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姫-09 [高校生会議-13]

キサワイ王国との友好条約締結調印式は私達が東北旅行をしている時に行われた。
当然旅先へも取材が、その取材には聡美が応じている。

「今回の調印式に岩山さんというのは、やはり選挙対策ですか?」
「この程度のことが選挙に影響するのでしょうか?」
「目立ちましたからね、影響が有るだろうと考えての事ではなかったのですか?」
「岩山はチーム遥香の仲間ですが、選挙を考えた場合、みどりの風が圧勝した市長選と選挙区が被っています、今更選挙対策の必要が有るとは思えません。」
「いえ、次期党首という事で岩山氏個人と言うより、みどりの風にとって大きいのではないですか?」
「そうですか? すでに遥香さまより党の方針は明確に示させて頂いております。
現在審議中の内容に対する意見、政策を見て頂ければ、岩山がサインする光景を捉えてどうこうというレベルではないと思いますが、まだ衆議院選挙が何時行われるのかも分かりませんですし。」
「選挙対策で無いのでしたら岩山氏を代表に選ばれた理由をお聞かせ願えませんか?」
「チーム遥香のメンバーの中で一番、時間に余裕が有ったからです。」
「えっ? 暇だったという事ですか?」
「はい、遥香さまの様にDVDの為の撮影も有りません、みどりの風関係者はそれぞれ政策を研究したり、選挙に向けての準備をしたりと動いています、岩崎王国の関係者も王国の更なる発展に向けて日夜努力しています。
岩山はそんな状況にあって、じっくり全体を見る、というスタンスです。
党のトップに余裕が無ければ…。
岩山には攻撃的なだけで中身のない党首になって欲しくない、と考えているのは私だけでは有りません。
遥香さまは自分で忙し気に動き回る様な人物を後継に選んだりしません。
結果、調印式はチーム遥香の中でも一番暇そうな岩山という事になりました、サインして来るだけですからね。」
「はあ。」
「まあ、党首となり選挙となったら大変でしょう、その前に奥さんとのんびりして来なさいと、遥香さまからの愛情有る御指示なのですよ。」

何本かの取材に対し、聡美はこんな調子で応じた。
そんな姿を見て…。

「前野君、聡美は政治家向きだよな。」
「ですね、適当にはぐらかしつつ伝えたいポイントは押さえてる、素質だけでなく遥香さまの影響も大きいのでしょうか、杉浦さんのご指導も良かったのでしょうね。」
「私は大した事してないよ、まだ高校卒業して半年にもならない未成年、遥香さまの側近になって無かったら無駄な研修を受けさせられて力を発揮出来るまで時間が掛かったろうな。」
「能力を伸ばす環境という事を考えさせられました、遥香さまはどの程度聡美の能力を見抜いてらしたのですか?」
「彼女は積極的なの、だから色々な先輩から助言を受けた。
それを消化し切れるだけの能力を感じた時点でチーム遥香にと考えたの。
私の一言に対する反応の良さは誰にも負けない、何をすべきかの判断が早い、急ぎ過ぎてミスしても自分でカバー出来る、でも一番は私と同じ腹黒さを持ってる事ね。
知らない内に彼女の子分になってた…、ふふ、自分が子分になってる事にさえ気付いてない人も沢山いるわね。」
「リーダーとしての資質ですね、やはりこれから築く貴族社会で目立って貰いますか?」
「本人次第ね、彼女にとって無理の無い様に、前野さんお願いしますね。」
「分かりました、状況によってはブレーキを掛けさせて頂きます。
出来れば第二の姫といったポジションに置きたいですが、本人は遥香さまの側近という立場をとても気に入っているようですので。」
「はは、前野君、あの子はしばらくやりたい様にやらせてやろう。」
「そうですね、彼女が壁にぶつかるまではそれがベストかもしれません。」
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