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党本部にて~現状把握-1 [権じいの村-SPO-02]

政治団体宇宙は、既存の政党や政治団体とは少し変わった形で立ち上げられた。
昔からの政党が分裂や結合したりという形でもなく、宗教団体がらみでもない。
ベースには大学の研究者達の「実験的取り組み」という背景もある。
まずは、白川慶次の呼びかけに応えた大学関係者、学生中心に組織作りを始めた。
夢プロジェクト、それは静かな革命と言っても過言でない程の変革を、この国にもたらそうというものだ。
それを、ある意味何もない状態から築き上げていくという作業は簡単ではなかった。
しかし、大きな方向性ははっきりしている。
作業として、様々な討論が繰り広げられたが、個々の意見は年齢に関係なく尊重され、常に反対意見、別の角度から視点も明記する形でまとめられていった。

初めに行われたのは現状の把握だ。

学生が発言を始める。
「自分はバイトを日雇い派遣でやっています。
倉庫で働くことも多いのですけど、そこで働く人たちの現状は、ストレスが大きく、愚痴をこぼす人も多いです。
とにかく会社としては人件費を抑えたい、効率を上げたい、ということで色々なことをパートさんたちに要求しています。
でも、そのことによって作業に慣れた頃にやめていく人も少なくないんです。
結局パート募集に金を使って、穴埋めに日雇い派遣を使って、当然慣れていないから、やめたパートさんの作業と比べればミスも多く作業効率も落ちているというのが現状なんです。」

教授が、それに応える。
「流通の仕組みが昔とはずいぶん変わってしまったからな。
私が学生の頃は倉庫からはケース単位で出荷されていた、それが店や工場に余分な在庫を置かず、必要量だけ一個単位で出荷されるようになった。
ジャストインタイムというシステムが主流になった訳さ。
結果、荷物を受け取る側の作業量、在庫スペースが減り効率は良くなったと考えられている、けど出荷側からすれば作業コストは桁違いに増えたと言える、もちろん価格に上乗せとなったのだろうが…、どうだろう荷物を送る側と受け取る側、どちらが強い?」

学生の一人が応える。
「どう考えても受け取る側が強いと思います。
私の父の会社は下請けなのですけど、親会社からは無理難題を何時も押し付けられて困っています。」

「でもジャストインタイムによって全体の作業効率が上がったということは、事実ではないのですか?」

「環境という側面から捉えたらマイナスじゃないのかな。
例えば、大工場への納品ということを考えたら…。
トラック主体ではなく、鉄道主体でコンテナ単位で納品、大企業ならそれを置くだけのスペースも確保できる。
トラックを何台も何回も走らせるよりコストも下がって、環境にも優しくなると思うけど。
一部では鉄道による貨物輸送も行われているとは聞いてますけど、その規模はどうなんでしょう。」

「視点を変えると、効率が上がったことによって、我が国の経済は発展しのだから良かったのでは?」

「でも、効率一辺倒なんて…、そこで働く人のことを機械のように、会社の部品ぐらいにしか考えてない企業なんて…。
経済発展イコール善って考え、どうかしら?」

「うん、そんな企業のトップの発想がこの国を人に優しくない国にしてきたのではないかな。」

「自分達の企業が他の企業に負けない様にするためには仕方なかったのかもしれません。」

「結局は競争社会のなれの果てが、今の状況。」
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党本部にて~現状把握-2 [権じいの村-SPO-02]

討論は大きなテーマごとに分けて行われた。
ここでは貧困問題が中心。

ある教授の発言から始まる。
「私が学生の頃、人類は類として進化し発展してきたと講義で聞いたことが有ります。
知識は個人レベルではなく人類の中で時に共有され、先人の知識を礎に次の技術、新たな発明へと繋がって現在が有ります。
しかし、我々人間は本当に進化したと言えるのでしょうか?
人間という種は集団社会をベースに生きてきました。
その中で、人間そのものは…、歴史を紐解けば、私利私欲に走り、自分さえ良ければ、自分の家族の利益、自分の一族の発展、その為には他人はどうなっても構わないと、人間同士殺し合いをしてきてきたのが人類の歴史。
そして今、表向き、殺し合いはしていないものの、我が国の現状はどうでしょう。
自殺者の高止まりは、この国に於ける競争社会がもたらしたのではないでしょうか?」

「ホームレスの人が公園で生活している国が、類としての進化を遂げた国とは思えません。
競争社会で落ちこぼれたから仕方ない、という人もいますけど、そんな社会は嫌だと思います。
裕福な生活をしている人の内、何割かの人たちは自分の努力ではなく、先祖からの遺産によって、その安定した生活を保障されている訳ですし。」

「金の有る人たちはその資金を利用してより裕福に、金のない人たちは要領の良い人たちの食い物にされて、運が悪ければ公園暮らし。」

「問題は人の心にあるのでしょうね…。」
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党本部にて~現状把握-3 [権じいの村-SPO-02]

教育に関しても様々な討論が繰り広げられたが、この部会では、その問題点を語る老人の話しが参加者に大きな影響を与えた。

「まず、何のための教育か、ということじゃな。
その根本をしっかり考えることなくなされてきた教育によって、ずいぶん損をした人もいると思うんじゃ。
まず、進学塾なんていらんわな。
学校が本来あるべき教育をしていれば進学塾なんぞで、自分の力を伸ばす機会を奪われる子も少なかったかもしれんな。
おや、君はずいぶん不満そうじゃな。」
「はい、自分は進学塾の先生にずいぶんお世話になって、今通う、名門と言われる大学まで進むことが出来たと思っていますから。」
「ほほ、そうかい、では、その塾で君は何を学んだのかい?」
「受験テクです、受験の時の問題と傾向、それに向けてどう取り組めば良いのかずいぶん教えてもらいました。」
「で? その受験テクとやらは君の能力を伸ばしたのかな?」
「は、はい…。」
「進学塾が何をしたか、一つは、考える力を伸ばし想像力を育む教科である数学を暗記科目に変えてしまった。
高校入試レベルだと、過去問に精通するだけの暗記力があれば、真の思考力を伸ばさずとも結果は出せる。
しかし、大切なことをおきざりにしてしまっての結果、ということじゃな。
そして、発見の楽しさを知る教科、理科はずいぶんつまらないものに変えられてしまった訳じゃ。

だいたい、君も含めて力の有る子達は進学塾なんぞの力を借りなくともそれなりの結果を出せる筈なんじゃ。
そうじゃな、自分なりの学習方法を確立すればの話しだがな。
有名高校へ何名合格者を出しました、なんて進学塾の宣伝を目にするが、それは、それだけの能力を持った子を沢山集めることに成功しましたってことで、ほとんどの子はその進学塾に通わなくても志望校に合格するだけの力を持っているのさ。」
「でも…。」
「まぁ、君らのように自分の望んだ大学へ進めた子たちは良い。
でも大きな問題は、人の能力は皆同じではないということ、それに気付かずに教師をやっておる馬鹿の存在だな。
努力すればなんとか出来る、なんてことが当てはまらない子だって普通にいる。
まぁ、教師になる連中は、それなりの暗記力がある訳だから、暗記力の弱い子の事情が解らないのだろうがな。
その結果、覚えられない子たちに努力しない子、だめな子のレッテルを貼ってしまう。
しかし、暗記する能力が弱かろうが、素敵な子もいくらでもいる。
義務教育を受けている頃に余計な劣等感を植え付けられなければ、もっと豊かな心を持って生きられた人も少なくないと思うがの。」

「確かに教室での劣等感から非行に走る子もいたと思います。
自分の同級生の中にも。」

「すいません、自分は今までそういった視点で考えたことがなかったので、お時間をいただけないでしょうか?」

「そうですね、このテーマはここで中断して次回までに個々で調査したり、考察してから続きということにしましょうか、特に反対がなければですが…。

特に反対の声も出ない様ですから、次のテーマ、モンスターペアレントについて…。」
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