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選挙-02 [高校生会議-15]

みどりの風を支えて来たのは岩崎高校生会議のサポートメンバー、人数は高校生を遥かに上回り、岩崎王国の非営利団体の一員として様々な活動に取り組んでいる。
政治に無関心だった若者に変革を訴え、それなりの成果を出してはいるが、選挙を考えると今一つ物足りない状況ではあった。
それを変えてくれたのが日本の大物歌手達、彼等が選挙応援に登場し始めると、日本中のみどりの風、選挙運動会場に人が押し寄せる様に。
そして、アメリカから来てくれたビッグスター五人の登場は、更に大きなインパクトを与えた。
女優、男優、歌手、彼等はみどりの風の方針を理解した上でカメラの前に立ってくれ、自分に投票権はないが政策を知って応援したくなったとはっきり話してくれた、勿論ジョークを交えながらだ。
そして一人の歌手は私に歌を捧げてくれた、歌詞の内容は…。

『俺達の国にキングはいない、だから今まで俺にプリンセスはいなかった。
でも今日プリンセス遥香に忠誠を誓いナイトになって知った。
心に有るプリンセスという存在が、俺に安らぎを与えてくれることを。
尊敬する存在。
俺達のプリンセスは女神、世界中の人に思いをはせていてくれる。
プリンセスは語ってくれた、平和な世界を、安らぎの有る世界、愛に溢れる世界を。
何時しか俺の目には静かな涙が…。』

少々大袈裟な歌詞では有るが、選挙の応援として大きな効果が有った事は反響の大きさで分かる。
歌詞の中にみどりの風は一度も登場しないが、党が目指す社会の姿をイメージして貰うには充分過ぎる内容だった。
彼の許可を得て党のサイトで視聴可能にした所、国内のみならず噂が広がった海外からのアクセスも急増した。
そんな情報は私達のスケールの大きさを日本人に伝える事となる。

「遥香さまに捧げる歌は、以前にも作って頂きましたが、今回のはインパクトが違いましたね。」
「桜、ラジオ番組でも流させて頂くの?」
「はい、著作権関係はクリア出来ました、みどりの風に触れさえしなければ、遥香さまに捧げられた歌に過ぎませんので問題ないです。」
「CD化の話はどう?」
「もっときっちり仕上げた形で録音し直すそうです、ただ今回の録音は魂の叫びだから同じ曲を二つのバージョンで収録したいと話していました。
CDからの収益は岩崎王国の貧困対策で使って欲しいそうです。」
「チャリティーの考えがしっかりしてるのよね、成功者の義務という感覚なのかしら。」
「他の政党は面白くないでしょうね、応援に来て下さった方々にまともなギャラを支払ったら合計何億というレベル、それを皆さん自腹どころか…、ナイトの称号を授けただけで今後の協力を約束して下さって。
まずは岩崎王国を二億人規模にしましょうって真顔で話されてましたね。」
「彼等が関わってくれた事で、それが通過点に過ぎない事の様に思えてしまうわ。
それだけの国民がいたら、遥香コーポレーションの売り上げが落ちても、遥香のお願い、プリンセス遥香の商品買ってね、と言えば何とかなりそうじゃない、ねえ聡美。」
「はは、売り上げは落ちそうにないですし、今は生産能力を高める事が重要、間違っても商品の宣伝をしてはだめですよ、数量限定十万個の商品でさえ簡単に売り切れる状況ですから。」
「すべての商品を数量限定にしてみて、どう、不良在庫は発生していない?」
「売れ行きの鈍いアイテムは有りますが、何となく売り切れています、マーケットが日々拡大していますから、それだけに商品の質を落とさない様、喝を入れています。」
「ふふ、聡美の喝なら効果有りそうね。」
「社内向け映像を流す時は静香にも出て貰っています、クールビューティー遥香姫親衛隊隊長の力は絶対ですから、隊員たちが気を引き締め直すのに多くの言葉は要らないのですよ。」
「選挙が終わって落ち着いたら、私からも全社員に向けてのメッセージを送りたいわ。」
「お願いします、遥香コーポレーション向けと岩崎王国向けの二本をお願い出来ますか?」
「ええ、たまには社長だという事を思い出して頂かないとね。
選挙のお礼やこれからの世界展開に向けて、何がどう進んでいるのか知りたい人に向けてお話ししておく必要が有るでしょ。」
「はい、姫は岩崎王国の象徴です、定期的に国民の前に出て頂けると国民の結束が高まると思います、でも出過ぎると有難味が薄れますし、遥香さまの負担が大きくなりますから、バランスを取りながら今後のスケジュールを組まさせて下さい。」
「ええ、任せるわ、でも選挙結果にもよるわね、もし思う様な結果にならなかったら、岩山さんより私がクローズアップされる形にするのよ。
あくまでも私の敗北という形にしておけば、党のダメージを減らせると思うの。」
「えっ、遥香さまはそんな心配をされていたのですか?」
「勿論過半数取れると思っています、でも思わぬ事態という事も想定しておかないと指示が遅れるでしょ。」
「は、はい…、あ~、桜、私って気が緩んでいたのかな?」
「私達まだまだね、聡美、見直そうか。」
「ええ。」

彼女達はスタッフに再度の見直しを指示するだろう。
調子の良い時程、足元の再確認は必要だなのだ。
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