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あっ! [あっ!]

山がその色を素敵に変化させて行く5月の朝。
山上明は通勤途中の車上。
信号待ちで山を眺めながら考え事をしていた。

(連休が明けたらすっかり東谷山の色も変わったな…。
いまの時期、あの色だとどんな木なんだろう。
そうだ、たまには山にでも行ってみるかな。
日帰りでもいいとこあるだろう…。)

学生時代は登山もしていた山上だったが最近はそんな機会を持てなくなっていた。
少し調べて出かけたのは登山というよりはハイキング。

(新緑を渡る風が気持ちいい、空気も違う、やっぱ来て良かった。)

左から渓流のせせらぎの音が聞こえるようになる。

(こんな音忘れていたなぁ~、心が洗われる…、おっとこの先は登りがきつくなりそうだ。)

登りきったところには静かな池があった。

(へ~こんなとこに池があったんだ、う~ん神秘的な池だな…。)

「あっ!」


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おまけ-その壱 [あっ!]

「あっ。」と思わず声を上げる山上。

(カワセミだ!)

彼はカワセミの姿に心を奪われる。

(綺麗だなぁ~。)

しばらくしてカワセミは飛び去って行った。

(カワセミに出会うなんて思ってもみなかった。
見るの何年ぶりだろう…。
あれっ、あそこにカメラを持った人がいるな。)

「こんにちは。」

初老のカメラマンに声をかける、山上。

「こんにちは。」
「何を撮影してたのですか?」
「カワセミだよ、今日は良いのが撮れてね。」

カメラマンは嬉しそうに話す。

「カワセミって綺麗ですよね。」
「うん、なんせ「渓流の宝石」と呼ばれてるくらいだからね。」
「飛んでいるところを写したのですか?」
「そうさ、結構難しいんだよ。」
「でしょうね、じっとしてる訳でもないでしょうから。」
「その難しさが、楽しみでもあってね。」
「なるほど。」
「君は一人で散策中なの?」
「はい、学生の頃は登山とかしてたのですが最近はハイキングすらしてなくて…。
何となく思い立って久しぶりに森へ来たのですが…、来て本当に良かったです。
カワセミも見れたし、森の空気、清流のささやきにも癒されました。」
「それは、良かった。
どうだいコーヒーでも一緒に、多めに持ってきてるからさ。」
「良いんですか?」
「カワセミに心を奪われた者同士なんだからさ、時間に余裕は?」
「はは、たっぷりあります。」
「じゃあ喫茶カワセミのオープンだ。」


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おまけ-その弐 [あっ!]

「あっ。」と思わず声を上げる山上。

(牡丹だ!)

彼は牡丹の花に心を奪われる。

(それにしても、こんな所に自生するような品種じゃないと思うけど…。)

と、辺りを見回す。
そこは、ハイカーのために適度に整備されていてベンチがあり作業着姿の老人が座っていた。

「驚いてくれて有難うな。」

老人から声をかけられる、山上。

「は、はい、こんな山の中でこんなに艶やかな牡丹に出会うとは思ってもいませんでした。」
「はは、わしのいたずらなんじゃよ。」
「えっ? いたずらなんですか?」
「うちの庭からここに移植してな、この池に来る人を驚かせてやろうって。」
「確かにこれだけ立派だと驚きます。
でも、掘って持ち帰る人がいるかもしれませんよ。」
「まあ、それならそれでいい、持ち帰った人がちゃんと世話してくれればな。
「わしも後、何年生きられるか解らないからな、この牡丹にはずいぶん楽しませてもらったし。」
「そうなんですか…。」
「もっともわしは毎日のようにここに来ているから、簡単にお持ち帰りとはいかないんじゃがな、はっは。」
「毎日なんですか?」
「ボランチアって奴をやっていてな、この池の周辺の管理者って感じだな。」
「へ~、じゃあおじいさんが、この神秘的な池を守っているのですね…。
あっ、そうか神秘的に見えるように管理してるのですね?」
「お主なかなか見る目があるのう。
手を加えすぎても、手を抜きすぎてもこの風景は守れないんじゃ。
牡丹はまあ、日光東照宮の陽明門で、完璧はいけないと1本の柱をわざと逆さまにしている様なもんじゃな。」
「はは、でもあの位置なら池を見ている時は目に入りませんから、それも計算の内ですか?」
「まぁな、そうだ、お主、独身か?」
「は、はい。」
「うちの孫娘がな…。」


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おまけ-その参 [あっ!]

「あっ。」と思わず声を上げる山上。

彼は池の水面にうつ伏せになって浮かぶ人を見つけた。

(水死体か…、ど、どうしよう、まずは池から引き揚げるべきか? 警察へ連絡するのが先か、あっ、携帯は車に置いてきてしまったぞ、あ~誰か来ないかな、う~ん、どうしよう…。)

と、その時水面の人が動き始める。

(あっ、あれ? 生きているんだ、ふぅ~、あっ、頭の所に見えているのはシュノーケルかも。
あっ、こっちに来る。)

岸に近づき顔を上げたのはウエットスーツを着た女性だった、マスクを取ると山上ににっこり微笑みながら声をかける。

「こんにちは。」
(うあっ、美人だ!)
「こ、こんにちは、さっきは水死体かと思ってあせりましたよ。」
「ふふ、ごめんなさい、色々観察する時はじっとしてた方が良いのです。
そう、死体の様にね。」
「背中に生きてますとか書いといてくれませんか。」
「はは、確かにそうした方が良いかもしれませんね。」
「ここで、何をしてたんです?」
「今日はイモリの観察です。」
「えっ?」
「大学の研究室で両生類の研究をしていまして、特にイモリは再生能力とかが高くて不思議な生き物なんです。」
「へ~、そうなんですか、イモリは子どもの頃…、あ、そんなかっこのままじゃ風邪引いちゃいますよね。
私はそろそろ帰ります。」
「あらっ、まだ日が高いのにお時間ないのですか?」
「そんなことないですけど、私がいたらご迷惑かと。」
「ふふそんなことないですよ。
驚かしてしまったお詫びにお茶でもいかがです。
近くの駐車場で着替えて、コンロとかも持って来ますのでちょっと待っててもらえますか?」
「は、はい、この近くに駐車場があるのですか?」
「ええ…、この池は何か神秘的でしょう?
とても素敵なおじいさんがバランスを考えながら管理してみえるからなんですよ。
運が良ければカワセミと出会えるかもしれません。」
「はは、すでに運良く素敵な美女に出会ってますけど。」
「ふふ、じゃあ行ってきます。」

(確かに神秘的な池だ、でも何より神秘的なのはさっきの女性だな、水から上がったばかりだから当然素顔だったのに…、戻ってきたら何を話そう…、やっぱり子どもの頃飼っていたイモリのことかな…。)

20分もしないうちに帰ってきた女性としばらく楽しいひと時を過ごした山上。
自宅に帰ってパソコンを立ち上げる。

(え~と地図は…。
あの池の近くの駐車場ってどの辺りにあるんだろう、また行ってみたいからな…。
あっ、あれっ、な、ない、近くに車の通れるような道路すらない。
20分ぐらいで帰って来たってことは…。
俺は夢を見ていたのか…?)


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