
「リーダー論って言うと、麻里子みたいな立場の人の話しだと思う人も多いけどね、それだけじゃないんだ。
リーダーの補佐をしながらリーダーを育てるという考え方だってあるし、リーダーを生かす部下という考え方だってある。」
「あっ、そうか、集団の中で…、リーダーは集団の一員でもあるということですね。」
「こんなことを考えることは、和彦にとってとても大変なことかもしれないけど…、F組における和彦の位置や役割をどうしていくかってテーマ。」
「…、確かに…、大変なテーマです…、自分にとって…。」
「でも、和彦にはもう仲間がいる。」
「は、はい…。」

確かに大変なことだ。
お師匠さまの話しは、自分に対して、変われ、と言ってるに等しい。
できるだろうか…?
でも姉御は自分のこと認めてくれた…。
仲間…。
それにしても、お師匠さまはどう考えたって高校生離れしている。
家庭環境の差ってことなのかな。
初めは軽い気持ちでお師匠さまって呼び始めたけど…。
自分の仲間で先生だ。

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F組三国志 7-5 [F組三国志 7 星屋和彦]

さあ今日から新しい席だ。
天気も良いから新鮮な気分。
昨日のうちに並べ替えてある机の配置は、鶴翼の陣と呼ぶことになった。
授業は先生との戦いとなるのかな。
チーム麻里子は第一回テスト団体戦の勝者ということで中央に陣取る。
黒板に向かって左はチーム哲平、右はチーム正信。
どちらも通常の席より前に出て、教卓を囲む形で。
自分はチーム最前列の右端に陣取るから右にはチーム正信の誰かが座ることになるが…。

「あ~、隣は星屋くんなんだ~、よろしくね。」
「う、うん、こちらこそよろしく、清水さん。」
「なんか席の配置が変わって、少しどきどきじゃない?」
「そ、そうだね。」

少しじゃない、かなりどきどきだ。
清水さんとは遠足の時にも話した。
かなり普通に。
今日も普通に話しかけてくれる。
中学の頃、自分に話しかけてくれる、しかも普通に、なんて女の子はいなかった。

「ふふ、ねえ私は省吾さんたちの娘になったからね。」
「えっ?」
「お師匠さまの娘だから、星屋くんは、ちさとお嬢さまって呼んでね。
いつもは、ちさとで良いのよ、スイッチが入った時だけ。」
「ど、どういうこと?」
「あら、まだお父さまから、お話し聞いていらっしゃらなかったのね。
お母さまのことを美咲さまと呼ぶ、門下生の和彦さん。
私は十三歳のおてんば娘って役どころ、和彦さんにもご迷惑をおかけするってとこかしら。」
「そうなんだ、面白くなるのかな…。」
「面白くするの、多少の演技指導は演劇部期待のホープ、ちさとお嬢さまがしてあげますからね。」
「そうか、演劇部だったね。」
「うちのお父さまって、面白いこと考えるのよね。
普段、気が向いたら、みんなで役になっておしゃべりして、形ができそうだったら、脚本作って文化祭のネタにしてもいいかなって。」
「あ~、そう言えば、一昨日お話した時、その路線でやってみよう、なんておっしゃってた。」
「脚本家の候補は外山留美、彼女も演劇部なの、で、お父さまの古くからのお友達の娘さん、十七歳ぐらいって設定よ。」
「お師匠さま、いつの間に…。
あっ、お嬢さま、自分の歳は幾つぐらいで?」
「はは、和彦さんは自分の歳を人に訊くのね。
ふふ、そうね十六~十九ぐらいの間で自分で決めていいわよ。
性格はね、内気なんだけど、もっと積極的になろうって悪戦苦闘してるって感じ、時に空回りしながらもね。
そんな和彦さんを私のお父さまとお母さまが暖かく見守っているの。」
「そ、そうか…。
ちさとお嬢さま、自分は嬉しいです、お師匠さまの心遣いが身にしみてきます。
これから、よろしくお願いします。」
「ふふ、しっかりしてね、私の兄貴的存在なんだから、がんばんないと、おてんば娘に引っ張りまわされるわよ。」
「はい、お嬢さま。」
「じゃあ、ここでスイッチ切って。」
「え?」
「私もずっとお嬢さまをやってる訳じゃないの、演技としての、ちさとお嬢さまと、星屋くんのクラスメート、普段の私、清水ちさととは別よ。」
「そっか、了解…、えっと、ちさとさん…。」
「ふふ、普段の星屋くんはどんな人なの?」
「えっと、内気なんだけど、もっと積極的になろうって悪戦苦闘してるって感じ、時に空回りしながらも…。」
「それを省吾さんと美咲さんが暖かく見守っているって、ははは。」
「ほんとに空回りしちゃうかもしれないけど、今、がんばろって思ってるんだ。」
「おっけいおっけい、清水ちさとは星屋くんの味方だからね。」
「ありがとう。」

自信はない、ないけど、演じるか…。
お師匠さまは、姉御の子分を演じてた自分のことも考えてくれたんだろうな。
ほんとにがんばってみよう。
仲間も…、ふふ、味方もいるんだ。
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