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調査-1 [権じいの村-2]

おや、若い娘たちが上がって来たな…。

「わお~、これが権じいね。」
「うん、話に聞いていた以上におっきくて立派な杉の木ね~。」
「ねえねえ記念撮影しようよ。」
「おっけ~、みんな集まって~。」

「空が青~い。」
「うん、気持ちいいね~。」
「ね~。」
「おやつ食べる。」
「うんうん。」
「食べ過ぎるとやばいわよ。」
「な~に、しっかり働けば大丈夫よ。」

「私、こんな…、観光地じゃない田舎で泊まるの初めて、大丈夫かしら。」
「何をいまさら、でも白川先生驚いてみえたそうよ。」
「何を?」
「女の子組はちょっと遠いホテルからということを想定してみえたそうなの。」
「はは、私たち調査班、結局は全員小学校での宿泊になったからね。」
「私、ちょっと抵抗あったんだけど、理香に引きずられてしまったって感じ。」
「なんか、どきどき。」
「一人二人なら寂しいけど、みんな一緒なら楽しそうじゃない。」
「その、理香の、のりのりに負けたのよね。」
「大部屋だから、夜は枕投げよね。」
「はは、伝説の…。」
「私、修学旅行とかホテルだったからなぁ~。」
「トランプ持ってきてるわよ。」
「あのね…、あんまりはめを外しすぎて白川先生とかにご迷惑をおかけしたくないわ。」
「でも、枕投げするんでしょ?」
「もちろんよ。」
「ははは。」

なんとも賑やかな子たちじゃな…。


WEB-CO2って?

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調査-2 [権じいの村-2]

「みなさん、お待たせしました。」
「あっ、山岸先生。」
「どう、なかなか立派な木でしょ。」
「はい。」
「さあ、ちょっと集まって。」

「見晴らしもいいでしょ。」
「はい、あそこが荷物を置いてきた校舎ですね。」
「そう、旧権現小学校、これからは本部って呼んで下さいね。
さあ地図を出して。」

「校舎と、ここ権じいの間がこの集落の中心になります。
みなさん、明日の調査で自分の行くお宅はわかりますか。」

「あっ、私はあの辺りだ。」
「え~っと、え~っと…。」
「あらっ、このみの調査エリアはここからは見えないんじゃない?」
「そうか、あの林道の先に何件かあるのよね。
ずいぶん歩くことになるのかな~。」
「ウエストがしまるわよ。」
「そ、そうかなぁ~。」

「さあ今日の夕食は、あなたたちが当番だから、そろそろ戻って準備を始めましょう。」
「はい。」
「ただ、戻る前に一軒覚えておいて欲しいお宅がありますから、そこに寄ります。」
「小春ばあちゃんちですね。」
「そういうこと、今回の調査では小春ばあちゃんにも色々協力していただくことになりましたから。
先生方や院生、上級生の一部の宿泊先でもありますからね。
じゃ、行きましょうか。」

ふむ、賑やかな子たちじゃが…。

「権じい、まった くっるね~。」

はは、めんこい子じゃな。




クリスマス特集(ステンレスマグ)
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調査-3 [権じいの村-2]

「さあ、ここが小春ばあちゃんの…。」
「あ~! 白川慶次って白川先生?!」
「立派な表札だ~。」
「こっちのプレートは…、小春、慶次、真帆…。」
「真帆って山神先生?」
「恵って誰なんです? 山岸先生。」
「あら、山神先生の妹さんよ。
これは白川先生たちが、初めてここに泊めていただいた時に作ったそうなの。
板を焼いて磨いて白のペンで書いたそうよ。」
「久美さんって田中先輩ですか?」
「ええ、で、その次の真一くんも今日サポートに来てるわよ。」
「あっ、野原さんか~。」
「えっ、里美ったら、チェック早い~。」
「ふふ、で香織さんは近所に住んでる方のお孫さん、今日は会社休んで手伝いに来て下さってるわ。」
「あ~、なんかいいなぁ~、メモリアルプレートなのね。」
「でも、ここって…、白川先生の家になったのですか?」
「表札は白川先生に内緒で小春ばあちゃんが用意したの、私が下見に来た日に、白川先生も初めてご覧になって、すごく感激してみえたわ。」
「養子とかになったのですか?」
「ふふ、まだ迷ってるそうですけどね。」
「何か問題でも?」
「小春ばあちゃんの息子になるか孫になるか。」
「え~、そういう問題なんですか。」
「養子とかそんな感じじゃなくて、半分お遊びみたいなものだそうよ。
でもね、小春ばあちゃんが、ちょっと照れながら、慶次って呼ぶ時はとってもうれしそうで、かわいいのよ。」
「あ~なんかわかる気がする~、白川先生みたいな孫がいたらいいなぁ~。」
「ってあんた幾つよ!」
「ははは。」

「おやおやずいぶん賑やかじゃな、山岸先生。」
「あっ、おばあちゃん。」
「こんにちわ~。」
「よろしくお願いしま~す。」
「はいはい、な~もない村じゃがゆっくりしてってな。」
「は~い。」
「そこに畑で採ってきた野菜があるから…、ちょっとおいしい頃が終わってしまって申し訳ないがの。」
「そんなことないです、野菜は乙女の味方ですから。」
「ほっほ、そうかいそうかい。」

「小春ばあちゃん、みんな来たのですね。」
「あれっ、田中先輩、いらしてたのですか。」
「ここに泊まる人数も多いから、お手伝いなの。」
「そっか。」
「明日はみんながんばってね。」
「はい、その前に晩御飯の用意という難敵が待ち構えていますけど…。」
「ふふ、そっちもがんばって。」
「はいです。」
「じゃあ久美ちゃんこっちはお願いね。」
「はい、山岸先生。」




クリスマス特集
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調査-4 [権じいの村-2]

「さて、いよいよ私たちの挑戦、その本格スタートの日を明日に迎えることができました。
ここまでの準備、みんな有難う、感謝の気持ちでいっぱいです。」
「慶次さん、固すぎですよ、いつもの慶次さんでいいですよ。」
「はは、それもそうだな。」
「ははは。」

「ここにいるみんなには一通り説明してきたつもりだけど…、8つの大学から学部を越えて参加してもらってることもあるし、参加決定のタイミングも研究室によってずいぶんのずれが生じたから、疑問を持っている人もいるかもしれない。
ちょうど山岸先生のとこの一、二年生は…。」
「一般募集の突撃部隊ですね。」
「はは、そう、各戸訪問の対面調査に向かってもらう突撃部隊は散歩中で…、その他のスタッフはほとんど揃ったから、この機会に疑問とか気軽に出してもらえると嬉しいかな。」

「慶次さんいいですか。」
「はい、どうぞ。」
「僕たちは、直接村の人と接することを控えるように言われてきたのですけど、何か理由があったのですか?
もう少し交流があっても良いと思ったのですけど。」
「ああ、それは今回の対面調査に影響を与えないようにってことなんだ、工学部の君には多少違和感があったかもしれないけどね。
学術的な調査をするためには、村の人の意見や気持ちに影響するような行動は、調査前、極力避けなくてはいけないんだよ。
アンケート調査の項目には我々大学関係者に対する設問もあるからね。
調査前は我々に対して、好意も敵意もない状態というのが調査の精度を上げるために必要でね。
だから、小春ばあちゃんたちにも理解してもらって、俺たちが何を企んでいるかは極力秘密にしてきてもらってきた。
もちろん協力者なしではできないことだから完全とはいかないし、村を通して明日の調査の告知はしてもらっているけどな。」
「と、いうことは明日からは解禁ってことなのですか?」
「うん、逆に、明日からは積極的に交流して欲しいな。
明日は、突撃部隊の調査がメインだけど、理工学部系のメンバーは、そのサポートをしつつ、農地、宅地などの現況調査に向けての予備調査とかを始める訳だろ、突撃部隊の一次調査が済んだお宅の方とは積極的に係わっていかないと、その後の調査もはかどらないと思うよ。
ちなみに、社会学部系とかのスタッフは、突撃部隊の持ち帰った結果の分析をすぐ始めて、必要があったら追加調査や一次調査のフォローを始めていく予定なんだ。」
「なるほど…。」

「それから…、村の人たちとの交流だけでなくてさ…、今回は色々な大学の色々な専門の人間が集まってきてるから…。
みんな自分の専門だけでなく、他の分野のことにも目を向けて欲しいかな。」
「でも、白川先生、そんな余裕、私には…、自分の専門で手いっぱいです。」
「はは、佐々木京子さんだったね、専門は社会福祉、老人福祉かな、君はバリアフリーについてどう考えてる?」
「もちろん、お年寄りや障害のある方のために必要なことです…。」
「それを設計して行こうとしてるのが、そこの城山くんだよ。
逆に城山くんは障害者やお年寄りの現場に詳しい訳じゃない、だから今回参加してくれたんだけどね。」
「あっ。」
「その隣の樋口くんは、独り暮らしのご老人が発作とかのトラブルに見舞われた時の緊急連絡システムについて研究してるんだ。」
「わ、私…。」
「まあ、あせる必要もないからじっくり考えてごらん。」
「は、はい、わたし…、このプロジェクトのこと…、きちんと理解できてなかったのかも…、ちょっとはずかしい…です…。」
「佐々木さ~ん、はずかしがる必要ないですよ~。」
「私も似たようなものだったのよ。」
「もっとひどかったぞ~。」
「え~。」
「ははは。」

「それにしても慶次さん大切なこと忘れてませんか。」
「えっ? 何? 真一。」
「慶次さんはここにいる全員のこと知ってると思いますけど、ぼくは佐々木さんとか何人かの人とは初対面なんですよ、慶次さんらしくないな。」
「あっ、そうか、そうだよな…、すまん、すまん、俺の…。」
「そろそろお茶にしますか、慶次さん。」
「うん、香織さん、グッドタイミング、そうだ香織さんもみんなに紹介しなきゃいけなかったな…、俺も見落としが…。」

「そろそろ組織作り、私の出番になりそうね。」
「ついに山神先生のお出ましか。」
「あのさ、健吾くん、どうして慶次のことは慶次さんで私のことは山神先生になるのかな~?」
「はは~、失礼いたしました~、山神真帆大魔王さま~。」
「こら~!」
「ははは。」




ニュースで話題の『グリーンサイトライセンス』!
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調査-5 [権じいの村-2]

「権じい、おっはよ~。」
「ちょっと寒かったけどここまできたら体があったまったわね。」
「やっほ~。」
「おっ、微妙に山彦。」
「う~ん、朝の空気が気持ちいいわ~。」
「朝の散歩、来てよかったね。」
「うん、山がきれい。」

昨日の子たちじゃな。
朝早くから元気なもんじゃ。
こんな子たちが住んでいたら、ここもこんなに廃れたりしなかったのじゃろうがな。

「みんな今日の調査、準備はどうだい?」
「白川先生、もうばっちりですよ、手順の確認も何度かしましたから、間違いのないようにできると思います。
サポート隊の人ともしっかり打ち合わせしてありますから。」
「愛香たちのサポートは三崎さんだから…、朝からごきげんなのよね。」
「ふふ、そう言う理香はどうなのよ、長身の原さんでしょ。」
「はは、サポート隊にあまり迷惑かけないでくれよ。」
「は~い。」

「じゃあ、そろそろ行くか、朝食後に全員ミーティングになるからな。」
「はい。」

「白川先生、昨晩はどうだったんです、やっぱ宴会だったのですか?」
「はは、今日のことがあるから控えめにね。
君たちはどうだった?」
「普段とは全く違いますから、とまどうことも色々ありましたけど。」
「なんかデンジャラスだったわね~。」
「うっ、あえて聞かないでおくよ…。」
「盛り上がったんですよ。」
「そりゃよかった。」
「白川先生のこと慶次って呼び捨てしてるのは、山神先生と小春ばあちゃんだけだとか。」
「えっ、それは…。」
「でも、先輩方って、みなさん、先生のこと慶次さんって呼んでみえますよね。」
「何か理由があるんですか?」
「なんとなくじゃないかな。」
「でも先輩方、慶次さんって呼ぶ時、すごく尊敬の念がこもっているような気がするんですけど。」
「気のせいだよ。」
「そうかな、ね、先生、私も慶次さんって呼んでいいですか。」
「う~ん、まぁ問題はないけど…、そうだな今日の調査が終わったら、君たちにも色々話したいことがあるから、それを聞いてからでどうだい。」
「調査が終わったらですか? 今じゃだめなんですか?」
「ああ、ちゃんと理由もあるからね。
それも含めて調査後に説明するから。」
「まずは調査をしっかりやれ、ってことですか?」
「そんな、とこだな。」




新しい温暖化対策!『グリーンサイトライセンス』
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調査-6 [権じいの村-2]

「山岸先生、状況はどうですか?」
「はい白川先生、大きな問題ということでもないのですが…、住民とのトラブルとかではなく調査上の問題が二件です。
一件に関してはうちの研究室から、二人出てもらいました。
もう一件に関しては、今、検討してもらっています。」
「どんな問題なのですか?」
「一人の調査員について、サポート隊から早すぎる、という報告が入りました。」
「早すぎる?」
「まぁ、こういった調査にはつきものですからサポート隊の男の子たちにも、気づいたら早目に報告してくれるようお願いしておいたのです。
調査員は素人ですから仕方のないことですけど…、ただ今回は単なる調査ではありませんから、すぐ対応しました。」
「どういうことなんです?」
「今回の調査は、その内容から、一件につき30分程度を想定していますよね、もちろん調査対象の方によって差は生じてきますが。」
「でしたね。」
「それが一人の子は一件平均10分を切っているんです。」
「そりゃ早いな。」
「ここから考えられることは誘導的な質問なんです。」
「誘導的ですか…。」
「例えば…、
この村での生活に不便を感じておられることは何か有りますか?
という設問を、
この村での生活に不便を感じておられますよね、買い物とか?
と、尋ねると…。」
「確かに回答者の答えは変わってくるでしょうね。」
「はい、訪問販売ではありませんから、誘導する必要ありませんし、調査の精度を著しく落とすことになります。
それだけでなく、ひどい場合は回答者の方に対して、私達に対する不信感を抱かせる場合もあります。
この調査員の子は本部に戻して夕食の準備にあたってもらい、その担当エリアはうちの研究室のメンバー二人で再調査することにしました。」
「了解しました、私もフォローしたいと思いますから、再調査対象世帯のリストを後でお願いします。」
「はい。」

「もう、一件は?」
「時間がかかり過ぎているんです。」
「はぁ、逆ということですか?」
「ええ。」
「担当エリアを消化しきれないのですね。」
「そうです、普通の調査だったら完全に調査員失格ですね。」
「ということは今回は。」
「ふふ、白川先生から、今回の調査はただの調査ではなく、これからの活動の足がかりだって、何回聞かされたことでしょう。」
「はは。」
「サポートからの報告では、ずいぶん時間のかかった一件目の調査対象のお宅から出てきた後も、おしゃべりが続いていたそうなんです。」
「うん、うん、いいなぁ~、突撃部隊の子たちには今回の趣旨をほとんど伏せていたからね、サポート隊もちゃんと遠くから見守ってくれているんだ。」
「ですね、ただ予定してた調査は予定通り終えたいですし…。」

「あっ、留美ちゃん、対応決めてくれた?」
「はい、先生、のんびりやさんのフォローには私が行くことにしました、本部が少し手薄になっちゃいますけど。」
「大丈夫よ、他の子たちは普通に順調にやってるみたいだから。
でも、そろそろお昼時だから…。」
「はい、サポート隊は午前中の調査結果を本部へ持ち帰ったり、昼食を突撃部隊へ届けるために動き始めてくれています。
でも、特に問題はないとの無線連絡も入っていますので、私も、昼食便に便乗させていただこうかと思ってます。」
「ふふ、のんびりやさんのサポートって誰だったかなぁ…、留美ちゃん職権乱用はだめよ。」
「先生、そんなんじゃないですよ。」
「それにしては、お顔が真っ赤よ。」
「えっと、え~と、ここに来てる人たち、みんな慶次さんの考えに賛同して一生懸命じゃないですか。
だから…、なんか、みんなかっこいいなぁ~って思って…、仲間だし…。」
「そうよね、うんうん、じゃあ彼のことは黙っててあげるわね。」
「あ~ん、慶次さん、先生たら何時も私をいぢめるんですよ~。」
「で、誰?」
「あ~、慶次さんだけは信じてたのに~!、も~、ぐれてやる。」
「はは、留美ちゃん、フォローよろしく頼むな。」
「う~ん! いってきま~す!」




自分のペースで外国語を学ぶなら
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調査-7 [権じいの村-2]

「白川くん、ちょっと。」
「は、はい片桐先生どうかされましたか?」
「午前中の調査結果の中でな。」
「はい、何か気になることでも?」
「うん、この人なんだけどね、サポートの学生も、調査の子から気になるって言われたらしくて…。」
「えっ、もしかして。」
「急いだ方がいいかもしれないんだ。」
「はい、すぐ連絡をとります…、あっ、このみちゃんのエリアか…。」
「どうした?」
「ここから一番遠いんです。」
「私の車で行こう。」
「は、はい、誰かに、あっ、良かった、真一、緊急事態だ。」
「どうしたんです。」
「健康上に大きな問題があるかもしれない人が、このみちゃんの調査所見で発見された、俺と片桐先生ですぐ向かう。」
「えっ、え~と、方向はわかりますよね。」
「当たり前だ。」
「行って下さい、途中で無線機を受け取れる様にすぐ手配します。」
「わかった。」
「後は無線で。」
「頼むぞ。」
「はい。」

「片桐先生この道をまっすぐ行って下さい。」
「おう。」

「あっ、城山が手を振ってます、止めていただけますか。」
「ああ。」

「慶次さん無線です、どうぞ、このまま後を追います。」
「うん、頼む。」

「健一か本部、応答してくれ、健一優先だ。」
「はい、健一です、状況は本部から聞いています。
そのまま林道を来て下さい、僕の車でふさいで確実にわかるようにしてありますから。」
「了解。」

「慶次さん、本部、真一です。
必要なら、病院へ連絡をとりますがどうしましょうか?」
「片桐先生、どうでしょう?」
「実際に患者を診てみないと断言しずらいが…。」
「一番近い診療所、病院までの距離はご理解していただいていますよね。」
「もちろんだ、ただ移動の負担ということもあってな。」
「あ、そうだ、真一、念のために片桐先生のとこの、裕子ちゃんと麗佳ちゃんをこっちへ頼む、調査結果の確認なんかは後でもできるからな。」
「はい、了解しました。」
「それから…、片桐先生、薬が必要になるということはありませんか?」
「そうだな手持ちだけでは心もとないな。」
「診療所の薬で何とかなりますか? それとも病院?
念のために一台向かわせておこうかと思うのですが。」
「そうか、とりあえず診療所へ、たぶん診療所で大丈夫だ。」
「はい、どちらにしても診療所は病院への通り道にありますから。」
「真一、診療所へ一台頼む、薬が必要になったら運んでもらうためだ。」
「はい、了解しました。」

「あっ、先生そこみたいです。」

「片桐先生、こっちです、お願いします。」




アサヒフードアンドヘルスケア株式会社

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調査-8 [権じいの村-2]

「真一くん、慶次から連絡は?」
「まだ有りません。
健一からは現場で待機中との連絡が入っています。」
「調査の方はどう?」
「調査に問題があって対応した二件と、このみちゃんのとこ以外はほぼ予定通りに進んでいます。
城山は無線を持ってサポートに戻りました、健一のサポートエリアもカバーしてくれるそうです。
調査員の子たちに事情の説明をして、現場のサポートもできる様にするつもりだと言ってきました。」
「このみちゃんは?」
「調査結果を健一に渡した後から、ずっと患者さんのところだそうです。」
「気持ち的に、調査どころじゃないでしょうね、あっ山岸先生。」
「このみちゃんの所は私と久美ちゃんでフォローします、本部がかなり手薄になりますけど。」
「何とかします、真一くん車の方は?」
「健吾が待機してますので、すぐどうぞ。」
「はい。」

「サポート隊の方は大丈夫?」
「はい、自分たちの予備調査を中断してもらいました。
次に車が必要になったら…、今は僕しか残ってませんが、すぐ別の一台を待機状態にできると思います。
あっ、連絡が入ってます!」

「本部、本部、こちら白川。」
「はい、こちら真一です。」
「今、診療所へ連絡したところだ、診療所へは誰が向かってる?」
「中根さんです。」
「なら迷うこともないな。」
「状況はどうなんです?」
「何とか大丈夫の様だ、気づくのが早くて良かったって片桐先生もおっしゃってみえたよ。
診療所からの薬が届けば、問題ないそうだ。」
「このみちゃんのお手柄ってことですね。」
「うん、そっちはどうだ?」
「まぁ、かろうじて…、メインの調査だけは多少の遅れは出ても終われそうです。」
「なら、上出来だな。」
「はい。」




ペットの医療保険
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調査-9 [権じいの村-2]

「みなさん、今日はほんとうにお疲れさまでした。
ごちそうを目の前にして、長々とお話しするのも何ですから、一つだけ報告させてもらって乾杯とします。
全員、揃ってる?」
「はい。」
「今回の調査過程で偶然見つかった次三郎さんは、みんなのおかげで容態も安定、今はこの近くの親族の方のところで休んでおられます。
みんなありがとう。」

「わお~!」
「よかった~。」
「このみのお手柄ね。」

「と、いうことでまずは、このみちゃんに乾杯!」
「かんぱ~い!」

「ほら、このみ、ごあいさつなさいよ。」
「へ~、そんなこと言われても私…。」
「このみちゃんが、きちんと次三郎さんと向き合ってくれたから、片桐先生も気づかれたのだよ。」
「白川先生…、でもお医者さんが調査メンバーに入っていらしたなんて思ってもいませんでした…。」
「はは、君たち山岸先生のとこの1,2年生には、ただの調査と思って欲しかったから…、色々内緒にしてたんだ。」
「え~。」
「調査前に調査員が色々知ってしまうと調査の精度を落とすこともあるんだよ、興味があったら山岸先生の講義を受けるといいな。」
「はい…。」

「片桐先生は僻地医療の現状という観点からこの調査に参加して下さったんだ。
調査項目にも、健康に関する項目が幾つかあったろ。」
「はい。」
「その分析に来た筈の、裕子ちゃんと麗佳ちゃんにも今回はお世話になってしまった、二人ともありがとうね。」
「ふふ、当たり前のことですわ、ね、麗佳。」
「うん、分析が、突然、実習になったって程度だから…、慶次さん、逆に過疎の村における医療の問題を肌で感じ取った気分です、ほんとに来て良かったって思ってます。」
「うん、ありがとう、そう言ってもらえると嬉しいよ。」
「ふふ、慶次、村の人たちからはすごく感謝されて、これからの活動が楽になるかもしれないわよ。」
「う~ん偶然とはいえ、次三郎さんに感謝しなくちゃいけないのかもしれないか…、でも胃が痛くなったからなぁ~。」
「はは、私は工学部で専門外ですけど、ほんとに診療所が遠く感じましたよ、過疎地の現状を突きつけられた思いです。」
「中根さんにも、お世話になりました。」
「な~に、私の出番はこれからですからね、あの時は暇してましたから。」

「白川先生、そう言えば今回の調査って工学部とかの人も…。」
「はは、理香ちゃんもようやく気づいたか。」
「何か、全然わかってませ~ん。」
「今回、君たちにお願いしたのは人の調査なんだけど、それだけじゃないんだ。」
「どういうことなんですか?」
「工学部、建築科は建物や宅地の調査の後、建物の補修や実際に家を建てることも検討してる。
土木科は道路や水路とかの調査の後、ここの自然にあった道路整備などの研究や実習を検討中。
農学部の研究室は耕作地の調査、森の調査、その後、ここの環境における農業実習なんてことを模索。
全く別々の研究ではなくて、研究室を越えて意見交換をしていこうということになってる。
片桐先生のとこは僻地医療の問題を中心にした研究の場としてここを拠点と。
情報通信の立場から、僻地における緊急時の情報伝達の実験的研究の場として参加してくれてる研究室もあるし。
老人福祉の観点から問題点を探ろうという研究室も参加してれば…。
こういった研究者たちと村の人たちとの結びつきを考えてる、人間関係学。
そして多くの人が係わることになるから組織という観点からの参加もある。
行政との問題もあるしね。
とにかく、色んなことをこの過疎の村に集約して研究していこうって実験的プロジェクトのスタートに君たちの力を借りたってとこかな。」

「あれっ、里美、どうしたの?」
「理香…、わたしさ…、こんなすごいことだなんて分かってなくて…、このみは次三郎さんとしっかり向き合っていたのに…、わたし…、すごくいい加減で、早く終わらせれば良いってぐらいにしか考えてなかって…。」
「里美ちゃん、何事も経験ってことよ、これからのプラスにできれば何の問題もないのよ。」
「山岸先生…。」




レンタルサーバーの決定版
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調査-10 [権じいの村-2]

「権じい~、きったよ~。」

おお、今朝も来たか…、うむ、昨日とはちょっと様子が違うようじゃな…。

「昨日は色々あったな~。」
「はは、このみは大変だったわね。」
「私のところは病人も出なければ、調査も問題なく済んだから…。」
「私のところも、でもさ、夜の話しは…。」
「そうよね、私は結構軽い気持ちで、今回の調査に参加したんだけどね…。」
「すっごく考えさせられた。」
「うん、私たちってまだまだ、お子様レベルなのかな~。」
「今日は帰りに観光地に寄るのよね。」
「はぁ~、先生や先輩方の話を聞いた後だから、何かなぁ~。」
「先輩方は今日から本格的に動き始めるのよね。」
「白川先生のお話しに、圧倒されっぱなしだったのは、私だけ?」
「私もよ、何か次元が違いすぎよね…、しかも…、まだまだあるって、先輩方の意味深な笑い…。」

「ねえ、先生方にお願いして帰りを遅くしてもらわない?」
「で?」
「もう一度、村の人たちとお話ししてくるの、だってさ…、調査員としては失格だけど、今回のプロジェクト的に嬉しかったって…。」
「法子のことね。」
「うん、私だって、この村の人たちともっと仲良くなりたいわ。」
「大学関係者が、この村の人たちと仲良くなれるかどうかが、プロジェクトの成否を決めるって、白川先生言っておられたわね…。」
「私たちは先輩方と違って、次、何時来れるかわかんないのよね…。」
「う~ん、あっ、理香。」
「みんな~、集まって~、話しがあるの。」



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