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岩崎高校生会議-45 [高校生会議-21]

岩崎王国がなぜ大きく拡大しているかは、岩崎高校生会議の学習テーマとなっている。
例えば、岩崎王国の国王である岩崎社長の功績…。
彼は今の岩崎王国の原型となる企業グループを大改革した。
非正規雇用を大幅に減らし正規雇用に、時給八百円で働いていた人が月給三十万円になったのだから皆喜んで仕事に励んだという。
とは言っても収益が上がらなければ、給料が払えない。
その為に取ったのはグループ間取引の拡大、グループ間という事で値引くのではなく、きちんと利益の出る価格でだ。
それは社員個人のレベルでも行われた。
今までグループ外の商品を購入していた人には関連グループ企業の商品購入を推奨。
その商品が他社より劣るのであれば積極的に改善提案をする体制を作り上げた。
社員達はグループ企業の一員という意識を強める様になる。
薄利多売だった企業は、品質を上げ利益率の高い商品にシフト、効率化を計る。
この時期に思い切った設備投資をした事も大きい。
社員にとってきつい作業を減らす事に成功し生産効率が上がった。
設備投資にはグループ内の別企業が関わる、当然その企業の売り上げアップに繋がる。
勿論、グループ内の取引だけでは成り立たないが、品質が上がった事と社員に対して優しい企業というイメージ戦略が成功し売り上げアップに繋がった。
兎に角安ければ良いという人は、ブラック企業の商品やサービスでも気にしないのだろうが、気にする人が少なからずいた訳だ。
こうして私が高校生になる頃には、岩崎王国の基礎が固められていた。
その岩崎社長が久しぶりに城へ…。

「お父さまお久しぶりです。」
「おお、また一段と綺麗になったね。」
「ふふ、お父さまは少しお腹が大きくなりました。」
「まあ、貫禄というのも必要なのさ、国王が痩せていては貧乏くさい国だと思われてしまうだろ。
王子や姫に任せる事を増やして、のんびり出来てる証拠でもあるがな。」
「分担は固まりましたか?」
「ああ、国際平和会議は譲治に、過疎地再生は里美にといった具合にね、何時でも引退出来る体制を作っておいて、国連と向き合おうと考えているが、遥香姫としては国連総会出席をどう考えてる?」
「微妙です、岩崎王国が国連の一員となる事のメリットがあまり感じられません。
お父さまが築かれた岩崎王国は海外展開も、お父さまのお考えに沿った形で進んでいます。
これから国連に加盟となると、国家間の大きな問題と向き合う事になりますが、果たして…、費用負担ばかりさせられるという可能性はないのでしょうか。」
「確かにマイナス面は考えられる、だが大国のリーダー達が女神、遥香姫を感じる機会を作りたいと思ってね、私としてはそれだけなんだ。
遥香姫の女神パワーを世界平和に役立ててくれないだろうか。」
「私自身、自分の力は良く分かってないのです、ある日突然パワーが消えてしまうかも知れないのですよ。」
「そんな時は私が前に出て何とかする、今は世界中で遥香姫にしか出来ない事をして貰いたいのだ。」
「私だって、自分の力が本物で、それによって世界が平和になるのなら嬉しいですが…。」
「でも彼氏が出来そうに無くて寂しいとか?」
「いえ…。」
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岩崎高校生会議-44 [高校生会議-21]

岩崎高校生会議で検討を進めている事の一つに教育制度改革が有る。
難しい問題で、すでに色々な討論がなされてきたのだが教育制度に正解は無いのかもしれない。
私からは、何のため、誰のための教育なのか考えて下さい、とだけメッセージを発して有る。
遺伝的要因、環境的要因によって人の能力は同じではない。
単に暗記能力、論理的判断能力だけでなく、学習に向き合える能力にも差が有ると中学時代に同級生の学習を手伝っていて感じた。
公立の小中学校では能力的に大きく差の有る児童生徒が同じ教室で同じ授業を受けている。
能力の高い子にとっては無駄が多く、低い子にとっては苦痛が多いかもしれない。
システム上の討論でも、分野毎に様々な問題点の指摘がなされている、愚痴に近いものもあるが。
そんな中からかなり実験的な取り組みを進めている。
思い切った事が出来るのも、特別法案を通せる環境有っての事だ。

「忍、岩崎学園で単位制度を試験的に始めて、そろそろ効果とか問題点とか見えて来てない?」
「力が有れば年齢に関係なくレベルの高い学習内容に進む、学齢に関係ない授業クラス編成、さすがに、始めの内は戸惑いが、特に上の学年の子には強かったそうです。
ただ個々に取得単位目標を設定していますから、年下の子に抜かされても、自分の目標をクリアして行けば良いのだと納得して学習に取り組める様になり落ち着いてきたそうで、教師陣が心配したほどでは無かったと聞いています。
遥香さまが社長になられた時、部下が全員年上だったという事実を子ども達も認識しているそうですし、基礎計算が出来ない子に数学を教える無駄、それを省く事の意味も理解された様です。」
「ストレスを感じない学習環境は実現出来そうかしら?」
「まだ試行錯誤の最中です、単一学齢の教室を崩壊させたメリット、デメリットは長期に渡る追跡調査の結果を見ないと判断出来ない…、いえ、個別の事情が有りますから結論は出ないかも知れません。
ただ、社会へ出ればうんと年上の人とも付き合わざるを得ない訳です、年齢差の有る環境で学ぶ事は悪く無いと思います。
子ども達がどんな人間関係を築いて行くかを見守って行くのが教師の役目だと、報告の中で担当教師が記していました。」
「そうなのよね、私も子どもの頃は学習より、人間関係の方が難しいと感じていたわ。」
「そうでしたか…。」
「私の近くで給食を食べたいという子が多くてね、片寄らない様に気を使ったのよ。
姫になってからは、変に気を使っては姫らしくないと、気を使わない様にしてたけど。」
「結局、気にはされていたのですね。」
「まあね。」
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岩崎高校生会議-43 [高校生会議-21]

みどりの風が国政政党として政策を推し進める中で大きな役割を担っているのが総理大臣諮問機関だ。
これはみどりの風が国政に打って出ようとし始めた頃に岩崎高校生会議の中で結成された政治研究会が元になっている。
そこへ遥香システムを導入し共同研究体制を築き上げ、岩山政権誕生後は国の機関と、その位置づけを変えてきた。
諮問機関と言っても名高い教授がメンバーなのではなく、大学や研究機関が深く関わっている。
政治、法律、経済、福祉、教育など、国の政策に係わる様々な問題に対して研究者達が意見を戦わせ、必要ならば法案を作っている。
一つの問題に対して複数の案が提出される事も有るが、そこから選択して行くのは政治家の役割だ。
法案は、法学部とその問題に関係する学部が共同で取り組むという形が多い。

「忍、総理大臣諮問機関について海外からの問い合わせが増えてる様ね。」
「はい、今国会で審議されている法案の多くは諮問機関からの提案、その内の半数は学生達が中心になって作成した法案、国際ネットワークでも報告されていますから、注目を集めて当然です。
学生達は必要有らば現地、現場の調査を広く行っていますから、法案の根拠が明確です。」
「個別の立法案件は安心ということかしら、それで、法体系全体の見直しは進んでいるの?」
「法の盲点を突かれない為の文言が法律を複雑にしていたり、法解釈で意見が分かれたりと難しいですが、まずは法律をもう少しすっきり出来ないかと取り組んでいます。」
「簡単では無いでしょう?」
「はい、人の嫌がる事をしてはいけません、が法律として通用する訳では有りませんから。
でも面白い案が出て来ています、実現は難しいかも知れませんが…。
例えば、遺産相続で揉めて長引いたら、相続税がどんどん高くなるなんて良いと思いませんか。」
「なるほどね、でも焦って殺し合わないかしら。」
「私個人としては金の亡者がどうなろうと構わないのですが…。
刑罰の内容を変えて、強制労働という案は如何です、主に過疎地の再開発を考えての提案ですが。」
「そうね、自発的労働でないのが残念だけど、過疎地を有効活用して行きたいものね。
強制労働終了後もそこで暮らしたくなるような環境が有れば、受刑者がそのまま社会復帰出来るかも知れないわね。
罪と罰の位置づけ、それと刑期を終えてからの社会復帰、その流れが作れるのなら問題のない刑罰になるのかしら。」
「強制労働という言葉に引き気味の人がいますが、もう少し深めてみたいと思います。」
「高校生会議のネットワークにも情報は流してるの?」
「はい、内容を選んでですが、多くの方に考えて頂いています。
そんな、流れから、もし岩崎王国で法律を制定する事となったらという議論が起こり始めました。」
「ふふ、バーチャル王国だから法律もバーチャルなの?」
「笑顔で挨拶出来なかったら自分で自分にデコピンといった個人的な法律? から憲法を真面目に考えて、立憲君主制を考えている人など色々ですが、岩崎王家なら絶対王政で構わないという人も、これが結構賛同を得ていまして、絶対的に国民の事を考えて下さる王家に絶対的な信頼と忠誠を誓いたいという声も出ています。」
「それを、忍はどう捉えているの?」
「偉大なる王と女神が統治する王国の一員で有る事を誇りに思っております。」
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岩崎高校生会議-42 [高校生会議-21]

ボーダーレス教団と同様、岩崎高校生会議の世界展開で熱くなっているのは政治活動だ。
システムを活用して若者中心に政治研究の輪が広がっている。
岩崎王国に協力的な国の中には大統領の諮問機関として岩崎高校生会議が機能している所も有る。
彼等が参考にしているのは、日本の政治改革、みどりの風が政権を握ってからの施策だ。
例えば貧困対策。
老人向け、子ども向けの福祉予算は貧困対策に振り替えられた。
貧困家庭の老人子ども向けへと。
これにより支援を必要としていない家庭へ使われていた予算が貧困層へ回り効果を上げている。
自力で充分な額を稼げなかった人達は、カウンセリングを受けたり子育て支援など色々な形で支援を受ける事が可能になった。
母子家庭であっても安心して子育て出来る環境造り。
援助を本当に必要としている人へこそ福祉予算が使われるべき、貧困家庭を無くそうと、岩山首相が熱弁をふるい推し進めた。
貧困層を減らす事で、犯罪の減少を目論んでもいる。
貧困、犯罪が減れば、社会が明るくなるだろう。
そしてささやかながらも消費拡大、内需拡大が見込める。
経済的に結婚を諦めていた人が明るい明日を考えられる社会を目指すとなると、当然人件費は上がるが、岩崎関係が積極的に雇用する事で何とかなりそうだ。
政府だけが頑張ったところで難しい問題は解決しない。
支援対象者が出来る仕事は限られるが、仕事を作ってでも、彼等が岩崎の標準的な給料を得られる様にしようというのが、岩崎社長の方針。
赤字にしない工夫は岩崎高校生会議のメンバーが考えてくれていて、岩崎王国の拡大がそのまま貧困対策に繋がっているとも言える、岩崎王国は国政に影響を及ぼすレベルまで拡大しているのだ。
当然インフレになるが、日本が抱える莫大な借金を実質的に目減りさせるというメリットが有る。
物価上昇に給与アップが追いつかない人達は転職を考えるだろう。
沢山稼ぎ沢山使う、という岩崎の方針は日本国民に対して好況感を与える事に成功しつつ有る。
安月給しか払えない企業は淘汰されて行くと思う。
今は、岩山総理と岩崎王国の挑戦が少しずつ実を結び始めている段階だ。

「遥香さま、岩崎王国と友好的な国では、日本での政治改革を見守り学ぶ方向の様ですが、岩崎王国が伸び悩んでいる国では、日本のみどりの風の様に、自分達の手で政権政党を作ろうという動きが有ります。
ただ、そういう国は高校生会議の規模が小さいので、こちらからの支援体制をどうするか難しいです。」
「どんなに正論で事にあたっても、既得権益の壁は崩せないとぼやいてる人がいましたものね。」
「桜、この程度の小国なら、遥香さまご降臨で、簡単に事が進みそうではないですか?」
「どうかしら…、遥香さまのご負担になりますし…、身にしみついた賄賂体質とかは、本人達が当たり前の事で悪い事とは思ってないみたいなのよ、聡美、私達の常識が通用しない国も有るの。」
「ふふ、そうよね、私達だって、日本では企業と政治の癒着と言われかねない、ぎりぎりでしょ。」
「ある意味インチキですよね、政権や岩崎に抵抗する勢力の人達を遥香さまのパーティーにご招待するだけで丸め込んで乗り切っているのですから。
それが遥香さま抜きでも可能な事なら世界平和なんて簡単そうですが…、遥香さま、国連総会への出席はどうされますか?」
「あちらこちらから是非にと要請されては、お断り出来ませんね。
立場が微妙ですが、岩崎王国の姫をアピールする事に成功すれば、領土を持たない王国を世界が認めて頂けるかも知れません。」
「すでに大きな影響力を持っていますから、無視は出来ないでしょう、自国の領土内にバチカンの様な形でリアル国家樹提という提案も受けています。」
「それはそれで、どの国の領土内にするかで揉めそうね、でも、その政治形態とかは検討してみたいかも。
もしリアル王国建国となったらとして、岩崎高校生会議にも検討して貰いましょう、お遊び感覚で良いから。」
「分かりましたが…、取り敢えず、二重国籍が問題になりそうです…。」
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岩崎高校生会議-41 [高校生会議-21]

岩崎高校生会議では社会のあらゆる問題と向き合っている。
その中で宗教に関する事は、まさしく思いもしない展開となった。
始めは、教会を持たない宗教組織、ささやかな願いなら叶えてあげる様な宗教が有ったら面白いと考えていた。
教会を持たないという事だけで、運営経費はかなり抑えられる。
金銭的に余裕のある人のお願いを叶える時は必要経費を請求するが、それ以外は信者からお金を求めない宗教。
寄付によって運営されている施設は有るが、収入源は色々有り信者に寄付を強要する必要はない。
こんな宗教に同調してくれる高校生会議のスタッフが多数いる事によって、ボーダーレス教団は発展してきた。
私に特殊能力が無かったとしてもそれなりに拡大したと思う。
逆に特殊能力のお陰で私が悪目立ちしてしまい、テロの標的になってしまったと言える。
自分達の宗教と関係ない神がこの世に存在していてはまずいと考える人達がいる訳だ。
こちらとしては、今までの信仰を大切にして欲しいと訴え、バーチャル王国を感じている時のみの、国境のない人種差別も宗教対立もない、そんな世界の宗教と捉えて欲しかったのだが。
過激ではない宗教家達とは、この旅行中に会う機会を設けた事で折り合いをつけ始めている。
冠婚葬祭はボーダーレス教の役目では無い、つまり彼等の収入源を断つ事を目的とはしていない、死後の世界と言った事に我々は口を挟まない、今を生きている人の為の宗教という位置づけだと理解して頂いた。
簡単に納得して頂けたのは、私の能力によるのかもしれないが…。
その私の特殊能力に関してはあちこちで大論争が繰り広げられているそうだ。
遠くからでも私の姿を見ると神を感じるという、ただし写真や映像では充分に伝わらない。
当然、私と対面した人と、していない人では話がかみ合わない。
元々は会った事も見た事もない存在を信仰の対象としている人達なのだが。
女神論争から発展し、神を説きながら一方で金儲けに走ったり退廃的な行為に及んでいるといった、宗教活動の在り方を見直し始めた宗派や、神の根源を見つめ直そうとしている宗派も有るという。
私の姿を目にすると人々は思わず跪きたくなり、悪事を働いた者は懺悔をしたくなる様だが、ボーダーレス教では基本的に私を女神とはアピールせず、王国の姫、歌姫として前面に出している。
教祖はネット上にしか現れず、司祭や神官は存在しない。
こういった形を取った事から、自分達の宗教に私を取り込もうと画策する人達が現れた。
聡美曰く、賢い選択。
そもそもキリスト教や仏教を名乗る人達は長い年月を経て、多くの宗派に別れて来た歴史が有る。
そこに新たな一ページが加わってもおかしくないだろう。
信徒のほとんどがベランダ前広場で私の歌を聴いたという教会は、分派を決定せざるを得なくなった、私と会った事の無い本部の人達を説得出来そうにないという…。

「遥香さま、教会の女神さまとなって頂きたいとの依頼が届きましたが如何でしょうか?」
「私に何をすればと?」
「特には何も、お写真を教会内に飾ったり、グッズの製造販売をするぐらいです。」
「それでも…、揉めてないのかしら?」
「信徒が力を合わせて乗り切ると話していました。」
「は~、無理しないでねって言える立場では無いのよね…。
聡美、日本の状況報告は見た?」
「はい、元々信仰心が弱いですから、お願い出来る神社が増えたぐらいの感覚、でも楽しめるイベントを作ってくれたらグッズが売れそうとか…、美の女神、叡智の女神として。
日本ではビジネスライクに徹しても喜んで貰えると思います。」
「宗派間の抗争から内戦になってしまう国も有るのに、日本って本当に平和よね。」
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岩崎高校生会議-40 [高校生会議-20]

長期間に渡る旅の中では大きなイベントを何度も開いたが、最大のイベントは、大震災から復興中の国での慰霊祭。
震災犠牲者の鎮魂と復興の一区切りと位置付けられ、国を挙げてのお祭りは二週間に及ぶ。
私の役割は…。

「桜、そろそろ時間ね。」
「はい、もうベランダ前広場は人で溢れています、ですが、いきなりですと買ったばかりのソフトクリームを落とす様な悲しい出来事が起きかねません、しばしお待ち下さい。」

そう言い残し、桜がベランダに出ると歓声が上がる。
私の側近達はすっかり有名になってファンも多い。
簡単な注意事項を話し終えた桜が下がった所で私の出番。
ベランダは宮殿の三階に位置するが、そこから見下ろす広場は人で埋め尽くされている。
私は鎮魂歌を中心に五曲歌って退場、後は地元のミュージシャン達が静かに演奏を奏でる。

「遥香さまワンステージ三十分とはいえ、一日に五ステージ、お疲れでは有りませんか?」
「大丈夫よ、でも、私が登場すると歓声が上がりかけるのだけど、すぐに静かになってしまう。
もしかして、桜より人気無いのかしら。」
「いえ、遥香さまは俗世界の方では有りませんから、皆さん女神さまに失礼の無いようにされてるだけです。」
「でも不思議よね、私が何か奇跡を起こした訳でも無いのに、すっかり神様扱いになってしまって。」
「いえ、遥香さまはすでに多くの奇跡を起こされています。
社長として遥香コーポレーションを瞬く間に大企業へと成長させながら、CDセールスは合計数千万枚、外交では難しい問題をあっさり解決し、岩崎の海外展開は岩崎社長も驚くほどペースが上がっています。
遥香さまを目にしただけで犯罪者が懺悔など、他にも有りますが、これらはまさしく奇跡です。」
「でも多くの方に助けて頂いての事よ、岩崎の社員や岩崎高校生会議のスタッフ、特に海外展開では高校生会議のネットワークが上手く機能してくれた結果でしょ。」
「岩崎高校生会議の世界展開自体が奇跡的だと思います。
遥香さまがお見えで無かったら、うんと小規模で苦労していたのではないでしょうか。
今の様にあらゆる分野をカバーする…、宗教問題を考えて設立したボーダーレス教団が、女神、遥香さまの下急拡大するとは思いもしませんでしたが。」
「そうね…。」
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岩崎高校生会議-39 [高校生会議-20]

今回の旅行は今までの活動を総括し、これからの活動に繋げて行くものだ。
各国の要人との交渉、宗教関係者との対話はスムーズに進んだ。
私は黙って座っているだけだったが、かなりの譲歩を引き出せたのは、女神さまパワーのお陰だと言うスタッフは少なくない。
聡美が心配していたテロは実際に起こりかけた。
私の暗殺を目指して準備していたグループ…。
彼等は指導者から、テロを成功させれば安らかな死後の世界が約束されると言い聞かされていた。
だが、私の姿をパレードで見て自分達の指導者が信じられなくなったという。
女神さまに危害を加えたら、自分達の安らかな死後が無くなると感じたそうだ。
警察に自ら出頭し亡命を希望した後、テロリストサイドから見た警備のポイントを教えてくれたという。

「聡美、私には護衛、必要ないのかもね。」
「それはだめです、多くの人に取り囲まれたら危険ですし…。
立っているだけで犯罪を未然に防いだ遥香さまのお力ですが、他の凶悪犯にも通用するかどうか分かりません。」
「凶悪犯か…、スケジュール調整して刑務所へ行ってみない?」
「刑務所ですか…、そうですね…、少し確認してみます。」

聡美は、刑務所の視察を日程に組み込んだ。
刑務所までの道は所々で車をゆっくり走らせ、沿道の人に姿を見せる、情報は流して有るのでポイントごとで多くの人が集まってくれた。
この様な時はどこの国でも、遥香姫親衛隊の制服を身にまとった若者達が人の整理をしてくれる。
全員岩崎高校生会議のメンバーだ
沿道の人達は、ボーダーレス教団の教団服を身に纏う人が増えているが、そんな中でプリンセス遥香ブランドのドレス姿も目立っていて、遥香コーポレーションの売り上げが半端なく伸びている事を実感出来る。
刑務所でも人々の反応はパレードやライブの時と同じだった。
ただ、訪問翌日から岩崎高校生会議のスタッフが囚人達に聞き取り調査をした結果は…。

「遥香さま、刑務所での聞き取り調査の報告が有りました。」
「どんな感じ?」
「遥香さまを目にしての感想を聞く筈が、ほぼ彼等の懺悔となり、未解決事件の犯人だと告白した人が多数、女神様に許されるにはどうすれば良いのかと多くの人に聞かれたそうで、改めて遥香さまのお力が確認出来た形です。」
「これから真面目に生きてくれるのなら、私には許す事しか出来ないけど、出所出来る人の社会復帰は手伝えないかしら。」
「では、その様に。」

岩崎は日本国内で刑期を終え出所した人の社会復帰プログラムを進めている。
国情が違うので問題も有ろうが、この国の岩崎高校生会議スタッフは優秀、何とかしてくれると思う。
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岩崎高校生会議-38 [高校生会議-20]

宗教関係者達との交流は聡美が積極的に進めている。
ボーダーレス教の教えの一つに、今まで信仰して来た宗教を大切にする、として有るからだが、実際には宗教間の対立を恐れての事だ。
ボーダーレス教に教会はない、施設として存在するのは弱者向け総合ホームぐらい。
さらに他の宗教と違うのは、信者の願いは岩崎高校生会議のスタッフが手伝い極力叶えるという事。
奇跡を起こす必要が有る様な願いは却下されるが、真面目な庶民のささやかな願いは幾つも叶えられている。
経済的に苦しい人からはお金を取っていないが、余裕の有る人からは手数料を頂いている。
規模は拡大中だが、私が女神扱いされていなかったら、企業活動の一環として捉えられ大きな問題を想定する必要は無かったと思う。
その必要を感じた聡美が中心となって開いた宗教関係者会議、一回目は百名程の参加があった。
それを終えて…。

「聡美、遥香さまにお目にかかれて、自分の信仰心が試されているのか、もう一度自分達の教えを見直すべき時なのかと話して下さった方がみえたけど、真面目な方は皆さん同様の思いを抱いてらしたと思わない?」
「ええ、私は岩崎王国のプリンセス遥香と紹介したのですが、皆さんそれぞれの流儀で遥香さまに祈りを捧げたりしてましたものね。
遥香さまのお姿を自身が信仰する神に重ねていたのでしょうか…。
遥香さまの存在を自分達の宗教の中に上手く落とし込んでくれれば安心出来る、でも簡単ではないでしょうね。」
「問題は、遥香さまのお姿を直にご覧になられた方とそうでない方とで、大きな違いが有るという事よね。
映像でも女神さまパワーが伝われば、世界がもっと平和に成りそうなのに…。」
「ねえ、桜、それでもテレビやDVDなどを見て、遥香さまのファンになってくれた人は少なくないわ、彼等にとって遥香さまは歌声の綺麗な美しい女性の一人、たとえ女神さまとは感じていなかったとしても大きな力になってくれると思わない?」
「そうね、そう考えると映像や写真に全く力がないという訳でもない…、と言うよりその力が今後のイベントに影響してるのね。
会場変更の話しは進んでいるの?」
「ええ、遥香さまは許可して下さっています。
不慣れなスタッフが五万、十万人規模のイベントを問題なく成功させる事が出来るかが問題でしたが、岩崎高校生会議の国際ネットワークで検討して貰ったところ、遥香さまさえよろしければ全力で応援したいとの声が騎士団から上がっています。
彼等の人脈を使えば何とかなるでしょう、大規模イベントへの変更は旅行終盤で、準備期間はまだ有ります。
仮設トイレなどは各国の軍隊が訓練を兼ねて動いてくれそうです。
今は一人でも多くの人に遥香さまを感じて頂きたいというのが、イベントに対して積極的に係ろうととしてるメンバーの総意です、皆さん一度は遥香さまに会われていますから。」
「そうか、遥香さまという存在は口で伝える事が出来ないものね。」
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岩崎高校生会議-37 [高校生会議-20]

岩崎国際同盟諸国歴訪の旅は私にとって久しぶりの海外旅行。
今回の目的は加盟国間の関係強化、新たに加盟した国も有り十一カ国をゆっくり回る予定。
大震災から復興中の国では慰霊式典が予定に組まれている。
一か国目のホテルに着いて…。

「桜、ここまでは想定外? 想定内?」
「空港からここまで…、ある程度は予想していましたが…、パレードであそこまでとは…、聡美はどう思った?」
「私の位置からは沿道の人が良く見えました、歓迎ムードで盛り上がりかけてる所へ、遥香さまのオープンカーが近づくと、皆さん静かになって、跪くか呆然と立ち尽くすか、文化祭の時と同じ反応とは言え、その規模が違います…、最近女神さまパワーが徐々に強くなっているのは感じてましたが…。」
「う~ん、お姫さまモードはコントロール出来るけど…、そっちは私にも分からないのよ。
相談出来るのは本物の神様だけという事かしら、桜のお知り合いに神様はいらっしゃらないの?」
「残念ながら遥香さまだけです…、遥香さまは、特にお体とかお変わりは無いのですか?」
「ええ、健康そのものよ。」
「そう言えば…、私達もインフルエンザとかに無縁で、オフィスでも病気で休む人がいなくなってた様な…。」
「う~ん、この現象を科学的に解明したいとは思うけど…、私がいぢられるのは嫌だわ。」
「はい、遥香さまを気安く研究対象なんて絶対ダメです、お医者様であろうと許せません。」
「遥香さま、桜、スタッフからテレビを見る様、連絡が入りました…。」
聡美がテレビのスイッチを入れると…。
「わ~、沿道には…、こうして見ると、本当に大勢の人が歓迎して下さったと実感出来ますね…。」
「女神さまパワーについて検証を始めてるのが面白いです、双眼鏡で少し離れた所から見ていた人にも影響が有った事は参考になりますね。」
「それで…、テロリストに遠方から狙撃されるリスクが下がるのなら良いのですが…。」
「聡美は、そんな心配してたの…。」
「桜、女神さまの出現は既存の宗教団体の指導者にとって、また宗教と密接な形で政治を行って来た国の指導者にとって大きな脅威だと思いませんか。
民心が女神さまに移り自分達から離れてしまっては立場が危うくなると考える指導者は少なく無いと思います。
宗教団体にとっては、経済的ダメージも考えられます。
訪問先各国の宗教関係者と面会する企画を組んで反発を弱めようと動いてはいますが、充分かどうかは…。
遥香さまは多くの信者を得ると共に多くの敵を作ったと考えるべきではないでしょうか。」
「私は覚悟の上で動いているから大丈夫だけど、無関係の人がテロに巻き込まれる事は避けたいわ。
私が神様扱いされるという予定外の事に対して対応を誤ると、大きな対立を生み出しかねないのよね。
そうなってしまったら、ボーダーレス教団を立ち上げたこと自体が間違っていた事になるわ、でも、もう後戻り出来ないのよ。」
「はい、大きな問題ですので、緊急課題として世界中の岩崎高校生会議支部でも検討して貰うというのはどうでしょう。」
「そうね、急ぐべきだわ、私に対するアンチや反ボーダーレス教の動きを知りたい、岩崎王国国民の意思も確認しておきたいわね。」
「では、すぐに。」

岩崎王家からの依頼や指示が世界中に広がるのは早かった。
旗を振って私を歓迎しようとしていた人達が、思わず跪き手を組む、といった姿を捉えた映像が世界配信された事によるのだろう。
高校生会議の文化祭で失敗した映像スタッフは、色々工夫を凝らし良い仕事をしてくれていた。
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岩崎高校生会議-36 [高校生会議-20]

文化祭特別ステージの配信に対しては批判的な声も寄せられた。
ただのパフォーマンスだとか、インチキ宗教だとか。
そのお陰で、私の女神パワーは映像を通しては伝わらないという事が判明した。
一方、高校生会議の遥香さま女神伝説は、一段と盛り上がっている。
神について、宗教について考える良い機会となった様だ。
会場にいた人達から、ステージの模様についての報告も有るが、面白いのは人それぞれに受け止め方、感じ方が違っているという事。
同じ経験をしての事だから、色々な宗教が多くの宗派に別れて行くのは当たり前なのかもしれない。
ステージに関しては他に…。

「過呼吸その他の症状でしばらく動けなかった人が結構いたみたいです。」
「ええ、舞台の上からでも気付いたわ。
皆さんの体調を悪くしてしまうとしたら、神ではなく悪魔ね、私は。」
「でも、その後は一様に穏やかで幸せな気分になったそうです、体調が良くなったという人も。」
「それは思い込みじゃないかしら、これからは心臓に持病がある方は入場禁止とか対策を講じて置く必要が有るわね。」
「来月からの関係諸国歴訪の旅では、高校生達に起こった症状と共に心臓疾患のある方は気を付ける様告知しますか…。
側近の私でさえ、最近は普通に跪きたくなるのですから初対面の方が受ける衝撃の大きさは分かる気がします。」
「ふふ、怖がって誰も寄り付かなくなったりしてね。」
「それは無いと思いますが…、遥香さま、今回の歴訪では国家間の関係強化を一つの目的としています、女神パワーを確認する意味でも、提案のハードルを上げてみませんか、ダメもとですので。」
「そうね…、今からでも準備は間に合うの?」
「はい、段階を追ってと考えていましたから、一度にクリア出来れば作業効率面のメリットも有るのです。」
「無理の無いように進めてみて、でも私は今まで通りの姫としてしか対応できないわよ。」
「はい、問題無いです。」
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