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板垣千景-12 [高校生会議2-06]

変な記事が雑誌に掲載されてしまったお陰で私が注目されたのは迷惑だった。
でも、お父さんは将来の事を考えたら、その記事に対してどう対応するのか自分で判断する必要があると言う。
確かに職業として政治家を目指すのであれば対応出来なくてはならないし、逆に利用してみどりの風の宣伝をするぐらいの気持ちが必要かも知れない。
そう思い、竹本市長や桜さんと相談した結果、テレビの情報番組に出させて頂く事になった。
番組へは岩崎の本部が手を回したそうだ。
桜さんが私に付けて下さった仮のマネージャーは、出演までのトレーニングを手配してくれた。
ただ、その内容は濃くて…、彼曰く、本番になったら自分達は何の手助けも出来ないからと。
短期間で色々詰め込む必要が有る為、厳しいトレーニングとなったが、何故それが必要なのかは自分で理解出来ていた。
初対面の人に好印象を持って頂く事は簡単ではない。
結局、学校の先生にずる休みさせて下さいと事情を話し、授業を休んでトレーニングに励んだ。
少しの仕草や表情を変える事で、人に与える印象は大きく変わる。
私の肩書は市長室室長、みどりの風のスタッフだ、私に対する評価をそのままみどりの風の評価に置き換える人がいてもおかしくない、そう考えると緊張感が増す。
それを感じたのか本番の収録前、マネージャーは緊張気味の私に、沢山の仲間がいる、私がみどりの風のすべてを背負ってる訳ではないのだから、気負わずに自然体でとアドバイスしてくれた。
そして本番…。

「今日はスーパー女子高生板垣千景さんに来て頂きました、まずはそのスーパーぶりをVTRでどうぞ。」
さすがにプロの仕事で、紹介VTRを綺麗に仕上げてくれていた、選挙前の動きや選挙後の室長としての仕事を分かり易く描いて有る。
それを受けて…。
「板垣さんは柿川市の偉い人なのですか?」
「いえ、竹本市長のお手伝いをさせて頂く立場です。」
「えっと、ボランティアという事で?」
「いえ、私は岩崎高校生会議というみどりの風支持母体のメンバー、その職場体験実習生として給料を頂いています。」
「それでも、市長室の室長、大きな権限をお持ちではないのですか?」
「権限は有りません、情報を整理し市長の判断を仰ぎそれを皆さんにお伝えするという事が私の役目です、政党が設置したもので市の予算は使っていません、市長を裏から手助けしているとお考え下さい。」
「竹本市長を陰で操っているとの記事を目にしましたが、実際の所はどうなのです?」
「そんな事有る訳ないです、強いて言えば会議のおやつ決定権を握っている程度ですよ。」
「はは、ですよね、こんな可愛らしいお嬢さんがね。
でも、板垣さんが整理した情報を竹本市長が参考にするという事は市政に対して影響力が有るのではないですか?」
「その作業は私一人で行う訳では有りませんし情報の多くは公開しています。
市役所へ私達が使っている遥香システムの導入が決定し、導入されたら、情報公開もスピードアップ出来ると考えています。」
「それをご覧になって頂ければ私が竹本市長を…、なんて、とてつもなく失礼な事だと分かって頂けるでしょう。
竹本市長は社長業をしながら市政を詳しく調べて来られた方で、私の先生でも有りますから。」
「分かりました、ところで板垣さんは将来について、目標とか有るのですか?」
「今はきちんと政治を学んで、将来は政治に関わる仕事をしたいと考えています。」
「政治家ですか?」
「政治家に限りません、政策秘書という道も有ります。
政治に関する学習をまともにして来なかった人が勢いで当選してしまう様な選挙制度ですが、みどりの風ではそれを否定しています。」
「国政政党となって当然衆議院選挙とかに候補者を立てると思いますが、それで候補者は集るのですか?」
「もちろんです、議員候補には仕事で実績の有る人達が、すでに全員当選すれば衆議院で過半数を獲得出来る人数を越えています。
近い内に全選挙区に候補者を擁立出来る人数になるとの情報を得ています。
各立候補予定者にはそれぞれの得意分野から専門分野が割り振られ、複数のブレインが付いています。
簡単に言えば、副大臣になってから、初めてその分野について知ったとか、ほとんど官僚に丸投げとかは有り得ないという事です。」
「方向性がしっかりしているという事でしょうか?」
「はい、みどりの風は地域政党として活動する中で、国政を目指しての準備をしてきました。
私利私欲で所属先をころころ変える議員が立ち上げた政党では有りませんし、もちろん個人の人気に乗っかって立ち上げた政党でも有りません。
地域政党としての実績が評価され党員を増やしての国政政党立ち上げなのです。」
「しかし現時点でみどりの風の国会議員には他党を離党されての方もおられますが。」
「はい、元々地域政党みどりの風が推薦していた方が中心ですが、そうでない方々の中には党利党略の方針に愛想が尽きたと話しておられる方もお見えです。」
「みどりの風はそうならないのですか?」
「基本理念がしっかりしていますし、議員と議員のブレインの立場は対等です。
一個人の考えだけで動く様な方が現れたら離党して頂く事になるでしょうが、私は幹部スタッフの人選を信じています。」
「そうですか、まだ衆議院選挙の話は出ていませんが、議員候補の方々は今、どの様な事をされているのでしょう?」
「ご自身のお仕事と議員となる為の作業をダブルワークの形でしています。
時間の使い方がお上手な管理職の方が中心ですから二つの肩書が有っても問題ないです。」
「そうすると庶民とは感覚が違って来ませんか?」
「岩崎で管理職になる方は人望の厚い方、つまり皆さんの心を掴んでおられる方です。
岩崎では貧困対策に力を入れて来たという事をご存知有りませんでしたか?」
「あっ、それは聞いた事が有ります。」
「優秀な管理者がいて実現している事なのですよ。」
「なるほど…。」

結局、みどりの風と岩崎の宣伝を沢山させて頂いた。
放送後沢山のメールが届いたが一番嬉しかったのは、遥香さまからの…。
『Good Job!!』
だった。
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板垣千景-11 [高校生会議2-06]

選挙戦は…。
市長選公示前日、地域政党から国政政党みどりの風へと変わる事に関する記者会見が柿川市民会館で行われた。
その党首には飛び級で大学生となったばかりの天才美少女、遥香さまが就任。
これをきっかけに、みどりの風の党員は一気に増え、関連グッズはバカ売れし党を潤した。
祭りは公職選挙法に触れる行為をする人が出て来る可能性を考え止めにしたのだが、充分お祭り騒ぎになった。
騒音でしかない街宣車を使わなくても、みどりの風サポーター達が声を掛け合って、高投票率での圧勝を呼び掛ける。
そして、対立候補の応援に来た議員が、遥香さまを小娘呼ばわりした事が止めとなり、まさしく圧勝した、柿川市民は皆、遥香さまが大好きなのだ。
投票日前は選挙戦勝利の前祝、選挙後は祝勝会があちこちで開かれ、飲食店の売り上げアップに繋がった。
私達の、新市長を囲む祝勝会へは、チーム遥香から桜さんが来て下さって…。

「千景さん、お疲れさまでした。」
「はは、桜さん疲れていませんよ、予想通りの圧勝でしたので。」
「そうよね、私は一応市長選担当でも有ったのよ、でも市政部長室のワークシート見てると室長さんがきっちり進めていて、出番がなかったのよね~。」
「あっ、プリンセス遥香の衣装、有難う御座いました。」
「ふふ、似合ってるわよ、新市長を遥香さまと千景さんが挟んで綺麗にまとまっていたわね。
テレビニュースでもばっちりだったわ。」
「選挙結果より、遥香さまとご一緒させて頂いただいた事の方が私にとっては大事件でした。」
「それより、これからが大変でしょ? 市長室室長として動くのだから。」
「はい、でもこれを機に市長室メンバーを充実させます。
選挙対策部はこらから市議会選挙に向けてとなりますが、他の部署は国政の部署との連携を強化して行きます。
それに合わせて人員の配置を変えると、人に余裕が出て来ると考えています。
案は有りますので竹本市長の承認が得られればすぐにでも進めます。」
「忙しくならない? 学校も有るでしょ?」
「大丈夫です、私はあくまでも裏方でバックアップですから、実務は市の職員に任せて監視と提案が市長室の役目になります。」
「もし余裕が有るのならだけど、国政の方も見てくれると嬉しいのだけど。
あなたが柿川のシステムで実践した、本業と観察者の一人二役を組織全体で進めて行く事になったの。
国政のシステムでは観察者として動いてくれると嬉しいのだけど。」
「有難う御座います、学ばせて頂きます。」
「もちろん、竹本市長を陰で操りながらで良いからね。」
「そ、そんな事してません、誰かに聞かれたら誤解されてしまいます。」
「あらっ、雑誌の記事に出るみたいよ、竹本新市長を陰で操る謎の美少女として。」
「え~。」
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板垣千景-10 [高校生会議2-05]

遥香システムに於ける、みどりの風柿川市市政部会のトップは市政部長室、竹本さんが市長に当選すれば市長室となる予定。
最高上位者は竹本さんだが、室長には私が就任した。
部長室の直下に総務部、選挙対策部、政策部、社会福祉部などが置かれそれぞれの下に課を設置。
課の事情により更に係を置いている部署も有る。
私がそれ程大変でないのは、各部署の長がその責務を果たしてくれているからだ。
しばらくの間はその進行をシステムを通して確認、問題を感じたらその問題を解決してくれそうな人にお願いするのが私の基本的な仕事だった。
今は選挙へ向けての動きを確認している。
この組織の特徴は、参加して下さっている方々に二つの役割をお願いしているという事。
一つはその人が担当している作業、もう一つは他の部署の観察。
他の部署の観察は遥香システムがなかったら難しい。
他部署のワークシート進行を観察するだけなら一回五分でも構わないので各自の負担は少ない。
観察していて気付いた事が有れば市政部長室に報告して貰っている。
第三者の目というのは冷静で見落としに気付く事が多い。
また他の部署を見る事で自身の作業にプラスになったとの声も聞かれる。
市のシステムとして本格的に機能し始めるのは選挙後になる訳だが…。

「千景、短期間でよくここまで出来たものだな。」
「竹本さん、基本的には選挙に向けて準備して来た事をシステムに組み込んだだけですから、この作業で選挙戦の最終チェックが出来ました。」
「うん、ならば心強い、千景、先ほど連絡が有って、みどりの風が国政政党として本格的に動く事が確定したよ、公式発表前だから他言無用なのだが、私達の市長選公示日の前日に国会議員の方々がみどりの風への入党を発表する事が確定だ、無所属だったり他党からの移籍でね。」
「いよいよ国政政党の立ち上げなのですね。」
「ああ、暫定的に遥香さまを党首として世間の注目を集める戦略だ、次回の衆議院選挙までに党首は交代だがな。」
「うわっ、本当ですか! ワクワクしますね。」
「市長選への影響はどう思う?」
「当選して当たり前だと思ってましたが、ここは投票率得票率を上げて国政政党を援護したいです、発表は何時頃になります? うちのスタッフへも内緒ですか?」
「そうだな…、非公式に選挙スタッフへ伝えて良いか確認してみよう。」
「早く漏れると問題が有るのは他党からの鞍替え議員ですか?」
「まあ誰が移るのかは私も聞かされていないから…。」
「マスコミ関係が問題かも知れませんが、いずれ分かる事、微妙に漏れて注目されるという手も有りますね。」
「そうだな…、国政政党準備室のワークシートへ私が許可する形でアクセス権を設定しよう、チーム遥香の桜さんが暫定担当、千景の事はすでに伝えてあるから一度意見交換をしておいてくれるか。」
「分かりました。」
「ついでに色々見ておくと良い、もし考え方にずれが有ったら早めに調整しておきたいしな。」
「はい、学習させて頂きます。」

桜さんとの調整で、国政政党立ち上げの話が市長選前に有りそうだとの噂を流す事にした。
それに向けて市長選では楽勝だからと手を抜くのではなく、最高の投票率の中最大の得票数、を大きな目標とし、国政政党としてのみどりの風を勢いづけようと鼓舞する事となった。
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板垣千景-09 [高校生会議2-05]

報酬も発生する竹本社長のブレーンとなってからは、多くの人と話し合い組織固めをして来た。
私の様な高校生の小娘で良いのかと思う事も有ったが、私利私欲とは無関係とのイメージが強く、好感を持たれているそうだ。
実際、皆さんは協力的だった。
選挙の準備も始まり忙しく過ごしている間に、誠は大学の春休みとなり帰って来た。
冬休みにゆっくり会えなかったのは彼が試験を優先したから。
でも、その結果が良かったそうで四月からは新設の岩崎学園大学柿川校に通う事が決まった。
これから近くで暮らせると思うと、思いっきり嬉しい。
誠には遥香システムを教えて貰っている。
高校生会議では私を含めた一部のスタッフだけが昨年末から研修を受け始めた。
基礎はそれ程難しくないが先を考えたらしっかり使いこなす必要が有る。
彼は大学でしっかり学びながら使っていて、かなりの応用まで把握している、頼もしくて惚れ直してしまった。

この春、みどりの風は大きく動き始めた。
岩崎高校生会議が国政政党を目指すみどりの風の正式な支持母体となった、それに伴っての遥香システム本格導入。
この流れを苦も無く乗り切れたのは誠が手伝ってくれたからに他ならない。
さて、みどりの風と一口で言っても国政政党を目指す全国組織、地域政党として各地で作られた組織…、各地と言っても県政と市町村では動きが異なるし、もちろん政治が関係する分野は多岐に渡る訳で、すでにかなり複雑なものになっている。
私達は、この状態を遥香システムでカバーし整理して行こうと考えている訳だが…。

「千景、遥香システムの市政関連は随分作業が進んでいるが大変じゃないのか?」
「それ程でもないのよ、前から有る組織をシステムに落とし込んで行く事が中心、全国的に作業が進む頃には、こちらの体制は固まっていると思うわ、誠が手伝ってくれてるし。
柿川市の組織を他の市町村のお手本にするという事で協力体制が充実してるからね。」
「それにしても…、システム上ではみどりの風市政部会の実質的なトップになってしまって、自分が娘より随分下の立場になるとは思ってなかったよ。」
「それでも重要なポジションなんだから手を抜かないでね。」
「もちろんだ、しかし遥香さまをきっかけに高校生を重視する風潮が随分広まったな。」
「そうよね、私なんて凡人なのに。」
「凡人なのか? 私等夫婦は鳶が鷹を生んだと散々言われてるがな。
まあ、若者が活躍できるのは良い事だと思うよ。」
「遥香システム導入の効果として、若手が組織内で大きな顔を出来る様になったと感じてるわ。
もちろん年齢関係なく使えるシステムだけど、応用は流石に若手に叶わないでしょ。
結果として偉そうにしていたお年寄りの立場が弱くなったって、竹本さんも喜んでみえたわ。」
「そうか、千景を要職に就けて下さったのも大きなお考え有っての事なのだろうな。」
「ええ、政治は国の将来を支える若者の手で進めて行かなくてはいけない、先の見えないご老人の手に何時までも委ねていては国自体が更に老いてしまうと話して下さったわ。」
「成程な。」
「その事を私の口から訴える事で若者達を動かして欲しいとも。」
「あっ、千景のカリスマ性を高めようと…。」
「私の責任は重くなってるの、竹本さんが考えてみえるのは、明日の世界は私達が作って行く、その土台を作って行くのが大人の役割だそうで。」
「はは、当たり前だろ俺達は娘たちがより良い人生を送れる様に、その為にはより良い社会であることが大切だろ。」
「う、うん。」
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板垣千景-08 [高校生会議2-05]

対談の模様は編集され色々な形で視聴して頂く事に成っている。
その編集が終わる前に…。

「千景、今日竹本社長とお会いして来てな。」
「へ~、社長はお父さんと接点とか有ったんだ。」
「いや、そういう訳ではなくて、千景にブレーンの一人として活動して貰えないかというお願いをされてな、高校一年生という立場を考えたら、先に保護者の承諾を得て置くべきだと考えて下さった訳だ。」
「ブレーンか…、お父さんはどうお応えしたの?」
「本人の意思を尊重させて頂きますとお答えしておいたよ。」
「そっか…、ねえ…、お父さんはさ、職業としての政治家って、どう思う?」
「有りだな、最近の千景を見ていると悪くないと思うし、何より周りの人達がな、お前が被選挙権を得たら全力で担ぎ上げたいって、まだ選挙権すら持っていない高一の女の子をだぞ。
それだけ人々の信頼を得ているという事だな。」
「うん…。」
「だいたいだな最近の議員なんて能力的に怪しい二世やブームに乗っかった素人、知名度だけのタレント議員が幾らでもいる、そんな連中に比べたら、すでに組織に良い影響を与えていて、被選挙権を得るまでに沢山の学習が出来る…、本来政治家は若い頃からしっかり学習し経験を積んだ上でなるべきだと思うんだ。
次のステップとして、竹本社長のブレーンとなり経験を積まさせて頂く事は悪くないと思うよ。」
「そうね、一度社長とお会いして…。」
「スケジュール調整はするが希望は有るか?」
「学校が有るものね、それじゃあ…。」

数日後、私は竹本社長達と会食。
その場には時間の都合がついた他のブレーンの方も同席された。
大学教授、保育園の園長、町内会長といった顔ぶれは新鮮。
皆さんは編集の終わった対談映像をご覧になったそうで、お褒めの言葉を頂いた。
そして、私がブレーンとしての職務を果たしながら、将来への経験を積むという考えは皆さんに受け入れて頂けた。
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板垣千景-07 [高校生会議2-05]

竹本社長との対談。
テレビカメラの存在に少し緊張はしたが、挨拶の後は…。

「千景さんが政治に興味持たれたきっかけは何ですか?」
という問いには、憲法を学習した時の話しや中学の自由研究の話をし…。
「竹本社長は、みどりの風、市政部会の部長をしておられますが、市政の問題点をどの様に見ておられますか?」
「歳出のアンバランスだね、簡単に言ってしまえば、税金を使うべき所に使わないで、さほど必要でない事に使っているて、更に使おうとしている、君もそんな気はしてないかな?」
「はい、今の市政では取り敢えず施設を作るという感じで、公園を作る予算は有っても、その維持管理の予算は充分用意されていません、その結果、草で荒れてる公園も有ります。
公園の維持管理は、住民のボランティア頼みばかりでは行き届きません。
私の祖父が住む都会の公園は維持管理にしっかり予算が下りていて、何時行っても綺麗です。
柿川市の過去は分かりませんが、今は岩崎関連の会社や工場、倉庫が増え税収はそれなりに有ると思います、必要性の低い新しい施設を建設する予算が有るのなら、現在ある施設の維持管理にもっと予算を回すべきだと思います。」
「維持管理に予算配分をするメリットを君はどう考える?」
「安定雇用の確保です、現時点で老朽化の進んだ施設も幾つか目に付きます、年間を通して市内の色々な施設を補修して行くだけでも、それなりの雇用に繋がると思います。
更に踏み込んで、市政に係わる仕事に携わる人や福祉関連で働く人の待遇改善まで考えて下されば、経済活動の活性化にも繋がると思うのですが。」
「そうだね、福祉関連の給与水準は低すぎると思う。
若者が安心して結婚、子育てを考える事の出来る水準まで上げる必要は私も感じているよ。
では、教育面はどうかな?」
「岩崎の仲間が調べていますが、まずは貧困対策を充分に行う事が先だと思います。
貧困家庭に生まれた事がハンディにならない社会になれば、教育関連の問題も随分解決出来ると思います。
教育に関しての具体的な取り組みは、岩崎高校生会議で調査研究だけでなく、実際に学校改善チームが高校や中学の部活に係わったりもし始めています。
ですが市役所サイドの後押しが得られていません、中には面倒な仕事を増やしてくれるな、と考えている職員もいるようです。
そんな状況ですが、私はより多くの大人が学校教育に係わる事によって改善される問題が多いのではないかと感じています。」
「具体的には?」
「部活の指導を教員主体で行うのではなく外部指導者に任せれば教職員の負担が減ります。
法改正が必要になりますが。
指導と言う形でなくても大人が共に学んだり、スポーツや趣味の活動を共にする事が可能になれば、子ども達の視野が広がりますし、いじめがしにくくなります。」
「問題点はないのかな?」
「悪意ある大人をどう排除して行くかです。
ある程度人数を多く出来れば互いに注意し合えると思いますが、誰でも良いとはせずに資格を取って頂く必要が有るのかも知れません、お仕事との兼ね合いも有ります。」
「そうだね、私も研究してみるよ。」

竹本社長は敢えて色々な話題を振られたと思う。
市が抱える社会問題は多岐に渡る、それらを私の口から聞きだしたり、ご自身で語られたりした。
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板垣千景-06 [高校生会議2-05]

誠は夏休みが終わりに近づき大学へ。
毎日の様に顔を合わせていた夏の終わりは寂しかった。
それでも、いや、だからこそ誠に良い報告が出来る様、政治研究会での役割は真面目にこなしている。
お母さんからは…。

「千景、市長候補、竹本社長と対談の話が来てるけど、どう?」
「えっ? どういう話?」
「高一の可愛い女の子が政治研究会で頑張ってるって噂を竹本社長が聞きつけて、会ってみたいそうなの。
これまで、みどりの風の地域支部に横の繋がりをと動いてくれてたでしょ、市長候補とも繋がりを持っておいて、悪くないんじゃない?」
「う~ん、対談の内容はどこかで発表するの?」
「ええ、編集して、最低でもこのエリアの岩崎関係者全員の目に届く様に、出来れば市内の有権者全員にね。」
「内容がまだ分からないのに?」
「あらっ、みどりの風関係者の皆さんは、あなたの考えに賛成だそうよ、だから市長候補と対談してもおかしな事にはならないだろうと判断してるの。」
「そうね、竹本社長も岩崎雄太社長を尊敬してみえるそうだから問題無いか。」
「じゃあOKしとくね。」

お母さんはやけに嬉しそうだったが、その理由はすぐに分かった。
竹本社長との対談会場は料亭。
そんな席に慣れてない私の為という事で、私のマナー教室と称して家族揃っての会食に。
美味しかったが、お母さんが私を口実にお父さんを説得したで有ろう事は明白。
最近、こんな母の血を私がしっかり受け継いでいると感じる事は多い。
さりげなく政治研究会を動かしていたりする…。
でも、そんな事もお父さんはお見通しで、策士策に溺れるなと言いながらお母さんのドジ話を教えてくれた、嬉しそうに。
夫婦仲は悪く無いのだ。
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板垣千景-05 [高校生会議2-05]

政治研究会に何度か顔を出す内に私の立場は一年生のリーダー的なものになってしまった。
私より先に活動を始めていた一年生と比べて、知識や理解度が大きく異なる事は誰の目にも明らかだったから自然な流れだ。
姉や妹と違い普段から両親と政治の話をして来た、みどり風の話も…。

「千景、市長選へ向けて公約の案が出来たが見てくれるか?」
「うん、どんな感じなの…。」
「これなんだが…。」
「そうね…、悪くは無いけど…、文章が固くないかしら…、お父さん、ちょっと待ってて、私のパソコン持って来るから。」
「ああ。」

私のパソコンからアクセスしたのは、みどりの風が市政を担う地方都市の支部が作ったサイト。
「ほら、言ってる事は同じでも優しい感じになるでしょ。」
「確かにそうだな…、このまま使うのはまずいのかな?」
「先方の了解を得ておけばいいんじゃない、お互い地域政党みどりの風の仲間なんだから。」
「そうだな、今後は国政政党として協力して行く事になるのだろうし。」
「国政の話は進んでいるの?」
「と、思う、担当は違うんだ、千景は国政の方が気になるのか?」
「そりゃあそうでしょ、市長戦は負けたらおかしいもの。
会社の業績を大きく伸ばした竹本社長が市長候補、会社運営の手法を市政に取り入れると明言されているでしょ。
落選したら平社員からやり直すなんて話して見えるけど、岩崎が一丸となれば落選何て有り得ないわよ。」
「だな、でも国政はそんなに甘くはないからな。」
「何とか政権を取れる政党になって欲しいわね。」
「ああ、千景の方はどんな感じなんだ。」
「個人的には組織固めの必要性を訴えてる段階。
地域政党、国政政党、政策研究、政治学習がバラバラで動くのは仕方ないけど、横の繋がりを強化したいと思わない?」
「そうだな、それなりに規模が大きくなりつつある、私の方でも相談してみるよ。」
「うん…、ねえ、絶対当選する市長選挙だけど、みんなで盛り上げれば楽しいし、その後への弾みにもならないかしら。」
「市長選をお祭りにするのか?」
「ええ。」
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板垣千景-04 [高校生会議2-05]

残りの夏休みはとても楽しかった。
告白されてみて、私が自分で思って以上に彼の事が好きだったのだと気付く。
その誠にいちゃん…、誠はすぐ我が家へ挨拶に来た。
まあ両親ともに顔見知りだった訳で…。
あっという間に、うちで夕飯を食べて行く程、我が家に馴染んだ。
うちに来る時の手土産が野菜だったりするのは、ご近所さん故の事か…。
夏休み中、二人でよく出かけたが、遊んでばかりではない。
夏休みの課題は苦手な理数系を教えて貰って早目に終わらせた。
そして、政治研究会のミーティングにも何度か参加した。
私が二度目に参加した会では。

「千景、今回は大人中心だからね。」
「うん…、この部屋?」
「ああ。」

「おお、誠くん、いらっしゃい、今日は彼女同伴かい。」
「こんにちは佐竹さん、こっちは千景、板垣千景です。」
「よろしくお願いします。」
「こちらこそ、よろしくな、もう直ぐ始まるからちょっと待ってて。
お~い、お嬢様に飲み物頼む~。」

「では始めます、今日の学習会は政治の現状を分析するというテーマです。
今回初めてという方も遠慮なく発言なさって下さい。」

討論は現政権の問題点や野党の情けなさなどが中心、特に気になる発言はなかった。
「え~っと、今回は珍しく高校生が参加してくれました…、女子高生の目から見て今までの話はどうでしたか? 板垣さん。」
「はい、私は女子高生の代表では有りません、私個人の考えという事でよろしいでしょうか?」
「あっ、失礼しました、お願いします。」
「皆さんの討論を聞かせて頂くまでもなく、大きな問題は投票したくなる様な国政政党が無いという事だと思います。
ですから国政政党を目指して準備中の、みどりの風に期待するしか無いと考えています。
私がみどりの風に期待しているのは、岩崎雄太社長のお考えに沿って企業人が係わっているという事です。
既存政党の議員たちは一つの党内に派閥が有ったり考え方が違っていたり、酷いと全く違う考え方の人が選挙目当てで同じ党に所属というおかしな事になっています。
国政政党みどりの風は岩崎の価値観に沿って、一つの企業体の様な形で運営されると信じています。
党内に反対意見が出る事も有るでしょうが、それは話し合いで一本化され一丸となって運営して下さるでしょう。
会社組織が意思統一なされていないと良い仕事が出来ないのと同じ理屈、当然分かっていらっしゃる方ばかりだと思っています。」
「みどりの風が国政政党を目指している事はどの程度?」
「最近知ったばかりですので調べ始めたばかりです。
岩崎高校生会議第十七支部、政治研究会には所属したばかりですので、今後ご指導お願いします。」
「いや、こちらこそ…、はは、今時の若いもんはって、定番のセリフが有るが、うちの高校生達はホントに頼もしいね、今年の一年生は特に優秀な人が集まっていると感じていたが、こんなにも可愛らしいお嬢さんがしっかりしていて、誠くんが焦る気持ちが分かるよ。」

会場の人達はそれなりに私達の事をご存知だった様で少し恥ずかしかった。
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板垣千景-03 [高校生会議2-05]

ミーティングが終わった後、誠にいちゃんは約束通りファミレスで奢ってくれた。

「誠にいちゃん、私…、話し過ぎたかな…。」
「いや、問題ないよ、政治関係が千景ちゃんの得意分野だったのは意外だったけど。」
「六年生で憲法について学習した時に、自衛隊って軍隊じゃないの? って思ってから何となくね。」
「ご両親の影響も有るのか? みどりの風に力を注いで下さってる様だが。」
「それはね…、大きな声では言えないのだけど、私に影響されてみどりの風の活動をしていると話しているの。
自由研究で分からないと親に訊いたりするでしょ、それを一緒に調べたり考えているうちにね。」
「と、いう事はみどりの風の方向性には千景ちゃんも賛成しているという事かな。」
「みどりの風が国政を目指す話は知ったばかりで…、でも岩崎雄太社長の方針に沿っての事だから多分大丈夫だと思うわ。
岩崎社長は今までにない社会体制を思い描いて見えるでしょ。」
「ああ、まずは企業の役割から…、でも千景ちゃんがそんなに学習していたなんて驚いたよ。」
「ふふ、何時までも子どもでは有りませんよ~。」
「うん、見直した、これからも政治研究会に参加してくれるか?」
「そうね、先生役を頼まれてしまったし。」
「俺は九月の中頃には大学へ戻るけど、その後も頼むよ、メールでここの状況を教えてくれると嬉しいのだけど。」
「良いわよ。」
「そ、それと…、千景ちゃんは彼氏とかいるの?」
「いたら、こんな所で誠にいちゃんと会っていないわよ。」
「はは…、ど、どうかな、俺と付き合うってのは?」
「えっ?」
「小さい頃は可愛いだけだったけど…、ほんとはもっと待ってから告白するべきなのかもしれないけど、のんびりしていて誰かに先を越されるのは嫌だし…。」
「ふふ、良いわよ…。」
「有難う、ずっと好きだったんだ。」
「へ~、何時から?」
「う~ん、ちっちゃい頃から妹の様に可愛がってたつもりなんだけどな。」
「確かに…、でも、これから…、妹扱いは嫌かも。」
「分かった、俺の事は誠と呼んでくれ。」

突然の話だったけど、私が誠にいちゃんに憧れていたのも事実で嬉しかった。
う~ん、二人が並んでたら、ちゃんとカップルと見て貰えるだろうか、兄妹ではなく…。
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